継続は力となるか
今回はまず,下の画像を示したかったのです。
Duolingoの継続日数が「1700日」となりました。
Duolingoは無料の学習プラットフォームで,各国語を気楽に学習することができます。以前も記事にしたことがあるのですが,前回記事にしたときは「1200日」でしたので,なんと500日も増えたことになります。だからといって,語学スキルがどれくらい向上したのかは分からないのですが......数字にするとなかなか,という印象になりますね。
5年目
ちなみにDuolingoを始めてから5年目になったというメールも送られてきました。5年×365日を計算すると1825日になるはずなので計算が合わないじゃないかと思うかもしれませんが,実は一度,連続を途絶えさせているのですよね。
noteも続けてきました。これも「継続は力なり」となるでしょうか。
習慣の力
こういった継続について考えると,この本を思い出します。『習慣の力 The Power of Habit』です。
心理学の教科書に必ず登場するウィリアム・ジェームズは,1892年に次のように言っているそうです。
「私たちの生活はすべて,習慣の集まりにすぎない」
日々の生活のことを考えてみれば,常に「これをしよう」と意識することもなく,自動的な行動の積み重ねであることがよくわかるのではないかと思います。日々の生活の中の行動の実に40%以上が,その場その場での意思決定によるものではなく,習慣なのだそうです。
意識しないで行動する
「習慣」というと単純な行動ばかりではないかと思うかもしれませんが,習慣を一連の行動の集合体であり,かつ意識を介さないものと考えると,多くの行動がこれに当てはまるようになります。そして,最初は意識して1つ1つ行動していたものが,次第に意識することなくすることができるようになっていきます。
たとえば自動車に乗ったとき,初心者だと「周囲を見て」「ロックを外して」「乗り込んで」「エンジンをかけて」「ミラーを確認して」……と,いちいち行動を意識的に確認しながらしなければならないのですが,慣れてくると何も考えることなく自動的に次々と行動することができるようになっていきます。そして,運転しながら別のことを考えたり,会話をしたり,音楽を聴いたりすることも余裕でこなせるようになっていきます。
習慣化の方法
要は,いろいろな行動を習慣化することができれば,大きな力になっていくということです。では,そのためには何をすればよいのでしょうか。たとえば次の2点はマーケティングの基本なのだそうですが,習慣化するときにも役立ちそうです。
1 シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること。
2 具体的な報酬を設定すること。
この2つのポイントをきっちりおさえておくと,魔法のような効果が生じると本の中に書かれています。どうでしょうか。うまくいくでしょうか。
とはいえ,習慣をつくり出すためには,行動を変えるだけではダメなようです。そこに必要なもう一つの要素があるようです。
しかしそれだけではじゅうぶんではない。つくり替えた習慣を身につけるには,「変われる」と信じる必要がある。そしてたいていの場合,それはグループの助けによってのみ生まれる。
誰かが一緒にそれをやる,というのはとても大きな習慣化の力になるようです。そういえば最初に示したDuolingoも,ユーザーをフォローしたりランキングで競うようにして,他のユーザーを見えるようにしています。もしかしたら,こういう効果を狙っているのかもしれません。そしてまんまと乗せられる……というわけです。
信じる力
そしてもうひとつ,信じる力が必要なようです。
大切なのは「神」ではない,と研究者たちは気づいた。「信じること」そのものが差を生むのだ。いったん何かを信じることを覚えると,その能力が人生の他の部分にまで影響を及ぼし,自分は変われると信じ始める。
信じることこそが,つくりかえた習慣のループを永遠の行動に変える要素だったのだ。
「自分は前よりもよくなっている」「変わっていくことができる」「うまくいくはず」という信じる力が,行動の変化を別の行動の変化へと波及させていく要素なのではないかと著者は考えています。
「信じる」とはいっても,なかなか「じゃあ信じる」というわけにもいきませんよね。きっと大事なのは,そこにある「物語」なのではないかなあ,と思います。自分が納得できる,自分なりのストーリーや理屈です。
きっと大切なのはそういうところなのだろうな,と思っています。
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