基本的な感情とパーソナリティの関連
アメリカの神経科学者ヤーク・パンクセップ(Jaak Panksepp)は,感情(情動)の神経プロセスを研究する(していた)研究者です。
パンクセップは,7つの基本的な感情(一次的感情)を想定しています。これらは人間だけでなく,哺乳類にも共通した部分があると考えられています。表現の仕方はいくつかあるみたいですけれども……。
◎SEEKING:探し求めること(ワクワクする気持ち)
◎LUST:渇望すること(性欲)
◎CARE:慈しむこと(世話をする)
◎PLAY:楽しむこと(社会的能力や運動を学ぶ)
◎RAGE/ANGER:怒ること(危険から守る)
◎FEAR:恐れること(危険への対処)
◎SADNESS:寂しいこと(離れることへの苦痛)
ちなみにパンクセップ教授,2017年に73歳でお亡くなりになっています。
感情と性格
パンクセップの7つの基本的な情動と,ビッグ・ファイブ・パーソナリティはどのように関連するのでしょうか。メタ分析で関連を検討している研究がありましたので,この論文を見てみましょう(A meta-analysis on individual differences in primary emotional systems and Big Five personality traits)。
文献の検索は2020年4月に行われています。目的となる感情の測定と,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連が検討されている研究が集められていきました。論文が集められましたが,この中には同じ対象者から得られたデータの論文が複数含まれていたそうです。論文の内容を見ながら,データに重複がないように慎重に結果を集めていきます。結果的に,21の独立したサンプルの結果が集められています。
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