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ネットいじめの研究空間のマッピング

割引あり

いじめという行為は,学校生活やその他の環境の中でも,ほかの仲間から受けるネガティブな行動全般を指すことが可能です。いじめは幼少期から始まることもありますし,思春期にも,大人においても見られます。

ネガティブな行動の中には,殴る,脅す,侮辱する,うわさ話,傷つける会話,排除などが含まれます。そしていじめは社会的関係への悪影響,精神的健康を損なうこと,自己概念や自己効力感への悪影響,感情の悪化,心身の健康状態への悪影響,学業成績の低下など多くの問題をもたらします。


ネットいじめ

ネットいじめは,新しいネット上のテクノロジーと新しいライフスタイルを反映したいじめの形態です。ネットいじめの定義は,コンピュータ,携帯電話,その他の電子機器の使用を通じて,意図的にくり返し加えられる危害のことだとされています。またネットいじめは,他者を不快にさせ,傷つけ,困惑させ,屈辱を与えることを目的としています。

ネットいじめは限られた範囲だけでなく,広い範囲に伝わることで,さらに広く悪影響を及ぼす可能性がある行為です。

自己の問題

ネットいじめは思春期青年期に特に見られることから,精神面の問題としては自己概念の発達にも悪影響を与える可能性があります。ネットいじめは自尊感情の低下,人生全体への不満,自己効力感の欠如などをもたらすと考えられます。

また,ネットいじめをおこなう側にも,高いストレスを日常的に感じていたり,不安や生活への不満も抱えているという報告があります。ネットいじめの被害者になる側も,加害者になる側も,多くの問題を抱えている可能性があります。

研究の現状

ネットいじめの研究は,どのように展開しているのでしょうか。公表されている論文の引用関係を分析する手法で,ネットいじめ研究の現状を把握しようと試みる研究がおこなわれています。

研究の様子を可視化するサイエンス・マッピングの方法を用いると,何が見えてくるでしょうか。では,こちらの論文を見てみましょう(Science Mapping: A Bibliometric Analysis on Cyberbullying and the Psychological Dimensions of the Self)。

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