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ひっそりと楽しむ美術館巡り Vo.3 北斎展覧会 -島根県立石見美術館-

-2024/1/5-
今回訪れたのは

島根県立石見美術館

島根県益田市の島根県芸術文化センター・グラントワ。その一部に美術館があります。
グラントワは地元市民にとってはとてもゆかりがり、県内学校の吹奏楽コンクールが毎年開催されるなど芸術文化振興の場としてよく知られています。

益田駅で途中下車。街並みを見渡すとすぐに展覧会の案内が目に入ってきました。

ただひたすら真っすぐ道沿いに歩けば到着。

おろち
ナイスフェイスです


島根県芸術文化センター グラントワ

館内はぐるっと中庭囲んだ造りです。石畳が映えています。
ベンチでゆったり腰を掛けれるのが癒しでした。

入口からすぐ左が美術館、また別館にはレストランもあります。

新春仕様、らしかったです。
中庭
「大蛇のしっぽ」

展覧会情報は以下。

今回は展示室D 北斎「石見特別版」を鑑賞

北斎 初期の作品

「金太郎と熊」
「新版おどりゑづくし」

 石見特別展は島根県津和野町出身の北斎研究家である永田生慈氏の個人コレクションを公開しているのだそう。「永田コレクション」として当館に寄贈された総作品数は2398件と膨大な規模に及び、今回の展覧会では20~45歳時期の「春朗期」「宗理期」の作品を中心的に約280点が展示されています。

20歳から15年間は”勝川春朗”の名で製作
「はなし(柱題)」
「初春の日本堤」 「桃太郎と雉」
「歌かるた」
「鍾馗図」
「画本東都遊」 「東遊」
「忠臣蔵 第五段」
「忠臣蔵 第三段」
「新板浮絵忠臣蔵 初段鶴ケ岡」
「忠臣蔵 第六段」
「忠臣蔵 第四段」
「忠臣蔵 第弐段」

個人的に江戸時代の代表的な浮世絵師というイメージの強い北斎ですが、春朗期・宗理期は庶民的ながらも独自の日本画の表現を確立しているように思います。柱題は現代で言うところの漫画冊子のようなもの。挿絵と一緒に活字を読むという文化はこの頃は定着していたらしく、取っ掛かりやすい同人誌っぽさがあるように思いました。

もっとも刺さったのは北斎でも数少ない肉筆画の現存遺品とされる「鍾馗図」。鍾馗のまがまがしさを筆づかいや色彩から伝わり、時代が経っても色あせることはないのだろうと感じました。

-葛飾北斎期- -戴斗期-

宗理期以降のコレクションはダイジェストでの紹介。生涯を絵画制作に捧げた北斎の作風は、あらゆる変化を遂げていったことが分かります。
なかでも晩年の作品らは今でも語り継がれるような名作ばかりでした。

-為一期-
「富嶽三十六景 凱風快晴」
「牡丹に蝶」
画狂老人卍期
草間彌生 「南瓜」

出口には福岡で見た草間彌生の南瓜がここにもありました。
シンパンシーを感じます。


北斎が描く初頭の作品には彼の画家としての活動がよく表れていると思います。のちの作品を見ても一貫して精巧で写実的な絵は惚れ惚れしますが、ポツポツと変わり種の作品も見られます。他コレクションは今後も展覧会として公開されるようなので、展覧会を追えばおのずと北斎の人生も追うことができそうですね。

なかなか訪れる機会は少ないかもしれませんが、北斎展は2月までやっているみたいです。ご興味のある方はぜひ.//




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