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国際規格の功罪③ ~功・規格は設計図~

こんにちは! あたたけ です。

引き続き、食の安全における『(国際)規格の功罪』についてです。

前回は『功』として、規格とは『個人の経験を持ちよって全体の知識(集合知)とした』ものという視点から、『規格を共通認識とする』という話をまとめました。

スライド1

これが、あたたけが考える、一つ目の規格の功ですね。
で、今回は二つ目、『規格=設計図』というものを考えてみます。

皆さんが働く会社、所属する組織は様々だと思いますが、多かれ少なかれ『仕事をする上での組織のルール』というのがあるのではないでしょうか。

で、それらのルールなのですが、どこまで整理されていますか?
社内の別部門でも同じ構成になっていますか?

部署異動があっても、最低限のことはわかりますか?』という方がイメージしやすいかもしれませんね。

ありがたいことに、今までいろいろな食品企業を見て、話を伺う機会がありましたが、『部門ごと、工場ごとにルールが全く違う』という会社もそれなりにありました。
(と、エラソーに言っていますが、あたたけが今現在、働いている会社も。。。)

別にそれぞれのルールが間違っている(≒妥当性がない)というわけではないのですが、全体を見ると『バラバラ』という印象があるんですよね。

理由は様々なのでしょうが、なんとなく以下のようなものを感じています。

① 創業時は手探りでルール作り
② 新規部門立ち上げ時はスピード重視⇒各部でルール作成・アレンジ
 +部門間競争が起こった日には、ルールを隠すようになる(部門の壁)
 +想定外×不定期なトラブル⇒都度、その場しのぎのルール作成
 ⇒ルールが無秩序に積み重なる
③ 吸収合併なんかがあっても、とりあえずは組織ごと既存ルールを使用
④ 特にトラブルが起こらないので、そのままの状態が継続

で、どこかのタイミングで現状のルールを整理(スクラップ&ビルド)しようと思っていても、なかなかきっかけがつかめないのかなぁと思います。
(HACCP制度化が一つのきっかけになった会社も多いかもしれませんね)

さらに、食品安全・品質管理担当者としては『事故は起こしたくない』と強く考えますので、『現状のルールをスクラップするのがコワい』とさらに躊躇してしまうのかもしれません。
ついでに『ビルドがうまくいかないかも』という不安もあるでしょうね。

そんな時こそ、『食品安全規格≒食の安全性確保のための必要十分条件』を使うと良いんじゃないかと、あたたけは思います。

スクラップ&ビルドと言っても、今のルールを全てなくす必要はなく、
①今のルールを規格に当てはめて整理する
②不足分のルールを検討する
③ルールの妥当性を考える

ということを地道に進めれば、その内、整理されたルールになるんじゃないかなぁと思います。
この流れなら、『必要なルールもなくしてしまう⇒急激に衛生レベルが低下する⇒食品事故が起こる』ということも防げそうですので。

そういう意味で、『規格=設計図』なのかなぁと思うわけです。

スライド2

さて、それでは次回は『食品安全国際規格≒必要十分条件』ということの真偽を考えてみます。
ではでは。今回はこの辺りで!

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