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ダークな管理職の功罪

「シニアマネージャー」という言葉をよく聞きますが,日本だとどれくらいの地位のことを指すのでしょうか。

indeedに解説ページがありました。マネージャーは少人数を統括するような地位,シニアマネージャーは複数のマネージャーを統括するような地位,とのことです。職場によってどのくらいの地位であるかは変わってきそうですが,課長とか部長以上の地位,とイメージするとよさそうでしょうか。


組織へのコミットメント

コミットメントという言葉はどうでしょうか。これもなかなかイメージしづらい言葉なのですが,実際に多くの文脈で用いられて,その都度微妙に意味が変わっていくようにも思います。「約束」とか「注力すること」とか「一生懸命に何かに取り組んだ状態」とか,「その行動しか取れないような状態になること」とか,「その行動しか取れないような仕組みを作ること」とか「選択の幅を狭めること」とか,いろいろな意味があります。

「組織コミットメント」といった場合には,組織に対する献身的で責任のある姿勢を反映した自発的な状態だと定義されるそうです。シニアマネージャーとして組織を束ねる立場になった場合には,組織コミットメントを保つことが必要になりそうです。

ダークなシニアマネージャー

この研究分野でも,パーソナリティ特性を検討対象とした研究が増えている印象があります。今回は,マキャベリアニズム(他の人を利用する),サイコパシー(冷淡で罪悪感を抱かない),ナルシシズム(自分が好きで虚栄心が強い)の3つのまとまりであるダーク・トライアドを使った研究を紹介したいと思います。

この研究は,フランスの中小企業を対象として,シニアマネージャーたちに調査を行ったものです。実際に,ダーク・トライアドの高いシニアマネージャーたちは,組織に対するコミットメントが高いのでしょうか,それとも低いのでしょうか。では,こちらの論文を見てみましょう(The bright and dark sides of the Dark Triad traits among senior managers: effects on organizational commitment)。

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