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退屈を感じるとメディアを使う
皆さんは,毎日の生活の中で「退屈だ」と感じることはあるでしょうか。
現代の生活の中では,「退屈さ」を感じることは難しくなっています。その大きな要因は,何と言ってもインターネットと付随するサービスの充実です。
現代の退屈
とはいえ,まだ毎日が「退屈だ」と感じる人は少なくないそうです。これだけ周りに刺激が多く,スマホでもパソコンでもあれば,すぐに退屈さを紛らわすことができます。にもかかわらず,退屈さを認識する人がいるのも確かです。
退屈というのは,人々が時間がゆっくりと流れていると感じる不快な経験のことを指すそうです。退屈さを感じている人は落ち着きがなく,閉じ込められたように感じ,やりがいがないと漢字,人生を無意味なものだと認識する傾向もあります。
アメリカの大学生を対象とした調査によると,約20%が高いレベルの退屈さを感じていたと報告されています。また,アメリカの成人を対象とした調査では,過去10日間に少なくとも1回は退屈さを感じた人は63%にものぼったそうです。
退屈さの揺れ
退屈さを概念化する際に,どのように定義するかという点も重要です。
退屈さというのは,ある状況下で一時的な気分状態だととらえられることもあれば,さまざまな状況を越えて退屈を経験する,パーソナリティのようなものとしてとらえられることもあります。これまでに同じような枠組みでとらえられた心理学的な概念はいっぱいあるのですが,退屈さも「状態」と「特性」で捉えられるということなのでしょう。
状態的退屈は,状況と人との相互作用によって一時的に生じた退屈さです。そして特性的退屈は,自分の意図を実現すること,実行すること,望ましい目標を達成するための活動を継続することが困難である結果,退屈さを頻繁に経験することを意味します。特性的な退屈さは,慢性的な主体性の欠如としても考えられるそうです。
他の退屈の定義としては,次のような要素があります。
◎満足のいく活動への関与の欠如
◎状況が冗長,単調,無意味と認識されることによる覚醒度の低い否定的な感情
◎落ち着きのなさ,焦燥感,退屈であることへの苛立ちから生じる覚醒度の高い否定的な感情
◎時間が長引くという感覚
◎注意の集中が困難であること
デジタルメディア
退屈さの程度とデジタルメディアとの関連については,いくつかの研究が行われているようです。いったい,どのような関連が報告されているのでしょうか。メタ分析で両者の関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Boredom and digital media use: A systematic review and meta-analysis)。
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