人を動かすって難しい|2月5日〜2月11日
はじめに
コメラ!(Be strong!)
活動先では今だに風邪が流行っていて、先生も生徒もいつもよりも少ないことを実感している今日この頃です。
女子寮しか見たことはありませんが、2段ベッドが一つの部屋に敷き詰められており、若干湿った空気が漂う女子寮…
寮での生活は間違いなく楽しいと思うのですが、インフルやコロナのような感染症が流行ると、一瞬で感染拡大するだろうなと感じます。
私はというと、かなり元気に過ごしています!
実は一時帰国の際に体調を崩していたのですが、それ以降、ルワンダに戻ってからも、体調は崩すことはなく、この環境に適応できたことを感じました。
それではスタート!
2月5日|いつまでたっても決まらない大会日程
本来であれば今週から開催される予定だった東アフリカ大会。
選手には毎日のように「いつから始まるの?」と聞かれ、現地コーチに尋ねると「No information」と言われる日々。
このように大会の日程がいつまでも決まらなかったり、延期が続くこの環境で困るのは選手だ。
選手のモチベーションの維持が難しい。
先週から毎週月曜日に、現地コーチが務める学校で、練習計画のミーティングを30分ほどで行っている。
試合期ではあるものの、大会の日程が定まらないためなかなか練習計画を立てるのも難しい。
選手の疲労状態も考慮し質の高い練習を継続するのは内心ヒヤヒヤする。
怪我をしないかとても不安だ。
現地コーチはケニアで参加したコーチ資格研修で学んだ理論をいつも自慢げに話してくれる。
「前から言ってたじゃん」と言いそうになるのを抑えて、彼のアウトプットに付き合う。
インタースクールの全国大会はおそらく5月。
そろそろ郡大会が始まってもおかしくはないのだが、一向に始まらない・・・。
何もかもが直前で慌てて準備する。
選手も大会も何もかもが直前。
慣れてきたはずだけど、選手の立場にたって考えるととても腹立たしく思う時もある。
自分がコントロールできない問題なので私は何もできないのが本当にもどかしい。
2月6日|競技場にいた4名の男子生徒
授業前にグラウンドの状況を確認しにいくと、4名の生徒が草抜きをしている。
授業中のはずなんだけどな。と思いながら彼らに尋ねた。
「なんでクラスにいないの?」
聞いてみると「パニッシュメント」とのこと。
さらに聞くと「来週の火曜日まで草抜き」だそうだ。
生徒指導スタッフに尋ねると、彼らは寮に持ち込んではいけないものを持ち込んでいたようだ。
彼らは黙々と作業を続けるが、反省しているようには見えなかった。
何かいけないことをした→罰を受ける
これは当然のことなのかもしれない。
だけど、根本的には解決しないよなっていつも思う。
人の行動には必ず背景がある。
彼らがなぜそのような行動を取ったのか、どんな問題を抱えているのか、彼らの事情を聞くことも大切だ。
対話は存在しない、悪いことは悪い。罰を与える。話を聞く余地はなかなか与えてもらえない。
これで悪いことをした人は悪いことを繰り返さなくなるのだろうか。当たり前のように嘘をつき、言い訳ばかりがうまくなるのではないだろうか。
2月7日|「人を動かす」って難しい
今日は近隣校でのセレクション!
前日に現地コーチに当日の流れを伝え、近隣校には生徒指導のトップの人と校長、教頭にも話を済ませた。
近隣校に到着し、確認のため現地コーチに電話すると「今日は17:00には帰るよ。」とのこと。
前日には17:15からセレクションを開始すること。その前までに私が近隣校のセレクション対象の生徒を活動先のグラウンドまで連れてくることを伝えていた。
いやいや、あなたが承諾したからこの日にしたんだよ?開始時間に関しても、前日にあれだけ確認したのになんで今さら?
思い返せば、彼は毎週水曜日は練習に来ない。
「家に帰る。家族のトラブルがある。」
この言い訳はもう3ヶ月変わらず続いている。
そう、毎週水曜日、そして土曜日は彼にとってはファミリータイムなのだ。
コーチにも家庭があり、守るべき人がいる。
それは分かるよ、痛いほどに。
それでもさ、なぜ守れもしない約束をして、簡単に破るのだろうか。
近隣校のスタッフの方々にも迷惑がかかるので、なんとかやるしかなかった。
彼は簡単に延期にすれば良いじゃん。と言っていたけど、いやいや、スケジュール調整したり、相手側に対する説明やお礼をしている私の身にもなってよ…なんでここまで他者のことを考えられないんだろう。
…なんて考えてる暇もなかったので、急遽セレクションの場所を変更した。
近隣校のグラウンドが使用可能とのことだったので、活動先の学校までは移動せず、その場所で行うことにした。そして、現地コーチにはなんとかして来てもらうことに。
一番取りたくなかった最後の手段だが、選手や関係者のことを考えるとこれがその時の最適解だった。
「移動費と少しばかりのお金を出すから、来てほしい。」そうメッセージを送った。
いつもなら放置されるメッセージが今日は30秒で返ってきた。
「Yes.I'm coming.」と。
そして彼と近隣校のグラウンドにてセレクションを行った。
無事セレクションは終了した。
現地コーチの協力なしではできなかった。
時間内にスムーズに、そして、最後にはモチベーションが上がるような言葉がけをするコーチの姿には驚いた。
その後、家に帰ってから考えていた。
今回のこの決断は、いかがなものだったのか。
信頼関係を構築され、あなたが言うなら行動する。
それができるのが理想だ。
ただ、会議やセミナーなどに出席することで報酬が出ることが当たり前のこの環境で、それがどこまで通用するのだろうか。
何かをしたら報酬が得られることは、彼らの中で当然の価値観としてある。
報酬が得られなくても自分の成長や誰かのためになるならという理由で無償で何かを行うというのは、ある程度満たされている人の特権、価値観なのかもしれない。
お金ではないにしろ、自分に得のあることであれば、彼らは動く。
甘い蜜がなければ人は動かない。
今はどうしてもそう思ってしまう。
活動先や彼らのニーズに応えた活動であったとしても、ただでさえ忙しい彼の仕事を増やしたのは私だ。
報酬が得られる仕事、得られない仕事。
もちろん報酬が得られる仕事を選ぶだろう。
貴重な時間を使っているわけだから。
自分の時間を使って、無償であったとしても、活動しているのは、その価値があると認識しているからだ。
それはなぜか。
お金以上に得られるリターンがあると信じているからだ。
少しのお金でさえありがたい彼らにとっては、長期的な成長より目先の利益や報酬なのだろう。
そこに私の価値観を押しつけるのは違う、、、気がする。
あなたのためなら、行動する。
そう思ってもらえて、彼らの行動を促せるようになりたい。でも、それができていない自分が今はとても悔しい。
2月8日|ランニングシューズがない。
現地コーチと協力して行っているタレント発掘。
ありがたいことに陸上競技に興味を持ってくれて練習に参加している生徒も増えてきた。
ただ大きな問題がある。
それは、ランニングシューズやスポーツウェアを持っていない、買えないことだ。
近隣学校の生徒はdayスクール、すなわち自宅から学校まで通っている子ばかりだ。
使いに使い果たしたランニングシューズは、穴だらけで、靴底が剥がれている。
それでも彼らは「明日も練習に参加していい?」と、陸上の楽しさを確かに実感しはじめている。
でも、このランニングシューズのまま練習を続けていたら、いつか怪我をしてしまう。
正直なところ、タレント発掘で人数を増やすことはできでも、彼らのランニングシューズやスポーツウェアを用意する予算はない。
保護者を説得してでも練習に参加してくれている彼らのために、私もできることをやりたい。ただ、ひとりをサポートすることができても、多くの選手を抱えた時にサポートすることは正直難しい。
こうした時は、余裕のあるものが助ける。
そんな助け合いのもとで、これまでクラブを運営してきている。
助け合いの精神は素晴らしい一方で、限界があるのも事実なわけで、持続可能的ではない。
郡庁や連盟のサポートもほとんどない中で、行っているこのタレント発掘は進めていくべきなのだろうか。
葛藤の連続だ、、、。
2月9日|日本の中学生への講演
今日は日本の中学3年生を対象にし、20分ほどお時間をいただき、ルワンダの様子や自分の活動、豊かさや国際協力に関するお話をさせていただいた。
こうした講演会で、いただく質問はルワンダや自分の活動について改めて考えるきっかけになっている。
深夜から早朝にかけての講演…!
なかなかタフだったが、引き受けて本当によかった。
そして、こうした機会をいただけたことに心から感謝!
毎週金曜日はお祈りの日なので、放課後の練習は行われない。そんな中、現地コーチから電話が。
バレーボールクラブのコーチがあなたを求めていると。
「He needs help you」
困っている人を助けたいのだから、これを言えば私が動くと彼は思っている。確かにそれはそうだけどさ。
プロジェクターでバレーボールの試合を見せたいとのことだったので快く引き受けた。
ただ、東京オリンピックの女子バレーボールの決勝を2時間淡々と流すコーチ…。
なにかアドバイスや見るポイントを伝えたりはしないものなのか…
リピートしてほしい箇所があったら伝えてねと言ったものの、一度も声がかかることはなく、試合は終了した。
ただやればいいってものではないのだけどなあ。と思いつつ、コーチも生徒もものすごく満足していた。
これでいいのか!笑
2月10日|活動先での大会
今日は活動先でバレーボールをはじめとするスポーツ大会が行われた。
活動先の学校だけでなく、カモニや他のディストリクトの学校も多く来ていた。
私は大会のサポートをしてほしいという依頼を受けたので、運営のサポートをしていた。
午前で試合は終わり、15時半からは陸上クラブの練習。
さまざまな間隔に置いたコーンをリズムよく飛び越えていく、遊びのようなトレーニングを行った。
間隔に応じて、ピッチやストライド、腕の動かす速度を調整することが求められる、実は難易度の高いトレーニングでもある。
最後は全員でリレーを行ったのだが、これがかなり盛り上がった。
負けたチームからは「This is final game」
これが4回続いた(笑)
「俺たちが負けるわけない!次は勝つんだ!」と彼らの負けず嫌いさを身に沁みて感じた瞬間だった。
いつもにはない練習の活気を感じた。
やっぱり競技スポーツであったとしても「楽しい」ってとっても大切な要素だ。
2月11日|パソコンと向き合う一日。
来週は中間報告会がある。
もうここでの生活、活動も1年経ったと思うと早い。
講演会や大会があったりと、なんだかんだ作業する時間がなく、報告用の資料作成という大きすぎるタスクに手をつける余裕がなかった。
できる限りの準備をして、来週の報告会に臨もう。
現在、お昼…
まだまだ完成は程遠い、、、
がんばる!!!
おわり
今週は自分の活動や周りの反応や行動、言動に葛藤することが多くありました。
ただ不思議とストレスはあまり感じていなくて、客観的に状況を見ることができていたように思います。
来週は久しぶりに任地を離れ、健康診断と中間報告会のためキガリへ行きます。
珍しく昼にこの日記を書き終えた今日、、、
ゆっくりしたいところですが、中間報告会の資料作成が残っているので、もう少し頑張ります!
それでは!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?