日本のひとクラスの人数はチリに続いて世界でひときわ多いのに、どうやってアクティブラーニングをするんだろうという疑問
ついに学習指導要領でも、[非認知能力]を重視することになりました。2020年に改訂された学習指導要領では、「生きる力」と題し、アクティブラーニングに舵を切ったのです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/
ついに我が国でもアクティブラーニングが!と思いましたが、よく読むと、結局、「学習指導要領に書かれたこと」を、「決められた授業時間」で、「先生がこどもたちの集団に対して教える」スタイルは維持。
この条件のもとでアクティブラーニングをさせるのって難しいですし、また学校の先生の負担が増えて気の毒な気すらします。
なぜ難しいか。それは、学習指導要領に書いてある「主体的な学び」「深い学び」「対話による学び」は、こどもそれぞれによって進み方や理解の仕方は当然変わります。集団指導+授業時間内におさめる+授業計画で指導内容と進度が決まっている、という条件で、こどもが主体の学びを、対話によって、深く理解させる学び、なんて、先生に酷としか言いようがありません。どうやってやるんだろう?
非認知能力の重要性の過去記事https://note.com/ateliermiraie/n/ne4944cdc9c12
非認知能力の理屈を知りたい方は過去記事https://note.com/ateliermiraie/n/n9c755271ca0d
教育とは時代によって変わりゆくもの。
完璧な教育ができる国なんてないし、一気に理想的な学校ができるなんて思っていません。ただ、こんなにゆっくり変わっているのでは、教育改革達成したころ、うちの子はもう成人していると思います。
なんでこんなに変化がゆっくりなんだろう。
下のグラフを見て下さい。
日本の学校はひとクラスの生徒数が多く、チリに続いて世界2位です。
これは、公的な教育支出が少ないことも関係しているのではないか、と思いました。
下のグラフです。日本の教育関連支出は赤い線のところ。
日本では、子ども一人当たりにかかる教育費のうち国の予算が少なく、家計負担が大きいのが特徴なのです。
だからこそ、各家庭で我が子の教育をプラスオンしていくのは、日本、韓国、中国に顕著な傾向(中国は今、「学習塾禁止令」を出しているみたいですが)。欧米では、そもそも学習塾というものは見かけません。
国の教育予算が少ないことに話を戻しますが、コロナ渦で学校が閉鎖された時。ICT活用の有無は、新型コロナウィルスのパンデミック下での教育へのアクセスに大きな影響が出ました。
下の表は、世界の学校のICT活用比率を表していますが、日本は下のグラフで最下位。(薄緑はOECD平均です)。
まとめます。
アクティブラーニングやろうとしても、集団教育維持では効果が上がらない。
少人数・個別指導に向かうとお金がかかる。
でも国がアクティブラーニングのためにお金をじゃんじゃん投入することはしない。
だから、授業の工夫で何とかしてね、先生よろしく。
こういう構図が見えてきませんか? これではすぐに教育が変わらないのは当たり前。
だから。
学校でお勉強をしたあとの放課後の時間、こどもひとりひとりがアクティブラーニングできるアフタースクールができたらいいな、と思っています。
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