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人の夢やご縁をデザインする「atelier hito」とは?

ある時はカフェで、ある時は服屋で、ある時はイベント会場で……と、atelier hito(以下、hito)さんはどこに行っても見かけるのは私だけでしょうか?

「出会った場所によっては、イベント屋さんですか?って聞かれることもあるんですよ」

とhitoの岡島さんは笑って話します。

これまでhitoさんがやってきたのは、内装デザイン、設計、ロゴデザイン、グラフィック、イベントの運営企画とできることを数えたらキリがないほど!(すごい)


でもhitoさんって、結局何者なのかーー。


そこで今回は、普段表に立つことのないhitoのお二人、岡島昌利さんと多富愛夏さんにこれまでの歩みを振り返りながら、お話を伺います。

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岡島昌利(右)
大阪出身。三重県菰野町在住。住宅デザイン設計会社に6年、店舗オフィスデザイン設計会社に3年間勤務後、atelier hitoをはじめる。建築の設計デザインから、監督業、積算、建築に関わること全般をこなす。二人の子供を持つパパ。
多富愛夏(左)
徳島県出身。建築学科卒業後、名古屋のデザイン事務所に入社。atelier hito立ち上げを機に建都工藝株式会社に転職。ロゴデザインやイラストなどグラフィックを得意とする。語学が好きで、韓国語とスペイン語と英語の3か国語を話す(多分今も笑)。

わざわざ設計デザイン事務所を構える意味

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「haru.」


ーー先日hitoさんたちが設計デザイン・施工を手掛けた「haru.」に行ってきたら行列ができるほど人気で!「HAPUNA COFFEE」や「SOME」など、名古屋で根強いファンが多いお店はhitoさん達がつくっている印象があります。

岡島:ありがとうございます。いい空間ですよね。おかげさまでhitoができて10軒目のお店ができました。

ーーhitoさんと出会ったのが2020年の夏頃だったと思うのですが、その時はできたばかりとお話を聞いていたような!

岡島:そうそう。「コロナの中よくやるね」って周りの人たちに言われての挑戦でした。

ーーそれまで岡島さんは名古屋で働いていたんですよね。hitoを立ち上げるきっかけは何だったのでしょう?

岡島:約10年間、デザイン設計事務所の社員として建築業に携わる中で、自分の裁量でやってみたいと思うようになりました。独立してデザイン設計事務所をつくろうかと頭の中でぼんやりと考えていた頃、今の会社(建都工藝株式会社)の社長と出会ったんです。その時ちょうど社長も、自社でデザイン設計事務所を構えたいと考えていたタイミングでした。

そこから話はとんとん拍子に進んでいき、出会ってから約半年経った2020年7月にatelier hitoが始まりました。

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atelier hitoのオフィス


ーーふむふむ。建都工藝株式会社のデザイン設計事務所としての位置付けですよね。でも、会社の本社は神奈川ですよね。なぜ名古屋で始めたのでしょう?

岡島:僕も多富さんも名古屋にいたからです。社長も「名古屋でもいいからやっていこう」と話が決まりました。社長は場所よりも人を見てくれる方で、手前味噌ですが、僕たちやったら働く場所が離れていても任せられると。

しかも僕の夢である、「デザイン事務所を構える」こと、そしてhito(人)を大切にしたい思いを汲み取って、屋号が「atelier hito」になりました。お店も職人さんも私たちも、hitoの繋がりがあって成り立っている。人の良い周りには良いhitoの流れが、集まりができる。つながりある人を大切に仕事をしたいという気持ちで名付けています。普通だったら「建都工藝株式会社 名古屋支社」ですよね。

ーーたしかに……私も最初、hitoさんたちは2人で独立して立ち上げたかと勘違いしていました。ところで多富さんはどうしてhitoに?

多富:前職が岡島さんと同じで、私の直属の上司でした。私が会社を辞めて転職考えている時に、一緒にやらないかと声をかけてもらったのがきっかけです。

岡島:まだhitoとして何も始めていないタイミングなので、もちろんhitoとしての収入もなく、先の利益もわからない。でも社長は最初の立ち上げの段階で、多富さんの入社もOKを出していただきました。

ーー先行投資ですよね。すごい信頼関係。社長さんもデザイン設計事務所を構えたいとのことでしたが、わざわざ構える意味ってどこにあるのでしょう?

岡島:hitoができるまで、弊社はBtoBの仕事が多く、設計事務所などからの工事をメインに仕事をしていました。でも今は設計デザイン、施工と一貫して自社で担うことができます。その方が僕たちやお客さんのやりたいことを叶えられる。前職ではそれが自分の裁量でできなかったので、個人的にもうれしいですね。

ーー先ほども、自分の裁量でやりたいとおっしゃっていましたよね。

岡島:もっと人のために仕事がしたい、お客さんの夢を叶えてあげたくて。でも会社に属していると難しかった。

多富:そうですね……それこそ前の会社では、すでにデザインのカラーがあって、どうしても自分の色を出しづらいところがありました。ですがhitoの場合は、自分たちの好きなテイストで、一からブランディングすることができる。自分らしく楽しく働くことができ、かつ私たちのつくるデザインが好きなお客様に、ご相談いただけるようになりました。

数珠つなぎのように繋がった。人の輪が広がる理由

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hitoさん主宰のイベント「itonami」の様子


ーーゼロイチで立ち上げたのに、今ではすっかり顔が広いですよね。たった1年半で輪が広がっていったのは、やはりイベントなどの活動が大きいのでしょうか?

多富:そうですね。まずhitoって名前を知ってもらいたかったので、hitoって名前をつけたマルシェや、「HITO TO TALK」で自分たちのやっていることを知ってもらう機会をつくりました。前の会社でもイベントをやっていたので、その経験を活かして自分たちで企画運営しています。イベント好きなので。

岡島:そうそう。僕が人とつながるのが好きだし、人と話するのがとにかく好きなんです。人の集まる空間で、全員が居心地よく、楽しく過ごせるように、出店者さんやイベントのテーマを決めてやっています。

ーーhitoさんたちみたいな業界でイベントの主催側になるって珍しいですよね。それにmarket sokoなど出店者の時もあり、フットワークの軽さが強みだと思います!

多富:ありがとうございます。最初はつながりで「HAPUNA COFFEE」さんや岡島さんと地元が同じ三重の「TAKI」さんの内装やロゴデザイン、設計、施工を。そこからTAKIさんと仲の良い「おやつ屋pokke」さんと広がっていき、その後は新規で「SOME」さんや「ki.tone」さん、「haru.」さんとご縁をいただきました。

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「ki.tone」

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「SOME」

いつかを今に。人生の1ページをともに描く仕事

ーーお話を聞いていると、hitoさんはご縁を大切にしている様子が伺えます。仕事において大切にしていることや、意識していることはありますか?

岡島:仕事って請け負っておしまい、建築なら建物が完成したら仕事としては終わりじゃないですか。でも僕は、その人の人生の一部を歩む気持ちで挑んでいます。イベントは出店者さんにとっては、ある意味挑戦の場だと考えていて。だから人気の出店者さんよりも、まだ駆け出しの出店者さんに声をかけることが多いです。その人の何かのきっかけになればうれしいなって。

いろんな人がいる中で、その人の夢や人生を豊かにするための動きを、僕らがグラフィックや内装、設計などを通じてサポートしたいですね。

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「おやつ屋pokke」

ーー特にhitoさんたちの手掛けているロゴデザインや内装デザインって、その人の顔となり、末永く使っていくものであり、その人の人生において大きな部分を担うと思っていて。

多富:そうですね、私たちにとっては1つの仕事ですが、相手にとっては人生に一度の機会になることも多いですよね。お店はオープンしてからが本当のスタートなので、お店が愛されて長続きすることが、私たちにとっても目標です。そうしたら使い続けていると自然と出てくる不具合などがあれば、快くお手伝いするのが当たり前だと思っています。

岡島:よろずやにはなりたくないですが、hitoさんに相談したら、何か応えてくれそうと思ってもらえるのが嬉しいなって。

ーー仕事が終わった時とかにお声かけするんですか?「何かあったら言ってね」って。

多富:そう言わなくても、自然と相手から声をかけてもらえる関係なんです。お仕事が終わっても、「最近どうですか?元気にしてますか?」みたいな感じで、時々お店に行きます。そのときに、「実は最近ここが困っていて……」とか「今度イベントをやるからこんなことできますか?」みたいな、ご相談をいただきます。

岡島:自分たちが手掛けたお店で打ち合わせをしたり、hito to talkの会場に使わせてもらったりもしています。顔合わせの頻度は大事にしていますね。

ーー足を運ぶってすごく大事ですよね。顔を会わせるって一見簡単そうに見えますが、目的がないと意外と後回しにしがちというか。あと仕事が終わってもクライアントという繋がりとは別で、友人のような関係性がないと続かないですよね。

多富:この業界だと、工事を進めていく途中でクレームだったり、額面が大きいのもあってお金のことで揉めることも多いです。私たちは相手が少しでも納得いかなかったり、疑問を持っていたら真摯に相手の話を聞いて対応するように心掛けています。

頼られて困る人はいないから

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ーーそんなhitoさんたちがやりがいを感じる瞬間って、どんな時でしょう?

岡島:その人の話し方や姿勢から「頼られている」なと感じる時です。その人の悩みを聞いて、それを形にすることで解決して、お客さんから感謝されることがすごくモチベーションが上がります。

誰かに頼ることが苦手な人っていますよね。迷惑じゃないかなとか、嫌われたりしないかなって遠慮してしまうことってあると思います。それでも、わざわざ自分に打ち明けてくれて、最後は笑顔で終われるっていうのはすごくいいことだなと。そんな機会をつくっていけるのはすごく幸せだなって。

ーー頼られて困る人っていないはずなのに、なんか言いづらかったりしますよね。でも、岡島さんや多富さんの人好きな姿勢がにじみ出て、なんか相手も心を打ち明けやすいような気もします。


多富:私は先ほども話に上がりましたが、お店づくりって人生で一度きりの人もいて、一大イベントじゃないですか。でも私たちは何度も経験させていただける。お客さんの人生の一部を一緒に築き上げることができる。それがすごくうれしい瞬間ですね。完成したときの安心感!(笑)

岡島:あと携わったお店にたくさんお客さんが来て、Instagramなどで素敵なコメントを見るとうれしいですね。

ーーほんと人気すぎて、「haru.」とか並ばないと入れないから大変ですよ(笑)。

岡島:いやいや(笑)、店の方や場をつくる人のおかげですから!

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縁は努力しなければ遠ざかり、切れてしまう。でも、出会いは偶然、その縁の継続は必然だ。


お話を伺って、あらためてhitoさんたちが一期一会のご縁を大切にする姿勢を知って感服。お顔が広いのも彼らの人柄あってこそだなあと感じました。


ということで。hitoさんたちの、下記のURLからご覧いただけますよ!


▽公式サイト

▽公式Instagram
https://www.instagram.com/atelier__hito/



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