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衛生レベルはどこに出る? ~交差汚染と力量評価~

こんにちは! あたたけ です。

前回は『あたたけ的第二者監査の注意点』みたいな内容でした。
その中で、お取引先様の衛生レベルを把握するため、以下をポイントに『ハザード分析の質』を確認する、みたいな話を出しました。

  • 現場確認時:交差汚染しそうな場所・工程

  • 文書確認時:交差汚染しそうな工程のハザード分析、力量評価の仕組み

今回はその辺りをまとめてみます。

1.交差汚染

さて、交差汚染とはどういうことか?

一番単純に書くと『キタナイモノがキレイなモノに触れて汚れる』ですね。
ちょっと専門的に書くと『汚染度の高いものが汚染度の低いものに接触して起こる汚染』でしょうか。

ですので、交差汚染を防止するには、『キレイなモノ』『キタナイモノ』を明確にし、キレイなモノを守れば良いわけです。
とても単純な構図ですね。

さてさて、食品工場での『キレイなモノ』とは処理後の食品、特に『そのまま食べることができる状態の食品』です。
あえて言いますが、『製品ではなく食品』です。
食中毒等を防ぐのに大事なのは『食べる箇所』ですので。
ぶっちゃけ、包材の外側(≒製品の表面)が汚染されていても、そうそう食中毒にはなりませんので。
ですので、レトルト食品のように『容器に密封して加熱調理した食品』なんかでは、あたたけは交差汚染をほとんど気にしません。

では、食品工場での『キタナイモノ』、いわゆる『汚染源』は何か?

これが、意外と難しいのです。
一言では、『そのまま食べることができる状態の食品に触れるもの全て』になります。
ただ、具体的に挙げていくとなると、難しいというか面倒くさい。。。。
結果、書類だけでなく、考え方自体が雑になっていることが多いのです。

なので、あたたけは第二者監査での現場確認時、交差汚染しそうな場所・工程があれば、『何が原因で交差汚染が起こるのか』『何が食品に触れるのか』を注視します。

で、書類確認時に、その工程でハザード分析がどうなっているかを確認するわけです。
一歩めは『あたたけが想定したハザードが、そもそも挙げられているか』、
二歩めは『ハザードに対し、管理手段に妥当性があるか』
の確認ですね。

まぁ、『完ぺきに抜けが無い書類』は難しいので、実際に現場で管理が出来ていれば良いのですが、この辺りのヒアリングで、『HACCPへの理解』『ハザードの捉え方』『実践的な管理を考えているか』等がわかる気がします。

ちなみに、交差汚染が起こらなそうな場合には、『CCPに関連する工程』を注視します。
袋調理品であれば、『重さ・厚さ等、中身のブレ』や『袋の接着強度』をどの工程でどのように管理しているのか、とかでしょうか。

せっかくなので、先の一歩め&二歩め関連のハザード分析時の注意点を。

①ハザードはどこまで挙げる?

あたたけ想定のハザードが挙がってなくても、返答次第ではOKです。
『PRPが徹底できていれば大丈夫!』という返答ですね。

この辺りは好みの問題?もあります。
あたたけは『ハザードとしては挙げた上で、PRPで管理するから重要なハザードではない』としたい派です
が、『そもそも、ハザードを発生させないために、まずはキチンとPRPに取り組んでいます!だからハザードとして挙げません!』というのも間違いではないのかなぁと思います。

②そのハザードは、なぜ起こる?

『ハザードに対し、管理手段に妥当性があるか』、妥当性確認は重要なのですが、ここでの妥当性はそこまで深くないのです。実は。

単純に、『ハザードの発生源と管理手段があっているか』ってだけです。
ハザードとして、明らかに『設備からの汚染』を懸念していながら、管理手段が『手洗いのみ』とかはダメですから。

こんなビックリな不整合が、国際規格認証工場でも起こるのが現実です。
なので、ハザード分析では、ハザード自体とハザードの発生原因をわけて書いた方が良いと思うんですよね。
※『Codex 食品衛生の一般原則』2020版改訂でも、ハザード列挙時は汚染源や存在理由も記載するよう示されましたしね。

2.力量評価

力量評価が大切なのは、いまさら言うまでもないのですが、、、、
『教育は教えただけではダメ、理解して出来ることを評価する』ですね。
以前にまとめてたみたいなので、詳細はこちらの記事を!

PRPを改めて考える⑤ ~教育・訓練⇒力量! 力量は全ての基礎~|あたたけ|note

ではでは。今回はこの辺りで!

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