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ダーク・テトラッドとビッグ・ファイブ・パーソナリティ

割引あり

ダーク・テトラッドは,マキャベリズム,ナルシシズム,サイコパシー,サディズムという4つのパーソナリティ特性のまとまりです。

◎マキャベリアニズム:自己利益を重視し,他者操作,他者に良い院s尿を与える行動にも関連
◎ナルシシズム:過剰な誇大性,優越感,賞賛の追求,支配欲,傲慢に関連
◎サイコパシー:冷淡さ,感情を伴わない衝動的な行動,表面的な魅力,犯罪傾向などに関連
◎サディズム:他者の苦痛(身体的および/または心理的)を楽しむことと関連


特徴

ダーク・テトラッドは近年注目されています。これらの特性が高い人は,一般的に高いレベルの攻撃性,衝動性。規範を侵害する行為などに関連することを特徴とします。

パーソナリティ特性はダーク・テトラッドだけでなく数多くの枠組みがあります。たとえば,ビッグ・ファイブ・パーソナリティもそうです。ビッグ・ファイブ・パーソナリティには,外向性,協調性,勤勉性,情緒安定性(神経症傾向),開放性という5つのパーソナリティ特性が含まれます。

ダーク・テトラッドとビッグ・ファイブ・パーソナリティは,どのような関連を示すのでしょうか。

関連

◎マキャベリアニズム:外向性とプラスの関連を示す研究と無関連を報告する研究が混在する。勤勉性との関連もさまざまな結果が報告されている。情緒安定性の結果も一定しない傾向がある。協調性とはマイナスの関連,開放性とは無関連が報告される。

◎ナルシシズム:外向性とプラスの関連,協調性とはマイナスの関連を示す。勤勉性との関連は研究によってさまざまである。情緒安定性,開放性との関連も不明瞭で結果は一貫しない。

◎サイコパシー:協調性および勤勉性とマイナスの関連を示す。外向性に関してはさまざまな結果が報告されている。情緒安定性や開放性との関連も一貫しない。

◎サディズム:ビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連を報告する研究は多くない。メタ分析では,協調性と勤勉性が低いという関連が報告される。外向性とプラス,情緒安定性とマイナスの関連を報告する研究もあるが,結果は不明瞭である。開放性との関連は一貫しない。

関連の検討

今回は,スペインの1000人以上を対象として,ダーク・テトラッドとビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連を検討するものです。どのような結果が得られたのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(The Dark Tetrad: analysis of profiles and relationship with the Big Five personality factors)。

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