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医者に特徴的な性格はあるのか

YG性格検査という心理検査の名前を耳にしたことはあるでしょうか。日本を代表する心理検査のひとつで,歴史的にも意義の大きいものです。

YG

「YG」という名前は,矢田部とギルフォードという2名の心理学者の名前からきています。もともとギルフォードという研究者のパーソナリティモデルや検査を参考にして,日本で独自に作成されたのがYG性格検査です。

YG性格検査は,次の12の得点を算出します。このアルファベットの頭文字で因子名を表現するやり方が,ギルフォードのモデルと共通しています。

◎D:抑うつ性大きい ー 小さい
◎C:気分の変化大きい ー 小さい
◎I:劣等感大きい ー 小さい
◎N:神経質 ー 神経質でない
◎O:主観的 ー 客観的
◎Co:非協調的 ー 協調的
◎Ag:攻撃的 ー 攻撃的でない
◎G:活動的 ー 非活動的
◎R:のんき ー のんきでない
◎T:思考的外向 ー 思考的内向
◎A:支配性 ー 服従的
◎S:社会的外向 ー 社会的内向

さらに,これらのうち複数をまとめて解釈することもあります。たとえば,DCINをまとめて「情緒不安定性因子」とするなどですね。

医師の性格

さて今日は,昔の日本の論文を紹介したいと思います。このYG性格検査を使った研究なのですが,タイトルは『ドクターの人格特性に関する一考察:YG性格検査による測定』です。

タイトルの通り,お医者さんには特徴的な性格というものがあるのか,ということを検討した論文です。この手の研究は海外ではよく行われていたりもするのですが,日本国内ではなかなか情報がなかったりもします。では,どのような結果になっているのかを見ていきましょう。

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