プロ野球で成功する性格はあるのか

プロ野球に性格?見出しのようなタイトルで記事を書いているわけですが,そんな性格というのは見いだすことができたりするのでしょうか?

クロニンジャー(Cloninger)のパーソナリティ理論にもとづく性格検査を使って,プロ野球選手のパフォーマンスを検討した研究を見つけましたので,今回はその論文について紹介してみたいと思います。


クロニンジャー理論

クロニンジャーは,性格(Character)と気質(Temperament)という枠組みでパーソナリティを捉えています。気質は遺伝の要素が強くて幼児期に現れる,認知活動や習慣の形成にかかわる個人差特性だとされていて,性格はもっと遅い時期に形成されるものだとされています。

気質には4つの内容があります。

◎新奇性追求:新しい刺激を求め,行動を活性化する
◎損害回避:ネガティブな刺激に対して行動を抑制する
◎報酬依存:社会的刺激に影響を受けやすい
◎固執:行動を持続させる

性格は次の3つです。「性格」ということばを使っていますが,少し抽象的な時限を表しているように思います。

◎自己志向:自分が決めた目標や価値観に向けて行動を制御する
◎協調:他者の受容,寛容,協力など
◎自己超越:すべてのものがひとつにまとまるという統一的な意識

プロ野球選手の性格

この研究では,プロ野球選手とそうではない人々との間でパーソナリティを比較しつつ,さらにプロ野球選手の中で5シーズンに渡って成功した選手のパーソナリティについても検討しています。この論文を確認してみましょう(Temperamental Predictive Factors for Success in Korean Professional Baseball Players)。

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