小説を書くという創作行為に対して、自分の中で勝手にハードルが上がっていたというお話をします。 最初に書きます。 ハードルが上がっていた理由はたった一つの簡単なことでした。 「立派なものを書かないといけない」 勝手にそう思い込んでいただけです。 そもそも私が小説を書き始めたのは小学校高学年のことでした。 家に置いてあったワープロに思いついた事をただ好きに打ち込んでいたのが始まりです。その後、中学校に上がってPCを買ってもらい、テキストファイルを量産していまし
私は窓枠に頬杖をつきながら、裏門から帰っていく人達を眺めていた。夕焼けの中、道の脇に追いやられた落ち葉の上を長く伸びた影が流れていく。 彼あるいは彼女たちはきっと今日と同じ日が明日も繰り返されることに疑問を持ってはいないんだろう。細部は違っても大体は同じ事の繰り返しで、たまにお休みの日があって、休み明けにはまた同じ仲間の元へ戻っていく。それこそが彼らや彼女らの日常なんだ、きっと。 開け放たれている窓からは少し冷たい風が入り込んでおり、ベージュ色のカーテンを時折はためかせ
急に窓を叩く雨音が大きくなった事に気付いた。ぱちんぱちんと不規則だったリズムが今ではざあざあと絶え間なく鳴り響き、休日で普段より人のいないオフィスに僅かながらの変化をもたらしてくる。 ほぼ無心で叩いていたキーボードから指を下ろし、いつの間にか前傾姿勢になっていた身体を椅子の背に預けると、ぎしりと聞き慣れた軋みの音がする。ガタがきてるなぁ。 ちょっと休憩しようとマウスの向こうのマグカップに手を伸ばすが、そこで既にコーヒーを飲み干していた事を思い出した。新しいのを淹れようと
水の張った田んぼに夕焼けが映るの、空が拡張されたみたいで好きです。
はじめましての方ははじめまして。 これからはnoteでも文章を書いていきます。