HSP夫婦の課題(コロナ離婚に思う)
今日はコロナでリモートワークになっている夫が、珍しく会社に行って不在。
夫にランチやコーヒーを用意することが当たり前になっているので、なんとも不思議な感じがする。
家中に広がる静寂。去年まではこれが当たり前だったんだよな。
朝のバタバタした時が過ぎ去り、この静けさの中で私は私を取り戻す。
最も尊い時間。ほっこり。
正直、コロナ騒動の初期は辛かった。
小学校は休校。息子はいつまでも終わらない春休みを楽チンだと喜んでいたけれど、常に子どもを見ているのは苦痛でしかなかった。
夫は夫で慣れない在宅勤務にストレスを感じ、度々トイレで吐いていた。
いつも曇った表情で、顔を合わせる度に体調不良(神経症)を訴えてくるので、私も引き摺られて心が重くなり憂鬱だった。
眠る直前に嫌なことや不安なことを思い返す習慣(?)のある夫は、息子を挟んで寝ている私に話しかけてくる。
やめて欲しい、眠いからひとりでやってくれと頼むのだけれど、アルコールが入っているせいか、淋しくて話しかけずにはいられないみたいだ。
“妻なんだから応えなければ”という思いもあり、不安や愚痴をひと通り聞いた私は、最終的にグウグウいびきをかく夫の隣で、ひとり眠れない夜を過ごす。
脳が覚醒してしまうのだ。
他人の不安・怒り・悲しみを、自分のもののように受け取ってしまう性質のせい。
胸が苦しくなって、頭の中で色んな思考がぐるぐると駆け巡る。
下手すりゃ、やり場の無い感情が翌日まで続く。
結婚してから何度も何度も繰り返してきた。
対策はある。受け入れないこと。それだけ。
だけど、入眠前のぼんやりした状態の時は油断していて、つい捕まってしまう。
しっかり話を聞いて解決策を共に考えたこともあるけれど、あまり意味がなかった。
彼の仕事の悩みを主婦の私が的確に理解することは不可能だし、そもそも彼はそんなことを望んでいるわけではないのだ。
私にして欲しいことは、こういうことだろう。
「大丈夫だよ」「誰よりも頑張っているの、知ってるよ」「たとえ世界中の人が敵になったとしても、私はあなたの味方だから」「何かあったら、私が働いてあなたを支えるから」って、笑って優しくギュッて抱きしめて貰いたいんだと思う。
要するに、ちょっと前に放送していた『半沢直樹』の、奥さん(上戸彩)だ。実際、彼はそんなシーンを食い入るように観ていたし、なんなら日本中の働く男性があのシーンにうっとりしたはず。
だけど、私は上戸彩にはなれない。
対して息子だったら?
これが、なんの抵抗もなく言える。
「あなたが世界で一番!」て、強い確信を持って。
つまり、私は夫に対して愛がないんだと思う。
というか、夫が求めているものがコテコテの【母性愛】だということに困惑する。
“それ、あなたのお母さんにやって貰って!”というのが本音だ。
幼少期に母親に十分甘えられなかったのかなぁ、と推察するが、その代役を私に求め続けるのは何か違うと思う。
すこぶる荷が重い。
(とはいえ私も似たようなメンヘラ行為を過去にやらかしていたので、気持ちはすごく分かる。)
夫に愚痴を吐かれる度に、私は愛に目覚めるどころか、自分がまるで肥溜めになったような惨めな気持ちになり、とてもとても悲しかった。
もともと自尊心の低い私の自己評価は下りに下がり、“そんなに辛いなら、いっそゴミみたいな私を捨てて楽になればいいじゃん!”という振り切れた考えに至った。
それからは、はっきりと夫のネガティブなアピールを避けるようにしている。
冷たいとは思う。
【コロナ離婚】て言葉が生まれたけれど、全然悪くないな。
元からあった得体の知れないものが、自粛を機に、目の前にカタチを持って現れただけ過ぎない。
ならば、素手でむんずと掴んで対処するだけなんだ。
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