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ATQの「知っておこう」

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「自分の作るデザインに確信がもてるようなる基礎知識」や「なんとなくで放置しがちなニッチな知識」について書いた「知っておこう」シリーズをまとめています。
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2023年8月の記事一覧

アンチエイリアスと位置 |ATQの「知っておこう」vol.7

細かすぎるやや退屈なデザインの知識担当(?)のクリモトです。 皆さんがバナーなどのデジタル上の画像素材を制作する時、「オブジェクトの位置」について気にかけていることはありますか? ディスプレイ上のデザインを起こす時、pixelという単位で制作をしますが、この時にオブジェクトの位置を気にして制作しないと意図せぬ表現の崩れが生じてしまうことがあります。 今回はそんなオブジェクトの位置とデジタル表現の特性について触れていきたいと思います。 デジタル表現の"解像度"まず本題に

JPEGかPNGかで迷わないために |ATQの「知っておこう」vol.6

IllustratorやPhotoshopで画像を書き出す時、.jpg/ .png/ .tiff/ .gif/ .svg/ .webpなど、多様な書き出し方法が存在しますが皆さんはどのように選択していますか? JPEGとPNGだけで言えば「透明表現」がない場合はJPEG、ある場合はPNGといったかたちで分けている方が多いと思われますが、それ以外の特性もあります。 JPEGとPNGの違いをおさらいしながら、表現や使用箇所によってどのように使い分けるべきなのかについてお話しし

いまさら聞けない、現代デザインの基礎 『バウハウス』| ATQの「知っておこう」vol.5

月曜担当、ATQデザイナーのトラです! 今回は、1919年にワイマール (現在のドイツ) に設立された芸術学校『Bauhaus (バウハウス) 』についてです! デザインを学んだことのある人ならバウハウスという名前を一度は耳にしたことがあると思います。が、詳しくは知らないという方も少なくないのではないでしょうか? 産業革命以降、伝統的な工芸と革新的な工業の在り方について大きく揺れ動いて動いていた時代に、建築家、画家、彫刻家、工芸家、デザイナーなど、さまざまな分野の専門家

アフォーダンス | ATQの「知っておこう」vol.4

ATQデザイナーのクリモトです。 私たちは様々なモノに触れて生きているわけですが、それらほとんどが私たち使用者にとって快適なのは、そのモノの「アフォーダンス」や「シグニファイア」とよばれることに関わる設計が優れているからといえます。 デザイナーである我々は、常に心に留め置きたい考え方である「アフォーダンス」や「シグニファイア」。 今回はこの2つの単語について、簡単におさらいしていきます。 アフォーダンスアフォーダンス(英:affordance)はアメリカの知覚心理学者ジ

良いデザインには、良い意図がある| ATQの「知っておこう」vol.3

月曜担当、ATQデザイナーのトラです! 今回はスイス生まれの書体デザイン界の巨匠、アドリアン・フルティガー(Adrian Johann Frutiger)(1928–2015)と、彼の代表作であるUnivers・Frutigerの2つの書体から、デザインの意図を汲み取るフォント選びについて語っていきます。 前回に引き続きフォントのお話です。前回記事をまだ読んでいない方は是非一緒に読んでみてください! アドリアン・フルティガーアドリアン・フルティガーは、20世紀後半の書体

豆腐のない世界がNotoSansの夢? | ATQの「知っておこう」vol.2

ATQデザイナーのトラです! 最近、フォント整理をしていて「Noto Sans JP」と「Noto Sans japanese」の2種類のフォントがあり何が違うかわからず困ってしまいました。 調べたところ2種類の違いは、Noto sansの日本語正式対応版が「Noto Sans JP」で、2014年にベータ版としてリリースされたのが「Noto Sans Japanese」になります。 今回は、なんとなく知っているようで実はとても奥が深い。鉄板和文webフォント「Noto

フィッツの法則 | ATQの「知っておこう」vol.1

ATQデザイナーのクリモトです。 先日のWWDC2023で発表されたVision Pro、皆さんはどのような感想をもちましたか? Apple信者のクリモトは当然リアタイで観てたのですが、まさにiPhoneショックの再来という感じで、2-3日興奮で眠れないほどでした。 Vision Proはコントローラーを使わず「指で操作できる」という新しいユーザー体験がひとつの売りですが、これまでAppleの作ってきた体験を顧みると、きっとすごいものに仕上がっているだろうと期待せざるをえ