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【銭湯日記】14日目

-14日目-

21時半。
サウナへの楽しみに浮き足立つ日々。
まぁこれも給湯器がなおるまで入浴料を大家さんが立替えてくれる、というので気が楽なのも手伝ってる。

下駄箱は44番。

番台の淑女の「いらっしゃい」

お待ちかねの薬草風呂(どくだみ)にウキウキで仕事した一日だった。なんてったって2週間ぶり。
アロエ、蜜柑の皮の本日のぶろはいつになるのかしら。

赤い暖簾をくぐる。
マイシャンの君だけ。

[本日のぶろ]…いうものジェットバスにどくだみがた~っぷり入ったネットが浮かべてある。
両手で湯を救って顔を近づける。仄かなどくだみの香りが心地よい。待ちに待った湯というのはこんなに爽やかなのね。

さて。

では、はじめよう。
ド平日×仕事終わり×独占のサウナ。

バスタオル片手に意気揚揚と勝手の悪い扉を開ける。むあぁ〜~〜っと身を包まれる。
本日もほかほか90度。

天井隅のスピーカーから本日は…?
耳を澄ます。

…ひとりで飲む酒は…まずい……今日は指名しようか…

こ、これは………すごい本音
男声で「いつものあの子を指名しようか〜」って歌ってる。いつものて。切ない。
昨日のバーで1人グラスを傾けるダンディとはかなり違う心境である。

そうして男は街の喧騒へと消えてゆく…みたいな。

2曲目にはいる。
耳を澄ます。

…潮風に吹かれるのが…好き……私もカモメも一生…波の上…

一生波の上。深い。
波乱の人生…という意味で?サウナでひとりちょっと考えさせられますわ。一生て。どうか幸あれ。

3曲目にはいる。
耳を澄ます。
…波止場で…あなたを……想う…

また女が潮風に吹かれとる。
「わたしも船に乗せて欲しかった」と嘆いている。「おめぇは連れて行けねぇ」と白いねじり鉢巻に日焼けした肌の男に置いていかれたのだろうか。君に幸あれ。

最後に独占の薬草風呂にどかっと浸かる。本日はサウナおかわり2回で幕引き。
本日はおそらく最後の利用客。

番台の淑女の「おやすみなさい、おおきに」に優しく背中を撫でられて帰宅。最高の金曜日。

愛らしい猫ちゃんはいない。
む~~〜今週は逢えなかったか。無念。

だいたい三ツ矢かコーラで悩む日々。

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