絵師さがし
「耳元の鈴を鳴らさない!」には40名を超えるクリエイターが制作に携わっております。
その中でもわたしが一番こだわり、最初に声をかけたクリエイターはイラストレーターです。
最初に企画を公開する前に、メインビジュアルを公開することを考えていました。
作品をイメージしやすく、明るい未来や希望、何かが起きる小説だということを提示したかったのです。
そういった構想もあり、本文が完成した後はイラストレーター様を探します。
本を出版するにあたって、作家がイラストレーターに声をかけるということは考えにくいでしょう。
しかし、あらゆる新規性を盛り込んだ企画にしたかったので、ここに抵抗はありませんでした。
むしろこれからの出版文化に取り入れてみてもいいんじゃないか。と思っていたくらいです。
作家自身が、イラストレーターを選定する。
自分の脳内に広がる映像の海に、一番共感でそうな絵師を探すのは、むしろ物語の作り手がやるべきなのではないでしょうか。
もちろん一歩離れたところからの意見というのが大切、という方や物語を作るのに専念するべき、という考え方も理解が追いつきますのでこれ以上はお話ししません。
昨今ではWEB小説を手掛ける方も、挿絵を描いてほしいという考えからイラストレーターの方にお声をかけていらっしゃる方がちらほら見受けられます。
Twitterのアイコンでもそうですね。
これは以前から考えていたことなのですが、わたしがイラストレーターの方に送っていたメールの一部分を、このnoteに公開したいと思います。
ですがその前に……。
わたしがうなさか先生以外に候補に挙げていた方も紹介したいと思います。
あまりお話しするメリットがないかもしれませんが、少しでも世界観が伝わったり、このお話しが参考になることもあるかもしれませんので……。
・みれあ先生 ・吉田依世先生 ・しぐれうい先生
・香川悠作先生 ・キヌガサ雄一先生
です。
大本命はうなさか先生でした。
どうしてもこの方を口説きたかった。
返信はなかなか返ってきませんでしたが、なんとかお話しを進めることができて本当によかったです。
勇気を出して、声をかけてよかった。これほど鮮やかに作品を彩っていただいたことに心から感謝いたします。
話を戻します。
イラストレーターの方に送らせていただいたメールでございます。
わたしと同じように、勇気を振り絞ってイラストレーターの方にメールを送ろうとしている方はぜひ参考にしてください。
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拝啓
益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
○○先生のことはpixivを通して存じ上げているだけで面識はありませんが、今回お願いがありまして初めてメールいたしました。
はじめまして。○○と申します。
この度メールしましたのは、私個人で出版するノベルティ本の絵筆を握っていただけないかのご相談です。
内容の詳細は以下のとおりになります。ご承諾いただけましたら、お打ち合わせさせていただきたいと考えておりますが、まずはご承諾いただけるかのご返事をいただければ幸いに存じます。
○○先生は何かとご多用の折、誠に恐縮でございますが、何卒よろしくご高配賜りますようお願い申し上げます。
敬具
ーーーーー記ーーーーー
・絵画制作概要
1.タイトル(仮)
「『映画』を知らない僕でさえ、」
99項 80671文字
2.枚数
表紙
口絵(カラー3枚)
モノクロ絵10枚
※仮の制作量になります。口絵、モノクロ絵は若干変更があるかもしれません。
3.締め切り
平成30年11月末
・問い合わせ先
メールアドレス \\\\\\\\
電話番号 /////////
・資料
作品梗概と本編になります。
ドライブ用と添付ファイルと送らせていただきます。
お忙しいと存じております。お時間に余裕がなければ、閲覧の必要はございませんので……。
※只今本編はフリーの編集者と編集作業中で完成稿ではございません。
Webページ制作は株式会社○○様、装丁家も現在ご依頼中でございます。
何かご質問ございましたら、どうぞご遠慮なくお申し付けください。
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私がお世話になった「映画」と「大分」へ。
かたちに残る恩返しがしたいという思いで書きました。
○○先生の華やかなイラストで彩っていただきたいという思いで溢れています。
どうか先生のお力、拝借させていただけないでしょうか?
長々と失礼いたしました。
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まず。
フリーの編集者と―――とございますが、この同時期に「いっしょにやりませんか?」というメールを送っていたのでまだ編集作業の段階にはいたっていませんね。
嘘になります。うなさか先生、ほんとすみませんでした。
このメールを送信する時、個人的に一番大切だと勝手に考えていたことは―――。
本文データを送ることでした。
本文を読めば熱量を込めていることが伝わるはず。そんな思いで送っていました。
8万字もある小説であれば目を通すことはないでしょう。しかし、8万字もある小説を送ることに意味がある。もっと言うとその行為で、込めた熱量が伝わるかもしれない。
伝わったかはもちろんわからないのですが―――、
実際にうなさか先生からいただいたご返信の、ほんの一部を載せます。
メールが届いた時、それはもう飛び跳ねたのを覚えています。
大好きな絵を描かれる方です。
数回、Skypeでお話しをさせていただいた時にあったのですが「紙吹雪のシーン分かります?」「分かりますよ。最後のところですよね」
というやり取りが本っ当にうれしかったです。
※基本的にはメールでの打ち合わせになりますので、はじめて依頼しようと考えていらっしゃる方はご留意くださいね。
イラストレーターの方に絵を描いていただく際の注意点(実際にわたしが失敗したこと)等々についてはまた次回にお話しいたします。
色々な愛の伝え方がありますが、失礼があっては損をしてしまいます。
もしこれからイラストレーターの方に依頼してみようかな。と考えておられる方で不安に思うことなどありましたら、わたしに相談してください。
答えられる範囲でお力添えいたします。
このイラストレーターの選定は本当に楽しい作業でした。
こんな素晴らしい方たちにお手伝いしていただけたら……!
という妄想はわたしを常に興奮させてくれました。
もちろん注意しなければいけないことも多いです。
うなさか先生にも、ご迷惑を多々おかけしてしまいました……。
しかし振り返ってみれば、素晴らしい完成品が生まれたという実感がありました。
一言では語りつくすことのできない、美麗なイラストの数々で埋め尽くされました。
自分の脳内で描かれるものがカタチとして目の前に現れたときの興奮は、ぜひとも皆さまにも味わっていただきたいです。
とりあえず本日は以上で。
次回はメインビジュアルの完成と情報公開までをお話しできればと思います。
お金にならないことばかりやっております……。もしよければ少しでもお金ください。大喜びします。