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HACCPに取り組もう⑥ 小規模な一般飲食店向け ~余~

こんにちは! あたたけ です。


『小規模な一般飲食店向け≒(個人経営の飲食店)』の
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の話、最終回です。

今回は、『衛生管理計画を作った後』を見ていきます。

『一般飲食店向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理』については
4部構成でまとめています。こちらもご覧ください。


1.衛生管理計画が出来たらOKだよね?

そんなわけはありません。
衛生管理計画はあくまでも『計画』です。
計画にそった作業をしないと『意味』がありません。

そもそも、HACCPに取り組む意味ってなんでしょう?
『法律への対応』というのが本音かもしれませんが、、、、、
やっぱり『食品事故防止』ですよね?

書類があるだけで事故が防げるなら、
いわゆる専門書を並べておけばOKでしょう。

形だけのHACCPにしないため、まずは、
決めたルールをみんなで守る』ということに取り組む必要があります。

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もちろん、手引書にも書かれています。

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ここからは、ルールを守る⇒記録する⇒ふり返る について、
それぞれ気になりそうなところを見ていきましょう。


2.ルールを守るためには何が大切?

ルールを誰かに守らせる(守ってもらう)のは食品業界に限らず、
多くの人の悩みだと思います。

機会があれば、私なりの『教育の仕方』を記事にしますが、
今回は、『やることだけでなく、理由・目的も伝えることが大切』と
いうことだけお伝えしておきます。

HACCPへの取り組みも同じですね。
『法律に対応すれば良いや』という目的だけ、
言い換えれば『やれと言われたからやる』というだけでは、
作って終わりになるでしょう。

『食品事故を防ごう、安全性を証明しよう』という目的を持つことで
しっかり活用するということに繋がるはずです。

じゃあ、それぞれのルール(衛生管理計画で決めた管理ポイント)の
理由や目的ってなんなのでしょうか?
迷ったとき、わからなくなったときは、
『食中毒予防3原則+α』を見直せば、答えは見えてくるはずです。

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そうそう、大前提ですが、
ルールを作った皆さん自身がまずはキチンとルールを守りましょうね!


3.記録ってホントに必要なの?

『記録を残すと決められているから』というのでは説明になりませんね。

『記録』というものには2つの目的があります。

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『証明のため』というのは、何となくイメージしやすいと思います。

食品に限らず、ものを『使う時』に対し、
『作る時』は必ず過去になります。

何か問題があった際、作ったのは過去のことなので、
実際にどのように作っていたかはわかりません。
なので、『記録を残す⇒確認する』ことで過去の様子を推測するわけです。

ですから、『作る作業』と『記録の結果』が繋がっていない、
いわゆる『形骸化』していると、過去の様子がわからない。
わからないから悪い方にとられてしまい、
『あの会社はルールを守っていないに違いない』と信用を失うわけです。

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さて、もう一つの『作業を忘れないため』というのですが、
当たり前すぎて、けっこう忘れがちなのかなという気がしています。

記録表(記録欄)はチェックを入れるのが目的じゃないですよね。
チェックを入れることを通して、正しく作業したか確認する』が
目的のはずです。

また、HACCPでは『連続的または相当の頻度でモニタリング(+記録)』が
必要とされています。

今回、取り上げている『一般飲食店』では記録は1日1回でOKと
なっていますが、
連続的に(≒全ての)作業を正しく行い、行ったことを確認するには、
『帰りにチェック入れれば良いや』ではなく、
記録が必要なこと(=衛生管理計画の管理ポイント)は
 安全な食品を提供するために大切なこと。
 一日の作業を通してキチンと守ろう。
 守ったことを、一日の最後に記録に残そう。
』というようなことを
共通の認識としていくのが良いのではないかと思います。

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4.ふり返るって??

一般飲食店向けHACCPでの最後のステップです。

ここまでで、『衛生管理計画の作成⇒衛生管理計画通りの作業・記録』と
進んできました。

皆さんは自分の作った衛生管理計画が完ぺきだと自信がありますか?
いつも完ぺきに計画通りに作業していますか?

いや、頑張ってやってるけど、完ぺきと言われるとちょっと不安。。。。
というのが本音の方が多いと思います。

それで良いんです!
最初から完ぺきに出来てなくて良いんです!
HACCPってそういうものです!

以前にも書きましたが、HACCPの本質は、
自分たち自身でやること(ルール)を考えて決め、
自分たち自身でルールを守り、
自分たち自身でルールを守っているか・ルールに問題ないかを見直す、
という『究極の自主管理』です。

なので、
みんながルールを守っているか、
ルールは守れる範囲のものか、
ルールを守っているのにトラブルは発生していないか、、などなど、
気になることにあわせて、少しずつ自分たちで良くしていけばいいのです。

ルールというものはあくまで『使うもの』です。
ルールに問題があれば、変えればいいだけです。
決して『ルールに使われる・振り回される』ということがないように!

『まずは始めてみる!』
これがHACCP義務化への対応で、一番大切かもしれません。

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それでは、今回はこの辺りで。
とりあえず、『一般飲食店向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理』は
終了です。
・・・加熱条件の考え方とか、もう少し触れたいところもありますが。。。
いずれテーマにあげるということで。

次回からしばらく?は、私の気分転換を兼ね、
食品安全の話題から少し外れた内容の予定です。


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