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遡る〜ミノルタ (1)

ミノルタのカメラに関しては、ぼくが知っている(使っていたことのある)機種は少ない。
初めて手に入れたのはα-Sweet II、次にα7000、XE、ミノルタフレックスの順になる。

入門機

最初に手に入れたα-Sweet IIはエントリーモデルだ。
フィルム一眼レフ、エントリー機の先鞭をつけたのはやはりキヤノンのEOS Kissだっただろう。
これがパパママ層にヒットしたのだ。
これを見て他社もこの層へのアプローチが必要であるのを認識した。

ニコンはu(2001年)というカメラを出す。
しかしこのカメラは成功したとは言いにくいだろう。もちろん戦略としてエントリー層への訴求力を上げたとは言え、ニコンを求めるユーザーはそもそもエントリーモデルが持つべき「使いやすさ」を求めていなかった。
ニコンとしてもエントリー機で売上を伸ばすのは、かえって上位機の売上を削る結果に繋がりかねない。言い方は悪いがあえて「売らなくてもいい」機種を作ったに過ぎなかった。
それなのにリリースしたのは販売側からの要求だったからだろうと推測する。

ミノルタはキヤノンに遅れること5年、1998年にα-Sweetをリリースする。
この時代のフィルムエントリー機を使ってみると分かるが、どれも「使いやすい」とはいえない。
ダイヤルやボタンを廃したことでメニューの階層深くに機能が埋没してしまい、即座に見つけるのが困難になってしまっている。
しかし、これはそれまでカメラを扱い慣れている者の話であって、販売店で「高級機なようなダイヤルやボタンが少ない」「でも機能としてはメニューにある」と説得されてしまえば、初めてカメラを買う人にしてみたら「なるほど機能はそのままで価格が安いのか」となるわけで見事戦略にはまるというわけだ。
まさにEOS Kissが実例だった。

α-Sweetも高機能で軽く、とてもハンドリングのいいカメラだった。
しかしEOS Kissのようには売れなかった。
それはミノルタという会社のブランド力とマーケティング不足からではないだろうか。
ミノルタは宮崎美子さんをCMに使ったX-7とαショックといわれたα-7000くらいの認知度でしかなく、わざわざ同じようなカメラの中でミノルタを積極的に選ぶ理由が見つからなかったということと、α-7という個人的にはフィルム一眼レフの最高傑作だと思っているカメラを2000年に発売し、次期モデルであるSweet II(2001年)に、その機能を盛り込もうとしたことではないだろうか。
先にも書いたように機能を増やせば増やすほど操作は煩雑になり、メニューの奥底にある目的の設定までにシャッターチャンスを逃してしまう、という本末転倒な話は、なにも中級、上級者に限ったことではない。
店頭で口車に乗せられて買ったファミリーユーザーも一年二年と使うと、そういった不満は顕在化する。
後発のメーカーには、その声を聞くチャンスがあったのに、その逆をいくカメラを出し続けることになったのだ。

そうこうしているうちに時代はデジタルへと移行していく。
ニコンはフィルムエントリー機を売る気がなかったからデジタル高級機への開発に余念がなかったし、キヤノンも持ち前の開発力でニコンを脅かすメーカーになった。
ミノルタは...。
ご存知のとおりである。

画像は拾い物。ぼくと同じ20mm f/2.8を付けている

前置きが長くなったが、書いたようにα-Sweet IIは決して悪いカメラではない。
上位機とほとんど同じ機能があり、さらに小さく軽い。
軽いというのは、ぼくのようにスナップを撮ったりするのには重要な要素であって、さっと取り出して撮るのには重いカメラはまったく不向きなのだ。
ぼくが買ったのは2009年とかのことだから、中古もいいところで数千円(たしか5000円もしなかったと思う)で購入したと思う。レンズの20mmの方が高くついた。

Minolta α SweetII- AF20/2.8- Tri-X
Minolta α SweetII- AF20/2.8- Tri-X
Minolta α SweetII- AF20/2.8- Tri-X
Minolta α SweetII- AF20/2.8- Tri-X
Minolta α-Sweet II- AF20/2.8- Kodak T-max400

ちょっと長くなってしまったので続きは次編で。

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