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case06:産学連携で実現したはじめてのオンライン工場見学会

このnoteでは、atelier grayでおこなったイベントについて詳しくご紹介していきます。

「atelier gray(アトリエグレー)」は、株式会社 加藤文明社が運営するいつでも相談できてその場で製作できる印刷アトリエです。ものづくりの場所としてだけでなく、工場見学やセミナーなどのイベントスペースとしても活用いただいています。

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2019年には、千葉商科大学(以下CUC)政策情報学部でエディトリアルデザインを学ぶゼミ生を招いて工場見学会を実施。オフセット印刷機をはじめとした工場設備の見学はもちろん、印刷サンプルを見たり、スライド資料を使った解説をおこなったりと、本づくりのはじまりから完成までの一連の流れを学ぶことができる工場見学会です。

大変ご好評をいただき、ぜひ来年もやりたい!とご要望をいただいていました。

……が、2020年はコロナ禍となり、atelier grayではいままでのように多くの人をお招きすることが難しい状況に。
CUCでも授業の再開が延期となるなか、工場見学会も開催が危ぶまれていました。

そんななか先生方から聞いた、工場見学会を楽しみにしてくれている学生たちの声。
それに応えるためにも、なんとか開催できないかと考えた結果、工場見学会のオンライン配信に踏み切りました。

CUCの先生方もわたしたちも、オンラインでの工場見学会は初めての試み。打ち合わせを重ね、学生たちの意見も踏まえて企画しました。

オンラインイベントならではの工夫をご紹介します。

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撮影・配信は学生たちの手で

オンライン環境では映像や音声がとても重要。少しノイズが入っただけでも、気になってしまいますよね。できれば専門的な知識のある人にお願いしたいところ…。そこで今回は、CUC政策情報学部で映像制作を教える楜沢順先生とゼミ生に協力を要請。配信場所であるatelier grayからテスト配信をおこなうなど、事前準備を重ねました。

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映像制作を学ぶゼミ生たちも、このような本格的な機材による撮影・ライブ配信をする機会はあまり多くないそう。今回の工場見学会が貴重な実地研修の場として、映像制作を学ぶゼミ生たちの学びの場にもなりました。


オンラインでも臨場感のある見学会に

もっとも頭を悩ませたのが、見学会の内容。オンライン配信ではコミュニケーションが一方的になりがちなので、参加者を飽きさせない工夫が必要でした。

打ち合わせで決まった見学会のテーマは、前年と同様に「印刷の基礎知識と本ができるまで」。
実際に学生たちから作品データを入稿してもらい、それが1冊の作品集として完成に至るまでをたどりながら、印刷会社の仕事をご紹介しました。学生にとっては入稿データをつくるところから見学会がはじまっていて、その過程も楽しんでいただけたかと思います。

配信の形式にもひと工夫。画面越しでも現場の臨場感が伝わるにはどうしたらいいか?学生との対話が生まれる状況にできないか?と考え、CUC側の代表として吉羽一之先生をお招きし、先生とわたしたちの対談形式でおこなうことにしました。
吉羽先生には学生たちからチャットで質問を募集してもらったり、印刷サンプルに触れた感想を伝えてもらったりと学生の代わりになって現場の臨場感を体験・発信していただきました。

弊社のプリンティングディレクターも出演し、印刷のしくみや色、カラーユニバーサルデザインについて解説。印刷好きな吉羽先生からの、コアな質問にもお答えしました。

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△ 弊社プリンティングディレクターの話を聞くCUC吉羽一之先生(右)

ほかにも実作業の中継・ワークショップ・映像などを織り交ぜて、オンラインながら臨場感ある体験授業を目指しました。

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見学会の最後に出来上がった作品集は、atelier grayにあるデジタル印刷機JetPressの特性を生かした、表紙のグラデーションがすべて異なるバリアブルデザイン。後日先生を通じて学生に配られ、それぞれが好きな色を選んだそうです。
参加した学生からは「次回も参加したい」「ぜひ工場に行きたくなった」という感想をいただきました。自分の作品が印刷され本になる体験を通して、みなさんに本づくりの楽しさを感じていただけたようです。

オンライン工場見学会を通して感じた、会えないことの難しさ

今回は工場見学会をオンラインで開催し、なんとか成功をおさめることができました。
人に会えない、集まれない情勢のなかで、できる限りの工夫をこらして新しい形で工場見学会をおこなえたことには、とても大きな意味がありました。

それでも学生からは「実際に触ってみたい、体験したい」という意見が多くあり、わたしたちも会えないことのもどかしさをひしひしと感じました。

やはり工場見学の醍醐味は、現場の空気感を肌で感じてもらうことだと思います。オフセット印刷機の大きさ、機械が動くときの大きな音、インクのにおいなど、実際に来なければ伝えられないことがあります。そういった体験のある学びは、より記憶に残るのではないでしょうか。

まだ不安定な情勢ですが、多くの方々に印刷工場を肌で感じてもらえる日々が戻ってくることを祈っています。

こうしてあらためて振り返ってみると、今回の工場見学会を通してわたしたちにもさまざまな気付きがありました。産学連携でのはじめての試みが、CUCのみなさんとわたしたち双方にとっての学びの場となったことを、とても嬉しく思います。

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産学連携で実現したはじめてのオンライン工場見学会

今回の工場見学会は、CUC政策情報学部の吉羽一之先生、楜沢順先生、ゼミ生のみなさまのご協力があってこそ開催できました。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。

千葉商科大学(CUC)は「社会で役立つ教育」を掲げ、専門的な知識を学ぶことのできる大学です。様々な企業や地域と関わり活動されています。
https://www.cuc.ac.jp/activelearning/index.html

atelier grayの見学再開について

自粛期間中も工夫しながら活動してきたatelier grayですが、現在は感染対策をしっかりとしながら、訪問・見学を再開しております。

工場見学会を先生方や学生のみなさんと作り上げたように、atelier grayはクリエイターの希望や想いをしっかりと聞き、いっしょにものづくりをしていく場所です。わたしたちが、あなたのこだわりを形にするお手伝いをします。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

次の記事もお楽しみに。


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