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Nikon D60

ここからは現在も手元にあるカメラも紹介していこうと思う。

エントリー機。2008年発売。
背面液晶もライブではない。
古いレンズを付けても違和感がないのはさすが。

NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5

このボディはNIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5が使いたいがために買ったといっていい。
ニコンのレンズマウントは「F」マウントだというのは有名で、基本的にはニコン最初の一眼レフである「Nikon F」のころから変えていない。
最近ではミラーレス用に「Z」マウントがあるが、レンズアダプターを介してZマウントボディにFマウントレンズを使うこともできる。

NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5はある意味ではエポックなレンズだ。

詳細はここに詳しいが広角レンズというのは開発が難しいものらしく、レンジファインダーから一眼レフの「F」をリリースして移行していく中でレンズ構成もFマウントに変えていかなければならないニコンとしては、ラインナップから広角レンズ、それまでのレンジファインダー用のものより高性能な広角レンズの開発は必達だったのだろう。
このレンズの開発は後の、もっというなら現行のレンズに至る素地になっていく。

割とそこらへんの中古カメラ店にゴロゴロあったりするので入手はそれほど難しくないと思われる。
ぼくも安価で手に入った。
本当はマイクロニッコール55mmF3.5が欲しかったんだけど、55mmをAPS-Cで使うと1.5倍だから80mmちょいの中望遠になってしまい標準レンズでは使いにくいからね。

非Ai

このレンズはニコンユーザーの方ならすぐに分かると思うけれど「非Ai」のレンズだ。

初めの頃の外部の露出計はシャッタースピードと感度を設定して、露出計に表示される絞り値を設定する方法だったが、これは面倒と言えば面倒な方法ではあった。
ニコンはこれに対して「カニ爪」と呼ばれる連動爪が設けて、これでボディ側のマウント周りのリングに設けられたピン、あるいはペンタプリズム部の前部に装着された露出計のピンを挟んで動かすことにより、設定絞り値を伝えるようにした。
ところが時代はTTL測光の時代となり受光素子もセレンからCdSになっていく。
難しい説明は省くが、TTL測光の一眼レフはレンズの絞り値をボディに伝える仕掛けがあるかどうかで、絞り込み測光と開放測光に分かれる。ニコンFマウントの場合「カニ爪」で絞り値の伝達が可能なので開放測光とすべきなのだが、ニコンの「カニ爪」は設定絞り値のFのみしか伝えないので、そのままではTTL開放測光には使えない。そこで、初期のニコンのTTL露出計連動機ではフィルム感度の設定ダイヤルのところにレンズの開放F値に応じた指標を設け、レンズを交換するたびにそのレンズの開放F値を合わせなおすような形にした。
「カニの爪」は絞りリングのF5.6の位置に設けられている。ここから絞りリングを開放側に回すと、開放F値の位置で制限に突き当たって止まる。つまりF5.6の位置から制限に突き当たるまでの角度がそのレンズの開放F値を表しているわけで、これをカメラボディの露出計に覚えさせておけばよい。

このタイプの露出計を備えたカメラではレンズ交換のたびに絞りリングを端から端まで一度往復させる。まず最小絞りまでリングを回転する動作で、それまでセットされていた開放F値をリセットする。そしてそのまま開放側に回転すると、今度はその回転角に相当する新しい開放F値がセットされるのだ。このような動作を鋸歯状の歯を備えた部品とその歯に食い込む爪とを組み合わせたラチェット機構で実現している。このセット時のラチェット機構の発する音から「ガチャガチャ」の呼び名が付けられた。

しかしこういった儀式はマウントごと新しいものに変更した他社に比べてひと手間かかるのは事実であり、新しいユーザーには面倒であるには違いない。そこで1977年に、ニコンは絞りの連動方式の大変更を行なった。新たな方式は「Ai(Automatic Maximum Aperture Indexing)方式」と呼ばれ、レンズの絞りリングに設けた段差(露出計連動ガイド)で、ボディ側の「露出計連動レバー」にF-F0情報を伝えるものだ。

つまり1977年にガイドをつけたレンズは「Ai」対応レンズであり、それまでのレンズは「非Ai」と区別されるようになった。

出典:デジカメ Watch

ボディ探し

さてそうなるとボディが要るわけだが、デジカメでということになると、これまた面倒な問題がある。
当然というかAiレンズ以降発売されたボディはAiレンズ対応になっているが、このボディはマウント部のボディ側に小さな爪がついている。
これが非Aiレンズを装着する際に邪魔になって付けられないのである。
Ai過渡期のボディやデジタルでもDfなんかだと解除できたり爪自体が折れたりするのだけど、デジタルとなる他にもいろんな要因があって取り付けできる機種が限られてしまう。
Nikon D7500, Nikon D5300, Nikon D5000, Nikon D5100, Nikon D5500, Nikon D5600, Nikon D3000, Nikon D3100, Nikon D3300, Nikon D3400, Nikon D40, Nikon D40x,そしてNikon D60と。
そんなこんなでお手軽価格だったD60を入手したわけだ。
ちなみに露出計は作動しない。フルマニュアルカメラになるから露出は勘に頼るか別体の露出計を使うことになる。
まさに先祖がえりだ。

ディストーションはほとんど感じられない。まぁクロップされるから当然か。
周辺の流れも見られない。これは家人の「お月見」という作品笑
28mm×1.5で42mmくらいだからほぼライフサイズ。

スローな撮影

先にも書いたとおりこれらのボディに非Aiレンズを使うとフルマニュアルカメラになる。
露出を決めてシャッタースピードと絞りを決める。
ぼくが写真を撮り始めた頃は、もうすでに露出計は内蔵されていたからフルマニュアルで撮影したのはライカの古いのを買った時が最初だ。
露出計を別で買って撮影時にはちゃんと測って設定してから撮ったのだけど、まぁ面倒なことこの上ない。
リバーサルフィルムではそうもいかないが、ネガフィルムならある程度露出の許容範囲が大きいので「サニー16」という露出の決め方を覚えて、それからは露出計を持たなくなった。

おかげでD60の撮影も頭の中でモニョモニョとやって撮影している。
たまに外すが、それもまた一興だ。
モニョモニョの分だけワンテンポずれるが、まぁそんなに慌てて撮るのでないならゆっくりでいいではないか、と。

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