聖地ラリベラの地中の教会:聖ギオルギス教会(エチオピア)
世界最古のキリスト教国ともいわれるエチオピア。イスラム教徒に占領されて聖地エルサレムへの巡礼が困難になったため、国王ラリベラは首都(ロハ)を新たなエルサレムにしようと、町の名前もラリベラに改名して整備しました。ヨルダン川など、聖書にちなむ名前をつけられた場所がたくさんあります。世界遺産にもなっている岩窟教会群、そのなかの聖ギオルギス教会の訪問記です。
ラリベラは標高2700m、富士山6合目と同じだそうです。
岩窟教会群 1978年の世界遺産ファーストイヤーに、イエローストーンやガラパゴス諸島などともに登録されました。(地図:「地球の歩き方」より)
聖ギオルギス教会 ついに憧れの教会が目の前に! というか目の下に・・・ 周囲には、シナイ山やアララト山を模した盛り上がりがあります。
奥行き・幅・高さとも12mのギリシャ十字型で、一枚岩をくり抜いて作られています。
まず岩盤を垂直に堀り、次に岩の塊を横穴式に掘り進んで、窓や壁画を含む屋内部分をくり抜きました。12~3世紀の建造といわれていますが、工法は完全には解明されていないそうです。
3階建てにみえる外観。黄色くみえるのはコケ。
狭い通路を通って、教会の入口へ。
儀式用の太鼓
ラリベラ十字を持つ聖職者
緑の草は、「ノアの箱舟」で、鳩が陸地から緑の草を持ち帰ったエピソードにちなんで植えられました。ギオルギス教会は、別名「ノアの箱舟」とも言われています。
見学し終えると、子供たちが学校から帰るところでした。
岩窟教会には、白い衣をまとったたくさんの信者さんの姿があり、観光地ではなく信仰の場なのだと実感します。
朝の始まり。クリスマスの大祭には500km以上を徒歩で歩いて、聖地ラリベラに巡礼する人が6万人もいるそうです。 なかには裸足で歩く人も・・・
エチオピアがキリスト教を受け入れたのは、紀元前4世紀。西欧とは違う原始キリスト教が息づいていて、貧しさのなかにも奥深いところで精神性の高さを感じる国でした。ラリベラの岩窟教会群では、権力の誇示より、ここを第2のエルサレムにしたいという強い願いを感じます。今年のクリスマスが平和でありますように☆