言わなくても分かって! では伝わらない。|1月22日〜1月28日
コメラ〜(耐えろ〜)
「忙しいけど、活動めっちゃ楽しいなあ」
と思うことが多かった1週間でした。
年明けすぐに、お湯を温める電熱コイルが壊れてしまい
毎朝、水シャワーで目を覚ましています。
めちゃめちゃ冷たくて、いまだに慣れないです。
毎日水シャワーで過ごしている隊員さん尊敬です。。。
それでは、スタート!
タイトルの「言わなくても分かって!では伝わらない」が気になる方は、1月26日の日記をご覧ください。
1月22日|レペティション
週末は雨が続いてしまい、外での練習は行わずに
室内で体幹トレーニングをしていた。
本当は週末に行う予定であったレペティションを今日行った。
2月中旬に試合が行われる予定だ。
その試合に向け、課題を把握することが目的だ。
400mに種目を変えた選手は特に素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。もともと800mを専門としていた彼は、スピードアップと筋持久力の向上が課題だったのだが、足の回転を落とすことなく、走り切ることができ、タイムにも現れていた。
中長距離選手はレペティションの自己評価が40点と納得できていなかった。
ただ一つだけ大きな変化があった。
以前であれば、タイムを聞いて「これはダメだ」という振り返りしかしていなかったのだが、1000m毎のラップを確認し「はじめのラップは良かった。キープできなかったのがダメだった。あと、スピード足りない。」と自分でタイムを見て、課題を分析しようとする様子があった。
彼自身はどう思っているのか正直分からないが、大きな変化だ。
ただカウンターパートのコーチは、とことん叱責していた・・・。
選手の顔が徐々に曇っていくのを眺め、練習後には励ますことしかできなかった・・・。
ユース選手(シニア1)に対しても100mの測定を行った。
初めて測定する選手もいたので、彼らにとっては今回のタイムが基準となる。
1ヶ月後、2ヶ月後の目標を一緒に立てた。
人と比べるのではなく、過去の自分と比べて、どれだけ自分が成長したのか、タイムの変化を通じて彼ら自身が成長を実感できるよう、サポートしていきたい。
1月23日|男子選手もルワンダ代表に選出された・・・!
陸連スタッフから嬉しいメッセージが届いた。
来月開催される東アフリカ大会の出場者リストだ。
なんと、女子選手だけでなく、男子選手も追加で選出された!
彼は個人種目では選ばれなかったが、
4×100mR と 4×400mRの2種目のリレーメンバーとして選ばれた。
前日のレペティションでも調子を上げている彼の活躍が楽しみで仕方ない。
種目転向が功を成してきたように思う。
今回の大会ではほとんどが実業団選手が選出されている。
その中でセカンダリースクールの彼らが選出されたことは本当に素晴らしいことだ。
その一方で、彼らにとっては勉学も重要になる。
大会の前にはトレーニングキャンプが行われる。
そして、大会は1週間近く行われる。
つまり、彼らは学校を2週間近く休むことになる。
その間の勉強をどうするのかという話し合いを、
カウンターパートと学校の校長とで今後していく予定だ。
それにしても、嬉しい・・・!嬉しすぎる・・・!
1月24日|近隣学校でセレクション!
学校での授業を終え、放課後は同じセクターにあるTVETへ!
TVETは職業訓練校のこと。
この学校は私がお世話になっていた協力隊員の方が活動していた場所。
クラブの選手の一人も通っていることもあり、なんだかんだ毎週通っている学校だ。
カウンターパートと話し合いをする中で、セクター内で選手発掘を行っていくという方針が固まった。
学校にアポを取る、学校でセレクションの日程を調整する、そして1回目のセレクションをその学校で行う、選ばれた生徒は活動先のグラウンドで2回目のセレクションを行い、最終的に数名の選手を選抜するという流れだ。
そして今日は、1回目のセレクションを行った。
この学校の生徒のほとんどは英語が通じない。
キニアルワンダ語で説明するも、この学校に通っている選手に助けてもらいがらなんとか2時間のセレクションを終えた。
反省すべき点はたくさんあった。
中でも、年齢の制限を学校に伝えるのを忘れていたことは非常に初歩的なミスだった。
クラブの方針として20歳以上のアスリート(シニア)ではなく、ユース・ジュニア選手の育成に注力することが決まっているため、年齢の制限を設ける必要があった。
ただこうした気づきも、やってみなかったら気づけなかったことだ。
次回、別の学校で行う時には注意しよう。
1月25日|ドアは開いている
今日、現地コーチの勤務校の男子生徒を連れてきた。
彼は学校の近くに住んでいる生徒で「陸上やってみたいから体験させてほしい」と声をかけてくれたそうだ。
実際に動いてみると、伸びそうな予感!
新しい選手を見るたびに感じるが、ルワンダの子どもたちの多くは「まずはやってみる!」という初めてのことに対する挑戦の姿勢が素晴らしい。
「いつでもドアは開いているよ」
陸上に興味を持ってくれた子どもたちが、そのドアを叩いた先に「陸上って楽しい」そう感じられるような場所を現地コーチと一緒に作っていきたい。
1月26日|いってらっしゃい!
東アフリカ大会にルワンダナショナルチームとして参加する生徒2名が今日出発することに。
準備を終え、いよいよ出発!という時に、驚くことがあった。
「交通費がない」
現地コーチがとっくに校長と話し合いを終え、交通費を受け取っていると、私は思っていた。
すぐに現地コーチに電話で確認。
なかなか出てくれない。
出てくれたと思ったら
「話していないよ」
「電話をとってくれなかったから」
「お金どうするの?」と尋ねると
「僕はお金ないよ。どうすればいいか分からない。」とのこと。
校長が変わってから、彼は金銭面や依頼等の話し合いをことごとく拒んでいる。
「りさ、どうしてくれるの?」と。
彼の考えはわかっていた。
「困ったら、私がどうにかするだろうって思ってたでしょ?」
そう聞いてみた。
「Yes. You should help them.」
校長との話し合いを行なった上で、どうしようもないのであれば私は助けることも考える。
でも、言葉にしなくても、してほしいことは伝わってるでしょ?
そのスタンスにムカついた。
彼に限らず、言いにくいことは言わずに、なんとか相手に察してもらおうとする人は多い。
私はしっかり言葉にして伝えてほしい。
言いにくいのは分かるけど、それでも大切なことはしっかり言葉にして伝えて。
「元はと言えば、校長に話をしてないってことがおかしいよね。私も伝えたけど、あなたから伝えないと困るのは選手だよ」と強めに言ってしまった。
「I know. but I have many things to do.」
それから言い訳の数々。
自分を正当化して、悪気は全くない彼の姿勢にさらにムカついた。
結局、家族からお金を送ってもらい、彼らは出発することに。
バス停まで一緒に行き、彼らを送り出す。
シニア選手とのトレーニングキャンプ。
そして、初めてのナショナルチーム。
ルワンダを背負って、陸上を全力で楽しんできてね。
いってらっしゃい。
1月27日|遠いけど頑張って急いできたよ。
土曜日の朝は早い。
練習は6時から。
活動先の学校から歩いて1時間半ほどの場所で暮らしている選手がいる。
普段は自主練習をしており、週末のみ一緒に練習している。
毎週金曜日の夜は必ず彼から電話がかかってくる。
「明日の練習は6時から?少し遅れるけど、急いで行くね」
週に一度、同じ種目の選手と共に練習できる時間は彼にとっても
他の選手にとっても刺激となる。
来てくれてありがとう。
彼が目指す目標に向かって、導いていけるよう
週に一度の練習時間を大切にしようと思った。
1月28日|選手が帰ってきた。
陸連スタッフから朝に連絡があった。
「東アフリカ大会は延期になった。選手は今日の昼に一斉に帰ります。」
えええ。
金曜日に送り出したばかりの選手2人が帰ってきた。
詳しい事情は知らないが、とにかく延期が決まったらしい。
国際大会であったとしても、直前まで何があるのかわからない・・・
大会審判を頼まれているが、2月中旬には中間報告会や健康診断が予定されているため、もしかしたら大会運営に行けないかもしれない。
試合日程が確実に決まり、どちらも参加できれば良いのだが。
こういった出来事はよくあることで
焦ったり、落ち込んだりしていても仕方ない。
私がコントロールできる問題ではないから。
柔軟に対応するしかない。
準備期間が長くなったと捉えて、コンディションを整えるサポートをするのみ!
16時からミサで歌い、その後学校へ向かった。
選手2人は無事に帰ってきていた。
安心した。
トレーニングキャンプの練習内容を聞くと凄まじい練習量。
試合前の練習とは思えない走り込みをしていたようだ。
前回もだが、こうなる理由は一つ考えられる。
それは、大会前のみ練習しておけば良い結果が出るという思い込みだ。
陸上競技の場合は特に毎日の練習の積み重ねが大切だ。
コーチたちは大会に応じて練習メニューや強度を考えて行っている。
計画の甘さが、オーバーワークにつながっているように感じる。
それぞれがどのような練習を行ってきているのか、選手へのヒアリングなどは一切なく、全員がパートごとに同じメニューを行う・・・。
ナショナルレベルのコーチがこのレベルなのか・・・。
介入したくなるが、彼らの方が経験が豊富だ。
私にできることは、彼らのコーチングスタイルや考え、練習内容を客観視させること。
選手に対しても、自分の考えを伝え、練習を調整するための交渉力を養うことも重要に思う。
その一方で、出会ってきたルワンダ人コーチのコーチングスタイルはコーチ絶対主義だ。選手主体、日本で意識されはじめているアスリートセンタードコーチングとは真逆であると言える。
こういった状況の中では交渉力よりも、素直に従う選手の方がもしかしたら結果的に伸びるのかもしれない・・・。
出口のない迷路の中にいる気分になる時もあるが、ルワンダにおいてどういったコーチングが選手の競技力、そしてライフスキルの向上につながるのか、私なりに考えていきたい。
そして、考えるだけでなく、自分なりの考えが持てたときに現地コーチにも伝えたい。
おわり
ルワンダでは最近、風邪や具合の悪い人々が増えています。
「雨のせいだ」「気候が変わったからだ」「水が悪いからだ」と
聞いてみても、異なる回答であるため、原因は分かりません。
が、体調管理を徹底しようと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?