見出し画像

新著『思考実験入門』を出版します!

5月22日、星海社より新著『思考実験入門』を出版することになりました。

30代に入り、教員のキャリアも9年目となり、各高校で色んな科目の授業を一通り担当し、さて次はどうしようかと思っていたところ、こちらの本の執筆の話をいただきました。
思考実験というテーマは類書もたくさんありますが、今回は以下の2点を意識して書いてみました。

①中高生が考えたり議論したりするためのヒントを提供する
公共や倫理の授業で、思考実験が取り上げられることがあります(「トロッコ問題」などはその典型ですね)。もちろん「こんな思考実験があるよ」という紹介だけでも十分なのですが、その思考実験が生まれた背景や後世に与えた影響にも目を向けることで、考えや議論がより深まっていくのではないでしょうか。この本では、思考実験について一歩踏み込んで考えるためのヒントを多数盛り込みました。読者の皆さんがこの本を使って(あわよくば中高生が)ああでもないこうでもないという議論を交わしてくれたら、これほど嬉しいことはありません。

②定番の思考実験に加えて、心理学や応用倫理学のトピックも取り上げる
思考実験はそれ自体も面白いのですが、思考実験について考えたり議論したりする中で現代社会の諸問題に対する見方も獲得されていくものです。そこで、本の後半では厳密には「思考実験」とはいえない心理学や応用倫理学のトピックも取り上げ、前半で得た「見方」を活用してもらう構成にしました。結果として倫理学の入門書も兼ねたような不思議な構成の本になりましたが、きっと後半も面白く読んでいただけるはずです。

最終的には、中高生でも大人でも読めるような「ちょっと変わった哲学・倫理学入門」に仕上がったと思います。「思考実験にじっくり向き合う」という本書のコンセプトは昨今の“タイパ”重視の流れに逆行しているかもしれませんが、こんな時代だからこそ価値があるのではないでしょうか。
ぜひ、お手に取っていただければ幸いです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?