見出し画像

「あと、もう一踏ん張りだけ」の話

こんにちは。
TRUNK by Shoto Galleryの伊藤です。

「どんな人がどんな物を作っているのか」
「どんな気持ちでやっているのか」

そんなことが伝われば良いなと思い始めたこのnote。

初投稿に想いを込めすぎて、次に何を書いたら良いのかがさっぱり分からなくなり、あっという間に半年が過ぎてしまいました。

かなり久々の投稿となってしまいましたが
今回は「あと、もう一踏ん張りだけ」の話をしようと思います。

ここで伝えたいのは「成功するまで諦めるな!」とかいう話ではなく、あとちょっと「だけ」を意識すると、小さな成長と小さな自信を繰り返し、結果的に誰かのためになるかもという話です。



諦めの悪さ

私は今まで根性論に救われてきた人間で、根性があればなんとかなるだろうと思っている節があり、事柄によっては本当に諦めが悪いです。

例えば、中学生の頃。

私は女子バスケ部に入部していたのですが、入部当時には2年上の女子部員が1人しかおらず、私を含めた合計2人の女子バスケ部は廃部の危機にありました。

そして入部してすぐに、2年上の先輩は卒業。
女子部員は私1人に。

ここで辞めれば良いのですが
姉がバスケ部だったり、家にSLAMDUNKが全巻揃ってたり、何かとバスケットボールに憧れがあった私は、どうしても「バスケ部」をやってみたかったのです。

当時の私は非常に諦めが悪く、周囲の人に諭されたり、好奇の目で見られたり、馬鹿にされたり、いろんな人に迷惑をかけながらもなかなか辞めようとせず、先生や母を困らせていたことを今でもよく覚えています。

しかし「あと、もうちょっとだけ」と続けていたら、1年後には後輩が入ってきてくれて、最終的にはまあまあの大所帯になり、女子バスケ部は廃部の危機を逃れることができました。


「だけ」が大事

もしかしたら、こういう諦めの悪い原体験がこの話の土台になっているかもしれませんが、あと少しを踏ん張ることが大事なのだと気づいたのは、この仕事を始めてからな気がします。

ここで肝心なのが、あともう一踏ん張り「だけ」です。中学時代の私のように、他人に迷惑をかけてまで粘れということではありません。

例えば、招待状をデザインしている時に
スルスルとアイディアが出てきて
「お客様に早くお見せしたい」と思った時こそ
「あともう一踏ん張りだけしてみよう」
と心掛ける。

なんとかして捻り出したアイディアが
ようやく形になった時も
もうお手上げだ〜と疲労困憊した時も
「もうちょっと良くなるかもしれない」と思い込む。

この「もう一踏ん張りだけしてみよう」という気持ちが、お客様の満足度を上げたり、自分の自信や成功体験に繋がっている気がするのです。



この写真は、大量の蝶々を紙で作る依頼を受けた時のものです。

工程や発注数を考えると、構造はシンプルに蝶々の形に切り抜くだけの一択。もちろんそのつもりでサンプルまで制作しました。しかし、ここで「あと、もう一踏ん張りだけ」の出番です。「何が足りてないんだ?色か?形か?」となった私は会場装飾の担当に相談。「羽が動いたらもっと蝶々っぽくなりそう」と、透かしパーツと二重構造にした蝶々も混ぜて制作することになりました。

当日天井から吊るされた蝶々たちは、空調の風を受けて2枚の羽がうまい具合に揺れ動き、本当に羽ばたいているようでとても幻想的でした。絶対にこっちの方が可愛い。

些細な変化でも、「あと少し」と粘ることが
全体のクオリティを上げるきっかけになります。


「あと、もう一踏ん張りだけ」すると分かること


状況に応じて諦めが必要なことも
世の中にはいっぱいありますが
もう一踏ん張りできる環境と時間と余力があるなら
そうしてみた方が良いかもしれません。

大袈裟に言えば
思っても見なかった方向に転がれる
さらに良い未来があるかもしれない。

きっとどんな事でも
「もう一踏ん張りしてみるか」のあと一歩が大事で
その手前で満足してしまうことは
すごく勿体無いことなのだと。

「100回ダメなら、101回やってみろ」とまでは言いませんが、101回目に起こる世界は見てみたいような気がします。

ちなみに、母校の女子バスケ部は今も存続しているようで、あの時踏ん張っていたことが誰かのためになっていたら良いなと、31歳になった「1人女子バスケ部OG」は思います。

このnoteも「あと、もう一踏ん張りだけ」を頑張る誰かのためになりますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?