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笑顔で指導する体育教員。ルワンダ人は電話が大好き。

メゼネーザ!

先週の出来事がJ I C AのHPに掲載されました!
活動の様子を少しでも知っていただけると嬉しいです。

今週は来週に控えた大会に向けた書類づくりや、指導に励む日々でした。
最近は雨が多く、朝に気分が沈んでしまいます。

美味しいコーヒーを飲んで、良い香りに癒されてから出勤すると、
少しだけ気分が上がります。

ルワンダの雨は、一日中降り続けているわけではなく、
短時間(1時間〜2時間ほど)で止みます。

大雨が続くと、グラウンドの状態が悪くなるので、
早く、雨季が終わってほしい!
そんなことを思う毎日です。

それでは、スタート!


10月30日|「これ教えてくれ!」

放課後練習の帰り道に嬉しい出来事があった。


カウンターパートがWorld Athleticsが提供しているe-learning教材で疑問に思ったことを質問してくれた。

気づかぬうちに、かなり進めていて驚いた(笑)
今は、投擲の審判について学んでいるところだった。

スポーツ省のタレント発掘プロジェクトの陸上競技コーチを務めている彼は、
9月に行われたトレーニングキャンプで、タブレットやスマートウォッチ、Tシャツ、靴を支給された。

このタブレット。
どうせ活用せずに、YouTubeとかTicTokとかみてるんだろうなあと思っていた。(失礼)
実際は、e-learningで学んでいたり、YouTubeで選手にレースの動画を見せたりとなかなか活用していた。

このタイミングで選手との勉強会を企画してみようかなと思っている。

10月31日|ハンコとサインをもらいにフラフラと。

ルワンダはハンコ文化だ。

来週に控えた陸上競技大会の書類づくりをしている。

出場者リストと選手の出生証明書のPDFを陸連のメールに送付する。
陸連主催の競技会は割としっかりしている。

陸連以外が主催した競技会は、選手のリストも何もかも前日か当日に仕上げる(笑)

この出場者リストの作成が大変で、
選手のリストを作成しておしまい!ではなく、コーチとクラブ創設者のサインをもらう必要がある。

授業の合間を使って、書類に必要なものを揃えていく・・・。

まずはコーチのサイン。
カウンターパートは近隣校で働いている。
そこで、その学校までいき、彼のサインをもらう。

次は、創設者。
創設者は活動先の校長先生。

様子を見計らい、サインをもらいに、校長室へ・・・。
挨拶や雑談が、ルワンダでは大切。
いきなり用件を言うのは失礼な場合がある。
こちらからサインがほしいとは言わず、様子を見計らう。

約30分、雑談しつつも、クラブの話をしてようやくサインをゲット。
ハンコも押してもらえるかと思いきや・・・。
校長は異動が決まっており、別の方がハンコをもっているとのこと。

次は、ハンコをもらいに、また別の学校へ。(笑)

ようやくハンコを押してもらえて、オフィシャルな書類となった。

この書類と共に、選手の出生証明書もしくはIDカードのコピーが必要なのだが、
ここでトラブル・・・(笑)

IDカードをおうちに忘れて来ちゃった生徒がいた。
選手は学校の宿舎で生活しているため、IDカードを地元までとりにいかなければならないのだ。

幸いなことに忘れてしまった生徒はルワマガナ(活動地域)出身だったため、家族が届けてくれることになった。

IDカードをもっていない選手もいる。
そういった選手は出生証明書が必要になる。

この出生証明書は、彼らが生まれた地域のオフィスまでいき、そこで番号?みたいなものを取得して、
それを町中にあふれているイレンボと呼ばれる印刷店で入力して印刷する必要がある。

いやあ、こんなに大変だとは(笑)


- スタブロ練習で選手と競争! -

11月1日|出生証明書をなくした!?!?

出生証明書は16歳以上から取得可能らしい。
彼らのIDカードを集め、コピーしていく。

15歳の選手で出生証明書を学校に提出したとのことだったので
学校の秘書に確認しに行くことに。

すると「ここにはない」とのこと。

棚やら机に置いてある書類を一つ一つ確かめていく。
いやいや、なぜ1箇所にしまっていないのだ。
整理整頓ができていなさすぎる。

ノートにも挟まっているかもと確認しているが、
いやいやこんな大切な書類をノートに挟むか!?笑

1時間ほど探したが出てこない。
別の場所にあるかも・・・と探しに行ったが出てこない。

焦っていると「ナチバゾ!」(問題ないさ)と(笑)
いやいや、問題なくない。笑

結局、秘書の書類棚にあったのだけど。笑

それにしても、重要書類の管理方法には驚いた。

今日の練習で嬉しいことがあった。
抜きメニューの日なので、テンポ走をした。

走り終わった後、生徒が自分から
「今の走り、あまりよくなかった」
と感想を述べた。

「そう。そう感じた理由は?」と聞いてみた。

「接地が良くなかった。ベタベタ走ってしまった。」と。

これまでは走り終えたあとに、こうして感想を述べたりすることがなかった。
ただこなしているだけというか。

「マーカー走の意識で、足をすばやく前にもってくることを意識するとよいかもね。」
「リラックスして走れた?」

「それもできてなかった」

「肩が上がってたから、肩というか、上半身の力を抜いてみて」

2セット目終了後・・・

走り終えてから、ニヤニヤしながら私を見る選手。

「今のどうだった?」と聞くと

「今のはすごく良かった!接地よかったと思う!改善した!」

「やったね!」

3セット目前

「最初の20~30m、あのコーンまではスピードを意識してみて。」

「OK。そのあとはリラックス、だけど接地は意識だよね?」

「それでいいと思う!やってみよう!」

こんなやりとりをしながら練習できることがとても嬉しい。


- 放課後、仕事が終わった先生たちが集まってスポーツを楽しんでいる - 

11月2日|突如砂の山が現れた。

お昼すぎに学校に行くと、競技場が大変なことになっていた。

あちらこちらに砂の山が・・・。
昨日まで綺麗だったグラウンドが!笑

さらに、大雨の影響でグラウンドが大変なことになっている。

聞くと、競技場を整備するらしい。
いやいや大会前の今!?笑


- 非常に困る・・・ -

そんなことでイライラしても仕方ない。
自分ではコントロールできないことだし。

走れる場所もあるので、その場所を使いながら練習するしかない。

グラウンドがぐしょぐしょなので、今日は仕方なくロードでジョギングすることに。

走っている途中、スカウトした女子選手が質問してくれた。

「なんで高い山で走るといいの?」

なかなか興味深い質問!

「高地は空気が薄いでしょ?つまり、低酸素環境ってこと。
循環器系の機能が高まって、結果として持久力が向上するんだよ」

日本にはあまり高地がない。日本人の選手もケニアとかでトレーニングしたりするよ。
あとは、高地がないから、低酸素の環境の部屋を作ったりして、その中でトレーニングしたりもするよ。

どこまで理解してくれたかは分からないけど(笑)

さて、明日からの練習、どうしようか・・・。

11月3日|笑顔で指導する体育教員

昨日、今日と雨が続いている。
外は使えないが、私の活動先には室内体育館がある。

体育の授業は他の科目と違い、1時間に何クラスも参加する。

最高で6クラス合同(笑)
1クラス50人弱なので、約300人(笑)

「この数の生徒をどうやってマネジメントするんだ?」

今日は1クラスのみなので、体育館が使用できる。

「今日は1クラスだから、オーガナイズしやすいね。」

クラスの出席を取り、体操をして、バスケとバレーボールをする。

いつもはボールを渡すだけの体育教員。
今日は女子生徒にバスケのシュート方法を指導していた。
時に笑顔を見せながら。

彼は生徒の前ではかなり厳しい。
こんな笑顔は見たことないと思った。


- 私の活動先には室内体育館がある -

しかも、授業時間が終わったことにも気づかず、楽しそうに指導を続けていた。
彼はスポーツが好き。そして、大学で学んできた。
こんな指導が望ましいということもある程度わかっている。

その一方で、給料が低い、施設や教具が整っていない、担当クラス・コマが多すぎるなど
彼自身がコントロールできない課題が多くある。

やりがいやパッションだけでやっていけるほど、社会や生活は甘くない。
それは、ルワンダに限らず、日本も同じだ。

学生時代、ケニアの体育科教育について卒業論文で執筆した。

体育やスポーツについて研究し、専門性を高め「こうあるべきだ」と考えることと同じくらい、
現場を知ることで、見えてくるものがたくさんある。

「こうしたい」「こうしたらいいのに」と私たち、外の人間が語る以前に
現場の人々は、そんなことわかっているし、ずっと前から考えている。

それでもできない背景には何があるのか。

数週間のボランティアで見えてくるものもたくさんあるが、
みっちり現地の人々と暮らし、信頼関係を築くことを通じて、彼らの本音を知ることができる。

もどかしさも感じるけど、この経験を踏まえて、研究してみたいなと思っている。

11月4日|コニャギでカクテル!

今日は午前中はクラブ活動。

ちょうど1週間後に陸上大会が行われる。
量を減らし、質高めの練習を行う。

長距離チームの練習でのこと。
1000m×3セットのペース走。

ペースコントロールが課題の選手が多くいる。
それぞれが目標タイムを決めて、3セット同じタイムで走るというものなのだが、
選手から提案された。

「18秒ごとに笛で合図してほしい。」
100mを18秒で走ることが彼らの目標。
つまり、1kmを3分で走る計算になる。

レースでは、このようなことができるわけではないので、
自分でペース配分できるようになる必要がある。
というのが私の考え方。

うーん。それはいいのか?

でも、やったこともないのに、それは止めよう。って言うのは違うよな。

400mごとにタイムを伝えるから、その中でペースを調節してみよう。

彼らのやり方を尊重することにした。

結果、100mを18秒ペースで、1kmを3分で走りきった。

スモールステップ としては、良いのかもしれない

頭ごなしに彼らのやり方を否定するのではなく、
「まずは、やってみる。」

忘れかけていた大切なことを思い出す出来事だった。

午後は、先輩隊員のお家へ!
タンザニア産のお酒「コニャギ」を使ったオリジナルカクテル選手権をおこなった!
味やネーミングセンス、芸術性などの評価項目をベースに点数をつけあった。

これがとても楽しかった!

そして、おでんやいかの炊き込ご飯、豚ハツ、おつまみキャベツ・・・!
久しぶりの手料理、誰かと食を共有できる時間。
とても幸せだった!

11月5日|ルワンダ人は電話が大好き?

朝6:00頃、そして、7:00、そして8:00

ルワンダ大学の陸上コーチから着信アリ。
さらに、移動した選手からも着信あり・・・(笑)
そして、活動先の学校の先生からも着信あり。

おー、りさ、おはよう

おはよう!

元気か?

元気だよ。

久しぶりだな。

そうだね、久しぶりだね。

調子はどうだい?

調子いいよ。あなたは?

調子いいよ。

それは良かった!

ほんじゃ、またね。良い1日を。

あなたも良い1日を。

・・・(笑)
何か用件があると思いきや、用事はない。

ルワンダ人からの電話は大抵こんな感じだ。
用件があるわけではないのだが、相手の様子を確認したいみたい。

生徒からもよく「家族に電話したい・・・」と電話を貸してと頼まれる。
大抵の場合は貸してあげないのだが、貸してみると
挨拶して、元気か確認したら電話はおしまい。

日本ではあまり電話をしないし、用がなければ電話をすることはなかなかない。
人にもよるのかもしれないけど。

何があるわけでもない、挨拶の電話。

定期的にお互いを思い合うルワンダ人の優しさ?は素敵だ。

おわり

来週は土曜日に陸上競技の大会があります。

それと同時に、校長先生がついに移動する・・・。
新しい校長先生との挨拶も控えており、緊張もあります。

あまり考えこみすぎず、シンプル思考を意識して生活したいと思います。


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