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『マクドナルド』の略し方

親戚の中に、六平直政さんがとびっきり悪い顔をしているような強面の叔父さんがいる。

その叔父さんはいつも真面目な強面で、声もドスの効いた低めで大きい声なので、怒っているのかと思いながらもよくよく聞いてみると、その表情と結びつかない内容を話しているということがちょくちょくある。

先日、母方の田舎へ帰った際、そんな叔父さんから『マクドナルド』の略し方について、新事実が発表された。

それぞれの地域性や個性はあっても、『マクドナルド』としっかりと言う人はあんまりいないよねという話でみんな盛り上がっていた時である。

突然叔父さんがいつもの怒ったような真面目なトーン

でゆっくりとこう言った。

「関東は『マック』て言いよるな。

こっち(関西)はみんな『マクド』て言うわな。

でも俺は違うで。マクドて言わへん。」


まさかの英語か?と思いながらも、「じゃあおっちゃんはなんて言うん?」と聞くと、


「『マックン』やで。」


と、得意気に答えた。

※『うっふん』と全く同じイントネーションである。


「そんなん言うてる人おらんわ!」

「俺息子やけどマックンなんて初めて聞いたわ」

と口々に反論する親戚をよそに、

「俺の会社の若い事務の子らにも『マックン』でちゃんと通じてる」と続けた。


もう本人が「言ってる」と話している以上、そこに対しては納得するしかないが、多分会社の若い事務員さん達の間では「あの人が『マックン』て言うたら『マクド』のこと」と申し送りがあったんだろうな…と気の毒に思うのであった。

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