
デザインとアートの違いを考えてみた
自分が目指す分野を明確にすることは、活動をするうえでとても重要な事です。
今回は、私が今まで活動してきた中で感じた、デザインとアートの違いについて書きたいと思います。
デザインとは?
デザインという言葉は色々なところで使われていますが、定義は人によって様々なようです。
代表的なところでは、
ポスターなどの平面で行う「グラフィックデザイン」
文房具や自動車など立体で行う「プロダクトデザイン」
服飾に行う「ファッションデザイン」
それらを用いる空間に行う
「スペースデザイン」「環境デザイン」「都市デザイン」
などがあります。
種類はたくさんありますが、どの分野でもデザインは、
「他者や社会の課題を、情報を整理し、機能的に美しく示す事で、解決する」という事が重要な側面としてあると思います。
そのために、絵を用いたり、技術を用いるのです。
それに対してアートは、「自己表現と、表現を介して他者との感覚的なやり取りがおこる事」を重要としていると思います。
アートは、まずは自分の表現したいことがあり、そのために、色々な技法や道具を使います。
目的が、他者(社会)の課題解決か、自己表現か、というところにデザインとアートの違いがあるようです。
デザインとアートの境界
とはいえ、社会問題をテーマにしたアートや、後世になって芸術と言われるデザインがあるように、必ずしも作品に明確な境界はないでしょう。
しかし、学校を探す時や、仕事を獲得しようとする時など、第三者が提示した事や、要求している事を理解する時には、これらの区分けは、知っておく必要があります。
絵を描く事一つとっても、これから勉強する人は、自分の独自性を追求したアートを行っていきたいのか、絵画を用いてデザインを行いたいのかが分かっていないと、うっかり違う分野から勉強し始めてしまうかもしれません。
また仕事においても、相手が自分の独自性を評価しているのか、絵を用いて情報を整理(デザイン)してほしいのかが分かっていないと、話し合いがうまくいきません。
こういった勘違いや、行き違いを回避するためにも、デザインとアートの違いを知っておくことは、重要なことなのです。
相互的な作用
デザインとアートは全く違うところで成立しているわけではありません。
世間では、仕事として需要が高いのは、アートよりデザインであるとか、単価が高くても買われるのは、デザインよりアートの方であるなど、様々な事が言われています。
しかし、実際にはそういった端的な例ばかりではなく、アーティストが自分の作品をデザイン化して紹介することもありますし、デザイナーは、作品に奥行きを出すためにアートや文化について学ぶことがほとんどです。
このように、デザインもアートも単独のものとしてではなく、相互的に影響し合って存在しています。
活動するうえでは、それぞれの分野をバランス良く使いながら、最終的に自分のやりたい事へ結び付けていく事が重要だと思います。
また、デザインやアートのそれぞれの視点を知り、客観的な自分の得意分野を考える事が、仕事に結び付けたり、さらなる活動の幅を広げる時に役に立ちます。
制作する時、迷ったら…。
私は、絵を描く活動をするのにあたり、何から始めたら良いか分からないと思っていた時期がありましたが、このデザインかアートかというところに立ち返ってみる事で、描きたいことと、仕事になりやすい分野の違いがわかりました。
そのうえで、人から求められて、得意なものを短期的な目標にし、自分がやりたいけれど、需要の少ないことは長期的な目標にする事を考えました。
こうすることで、漠然とした活動から、短期、長期的な視点を持った活動にシフトする事ができたのです。
もし、この記事を読んでいる人の中に、私と同じような悩みや、活動の路線が分からなくなってきたと思っている人がいたら、少しこの考え方を思い出してみてください。
悩みを解決するヒントがあるかもしれません。