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離婚に性格は影響するのか

早くも1930年代には,性格特性と結婚生活の結果との関連が検討されていたそうです。その研究は,知能の研究者としても知られているターマンが行ったもので,1935年に出版されています。この論文はそのうちnoteでも取り上げてみたいですね。

さて,こういった研究が行われているということは,離婚が社会的に大きな影響をもたらしていたということを想像させます。離婚はその過程に巻き込まれた子どもたちだけでなく,当人の幸福や心理的な健康にも悪影響を及ぼすと考えられます。

なお離婚という現象は,必ずしも「悪い」とされる行為でもありません。離婚をすることでそれまでの苦痛から逃れることができる場合も多々あると想像されます。しかし,そのネガティブな印象から,多くの研究者たちが研究対象として取り上げてきた現象でもあります。

離婚の遺伝率

ちなみに,一卵性双生児と二卵性双生児のふたごの研究によると,離婚のリスクの分散に対する遺伝の影響はけっこう高く推定されるそうです。そして,この遺伝の影響の3分の1以上が,パーソナリティに影響する遺伝的要因と共通しているとも推定されるのだとか。

ということは,離婚はパーソナリティ特性と一定の関連が想定されてもおかしくはありません。

関連はあるのか

果たして,離婚とパーソナリティとの間にはどれくらいの関連があると言えるのでしょうか。特定の性格の持ち主は,絶対に離婚してしまう,というようなことはありえるのでしょうか……。

メタ分析によって両者の関連を検討している研究がありますので,この論文を見てみましょう(A Preliminary Meta-analysis of the Big Five Personality Traits’ Effect on Marital Separation)。

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