笑顔が裏目に出るとき
あなたのもとに,新たにスタッフとして職場に参加する新入社員から次のようなメールが届きました。このメールを読んで,どう感じますか?
杉山様
メールにて失礼いたします。山田一郎です。
今週から御社スタッフとしてお世話になります(^_^)。
金曜日の会議への参加をご連絡いただき,ありがとうございます。
もしよろしければ,会議の時間と場所をお知らせいただけますでしょうか(^_^)。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
山田一郎
やっぱり笑顔ですよ。いつでも笑顔が大切ですよね。
とはいうものの,この例を読むと違和感を覚えるのではないでしょうか。笑顔はいいものなのですが,時と場合によっては逆効果になることもある,と思うのではないでしょうか。
メールを書く?
大学教員のあいだでたまに話題になることの一つは,「最近の学生はあまりe-mailを書いた経験がない」ということです。SNSの私信やLINEやメッセージのやりとりで必要な用事は終わってしまいますので,わざわざe-mailを使ってやりとりをする必要性がないのでしょう。
ですから,大学教員とのやりとりや,就職活動のときや,就職してからe-mailでやりとりをするときになると,ついメッセージのやりとりのときのように自分の名前を書かなかったり,一応の挨拶を抜かしてしまったりしてしまうのでしょう。
そのうち社会全体もまた変わっていくとは思うのですが,要注意です。
空気を読む
子どもたちにとって,時と場合をわきまえるというのはなかなか難しい問題です。
同じ行動をとっていても,ある場所では「それは良い行動」と褒められ,別の場所では「そんなことをするものではない」と叱られるということはよくあります。
ウソをつくべき場面とついてはいけない場面,というのもそうですよね。子どもがウソをつくと「正直に言いなさい」と言われるのですが,何でも正直に言うと「ああいう人の前でそういうことを言うものではありません」と言われてしまったりもします。
正直でいることは大切なことなのですが,いつでも正直でいると「バカ正直」と言われてしまうのです。そう考えると,場所をわきまえる,というのはとても高度な判断が必要で,難しいことなのです。
笑顔が逆効果
どんなときに笑顔が裏目に出るのでしょうか。そんな問題に取り組んだ研究があります。この論文(The Dark Side of a Smiley: Effects of Smiling Emoticons on Virtual First Impressions)です。
この研究では,3つの実験が行われています。
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