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子どもの肥満と性格には関連があるのか

割引あり

子どもたちの肥満は,世界的な健康問題のひとつだと言われています。過去40年間で,世界中で肥満の子どもと青年の数は10倍以上に増加したという報告もあるくらいです。2030年には5歳から19歳の肥満の子どもや青年が,2億5千万人以上になるという推計もあるようです。


小児の肥満

子どもの肥満は,次のような問題につながるといわれています。たとえば,高血圧,糖尿病,冠動脈性心疾患,その他心血管疾患のリスクなどです。

近年では,低・中所得国における小児肥満率の上昇と,高所得国における小児肥満率の高い比率の維持が特徴です。アメリカ合衆国では,3割の子どもたちが肥満か過体重だとされています。

しかし,日本は先進諸国の中では異常なほど,肥満率が低い国のひとつです。これも考えてみれば不思議な現象です。

パーソナリティ

特定のパーソナリティ(性格)特性が,肥満やBMIに関連するという研究結果が報告されています。特に,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの勤勉性(Conscientiousness)は,自己コントロールや忍耐強さ,社会的規範や規律に厳しい傾向,日々の規則正しい活動に関連します。この特性の高さは,肥満率の低さ,BMIの低さに安定して関連します。もちろん,関連は小さなものですけれども。

しかし,子どもたちのパーソナリティ特性とBMIや肥満との関連は,あまり明確な関連を示されているわけではありません。ただし,いくつかの研究はあるようです。

メタ分析

このような状況の場合には,メタ分析を行うことが有用です。では実際に,メタ分析で子どもたちの肥満やBMIとパーソナリティ特性の関連を検討した論文を見ていきましょう。こちらの論文です(The association of personality traits with childhood obesity: A systematic review and meta-analysis)。

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