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髪切りボヘミアン

今日、新しく選んた床屋に行って来た。最近、ぼくはもっぱら床屋だ。3年前の実家に帰るまで、ほぼ、若い頃はパーマ屋(死後・笑)、すなわち、美容院に足を運んでいたのだが、50を過ぎたあたりから、イタリアンよろしく、また、BERBERなるものを選んでいる。理由は簡単、女性が集う美容院に行きにくくなって来のだ。いい歳の男が女性の園にまじって髪の毛を切ってもらうことが、少し恥ずかしくなって来からだ。また、若い女性に髪を切ってもらうのも、なんか、こっぱずかしくなってしまってしまった、というのもあるのかも知れない。ま~、いい歳の男は男の園である、床屋にまた、行きはじめたということだ。少し前まで実家近くの同じところに通っていたのだが、なんとも技術的に気に食わないところがあり、前回、思い切って新しいところにかえてみたのだが、そこも技術的に気に食わなく、今日は新たなところに足を向けてみたのだ。昨日、職場の同僚である女性陣とも話をしたのだが、このぼくのように、髪切りボヘミアン状態の方が意外と多いのには少し驚いた。いいなぁと思っていた美容師さんが、特に引き抜きか、単純に他の美容院に転職か、異動されることが多いそうで、結構、難儀されてる方が多いのは意外であった。ぼくなどはこの歳まで、ずっとボヘミアンで、学生時代、少し気のあった(笑)年上の女性の美容師さんがいたところは比較的長く行ってたが、それ以来、ずっとボヘミアンを続けている。これはまた、昨日の同僚との話にもあったが、ぼくの持論では、値段にあまり関係がないということ。料金が安く技術的に微妙だったので、料金が高ければ安心なのかと思えば、実はそうでもない。というのが経験的な持論で、これにも同僚は「わたしたけではなかったんですね」と賛同を得る始末。結構、髪切りで同じ悩みを持つひとは思いのほか多いようだ。今回選んだ床屋は、実家から非常に近く、こんなところにあったんだ、というほどで、街道沿いに建てられた一軒家の一部を改造し、マスターがワンオペで営業しているようだ。昨日、ネットで調べ、完全予約制と書いてあったので、昼の休憩時間に電話予約したら、穏やかな話し方の店主に、少し安堵を感じ、今日に臨んだのだった。今日読んだ店主のFBに、いやな客の話があったので、こりゃ、ちょっと神経質な店主かなと思いきや、想像より意外と若い?40代前半?くらいの、右腕に入れ墨のはいった穏やかな店主であった。バンド上がりなのだろうかと、店内の椅子にすすめられつつ話をすれば、バンド上がりではなく、2年前くらいにそこの床屋の客で、いま、比較的売れはじめたバンドマンの影響で入れたそうだ。「バンドで絶対食って行く!」という強い意志を持つため自分に入れたそうで、その店主は、自分も床屋で食って行く、という強い信念を自分に刻むため、髪切りの主たる右腕に、自分の床屋の開業年と名前、そして、床屋の道具であるハサミや髭剃りナイフなとがデザインされていた。かっこいいと思った。ぼくもそのような入れ墨を入れていれば、業界から足を洗うことはなかったのだろうか。そんなことを思いつつ、話はほとんどが音楽の話になった。実はさっきから店内に流れている音楽もそのバンドのものらしく、真面目な店主の人柄を垣間見るところもあった。そのバンドも大手レコード会社と契約し、ドラマや最近であれば、非常に人気のあるアニメのエンディングのタイアップもあり、順風満帆なデビューのようだが、なかなか、作品づくりにも悩んでいるらしく、蛇足ながらも、経験者としてアドバイスなどをさせてもらった。「自分を癒やす楽曲でなければひとなど癒すことなどできないので、自分のためにこそ曲を作ってください」と伝えてもらうようにした。が、女性ファンが多い、比較的甘い声のバンドでもあったので、さっきとは真逆であるが、韓流を目指せ、とも言ってきた。固唾野郎である(苦笑)。だから、ここで10年以上もひとり床屋を続ける店主にも、同じことを言ってきた。客のためでなく、自分のためにひとの髪を切ってくれ、と。そうなのだ。すべて、自分がする行為は祈りなのだ。それが完遂できれば、永続的な繁栄があるであろう。ぼくなどは、いまの介護業界でそれができているだろうか。十分できているとは思えないが、目の前のことに精一杯対応している。ご利用者様が楽しめる、かつ、体の機能を維持できる、かつ、安心して過ごせる環境づくりをしているつもりだ。だから、5連勤もすれば、身も体もボロボロだ。夕食をとれば、そのまま寝てしまう毎日。これは自分にはいまの職種が合っていない顕れなのかともたまに思うが、昔、自分が夢見た、居心地のいい喫茶店のマスターになったつもりで対応している。で、結果、髪切りの出来栄えはどうだったかというと、店主には失礼だが、ま~、ボチボチ。結局はまた、家で軽く手直しをしたが、ぼくの髪切りボヘミアンは、まだ、続きそうだ。あ~なんとも落ち着きのないことだ。ぼくは様々な理由で転職を繰り返してきたが、色んな意味で死ぬまでボヘミアンなのかも知れない。。。(泣)

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