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レジリエンスは成長を助ける場合とそうではない場合がある

論文を見て,たまに「こういう枠組みで研究することができるのか」と,感心することがあります。

そういう時に思うことは,「いったん思いついてみれば,『最初から思いついていた』と思ってしまうものだ」ということです。

今回の研究もそういった感想を抱いたもののひとつです。でも,じゃあ同じ研究を真似することができるかというと,そういうわけにもいかないのですが。

レジリエンスとPTG

困難な状態に直面していったん落ち込んでも,そこから回復する現象や回復に影響する心的な状態のことをレジリエンス(Resilience)と言います。

それに対して,トラウマ的な出来事から回復してさらにその経験から成長していくという現象を,心的外傷後成長(Posttraumatic Growth; PTG)といいます。

この両者は似ていると言えば似ているのですが,「回復」と「成長」ということで,互いに違ったところに焦点をあてています。また,両者の関係もよくわからないところがあるのですよね。

レジリエンスが成長をもたらす

そんなふたつの概念に注目した,韓国の研究者たちによる研究があります。この論文を見てみましょう(Resilience as a mediator in the relationship between posttraumatic stress and posttraumatic growth among adult accident or crime victims: the moderated mediating effect of childhood trauma)。

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