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熱海の崖に家を建てる 暑苦しくないパッションが大事

土地はまだ決済できていませんが、我慢できず設計を始めています。若い建築家チームとの設計は、とても楽しい時間となっています。
まだ基本設計終わってないので、今書くのはどうなんだろう?とも思いましたが、パッションが大事、とつくづく感じましたので素直な気持ちを綴ります。今日はその話。

熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House
自腹でケーススタディしながら
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。

地形模型をつくり、ドローンを飛ばす

VUILDさん(我が家の設計チーム)に出会う前のこと。

敷地面積1200坪。
森で見通しは悪いし、広すぎて、どんな形状かさっぱりわかりません。
購入するにしても、まずは土地の状況を理解しなければ。
オーナーさんのご好意もあり、国土地理院の地形データを拾うことができたので、最初に取り組んだのは、カッターとノリと格闘しながらスチレンボードに貼り付け、地形模型をつくること。

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ヒマといえばそれまでですが、2作作りました。敷地の下の方に少し平な場所があることを確認。

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そうこうするとダンナのお友達がドローンを飛ばして周辺エリアの映像を撮ってきてくれました。


事前調査は万全、かな?

パワポにまとめる

役に立ったかわかりませんが自作の地形模型とドローン映像はもちろんVUILDさんにシェア。
その上で、設計にむけた私たちの要望を整理します。

最初に着手したことは、どんな家にしたいか、機能ごとに欲しい広さとイメージをパワポにまとめることでした。

玄関、キッチン、パントリー、リビング、ダイニング、アウトドアリビング、寝室、ランドリールーム、洗面所、トイレ、屋上菜園、駐車場、土間。


広さは今住んでいる家と山荘を実測して設定。
イメージはPinterestを活用します。
Pinterestって、次から次へとイメージ写真が出てくるのでホント、便利。
合わせて、気になる本や雑誌もチェック。

現在、設計が始まり、4ヶ月弱が経ったところです。敷地を購入できず、測量に進む前のプランニングで行ったり来たり。

この間私、かなり楽しんでいます。
いいなと思う設計会社とやりとりしているのだから当たり前かな。
当初心配していたVUILDの経験の少なさは、
ほとんど気になりません。

コーポラ設計で感じていたもやもや

その理由は、コーポラ設計で感じていたもやもやを感じることがないからなのだと思います。
そもそも、コーポラティブハウスって聞いたことがありますか。

コーポラティブハウスとは、入居希望者が建設組合をつくり、直接工事会社に建設を発注するという形式の集合住宅のことです。
普通、マンションはデベロッパーさんから買いますよね。コーポラの場合は、自分たちでゼネコンさんに発注します。申し込みから入居まで2年くらいかかります。もちろんコーディネート会社が諸々やってくれるので、素人でも大丈夫。
私の感覚だと、マンションにするには小さく、個人で買うには大きすぎる敷地がコーポラティブハウスの最適規模。

今の我が家はコーポラティブハウス2件目。
箱の中は自由度高く設計できたので、今の家はとても気に入っています。でも、設計や施工の過程でいくつかのもやもやがありました。

ひとつは、常にスケジュールに追い立てられていたこと。全体計画が優先するので、各戸の検討は時間がくると終わり。新しい素材を調べて設計士に相談しても使ったことがないと反応が薄いままスルー。消化不良なまま、進んでしまうところがあったのです。

もう一つは、建物の外構や外観の仕様が設計事務所主導で決まっていくこと。変更は常に事後報告でした。プロの判断だからそんなに外れてはいないのだけれど、蝦茶と聞いていた塀の色が、現地見学に行くと白になっていたりするのです。続くとゲンナリしますよね。

1件目のコーディネート会社は”ライトコーポラ”と言われていた会社なのでしょうがないかな、と思っていましたが、2件目の設計事務所系でも結局同じだったように思います。
組合が事業主といっても、建築分野での設計士と素人の情報の非対称性は極めて大きいこと、自分の住戸以外にどこまで発言してよいかわからないうちに進むことなどから、結局自由度は低かったように思います。
コーディネート会社はルーティンで仕事を流している感もあったしね。楽しかったけれど、少し、がっかりもしたのでした。

なんてったって、パッション!

当たり前ですが今回は建物のガワから設計。
傾斜地という厳しい建築条件の中ではありますが、面積的な制約はないので、自由度はMAXです。
でもそれだけが楽しんじゃっている理由ではない。

毎回の打ち合わせではVUILDさんから複数案が出てきます。
2時間くらいかけて各案の説明を聞き意見交換。
フィフティーズはリアル会議を希望させていただいておりますので、感染対策、バッチリした会議室をご用意いたしております。

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自宅に案を持ち帰ってはみるのですが、データ(PC画面)だと理解が進みずらく、セブンイレブンでA3用紙にプリントアウトしています。
実は学生時代以来30年近くコンビニプリントって使ったことがなかったのですが、最近のものはものすごくキレイですね。毎回、プリントの質の高さにビックリ。世の中進化しています。

問題は、素人さんには紙の図面で縦方向の空間をイメージするのが難しいこと。
困ったなぁと思っていたらGoogleドライブを使ってCG動画をシェアしてくれました。

CG動画は、建物の周りを360度ぐるっとまわり、建物の中も透過してくれるのでなるほど感が高い。文明の利器を気軽に使ってくれる相手でよかった。少しづつ、理解が進んでいきます。

設計チームとのリアルでの打ち合わせ、メッセンジャーのやり取りやデータでの補足を受け、自宅では夫婦でディスカッションを重ねます。
CG動画を60インチのディスプレイに映して映像を止めながら確認したり、いただいた図面をトレペに写して対案を書き込んだり。ハイテクとローテクを行ったりきたり。

そして最後に、要望やアイデアを整理し、パワポやワードにまとめます。次の打ち合わせ前に事前送付。
ほぼ仕事。楽しいと時間を忘れますね。

次の打ち合わせ。
VUILDのみなさんは単純に私たちの要望を反映するのではなく、自社のこだわりを維持しながらバージョンアップしたプランを示してきます。

多分ね、船の舳先という建築イメージとフットプリントが小さく浮いたような構造がこだわりなんじゃないかなと思っています。
私たちの要望を聞きつつ、自分たちのこだわりもしっかり実現しようと、意匠と構造の工夫をしている感じ。

本業コンサルの私としてはこんなに丁寧に対応してたら儲からないよねと思う一方、商売の基本として期待を超えるという当たり前のことを普通にやってくれるVUILDの建築チームにお願いできてよかったなあ、と密かに思っているのです。

良いものをつくろうと思うパッション、大事。こう書くと、なんだか暑苦しいメンバーをイメージするかもしれませんが、いたってクールな面々。暑苦しくないパッションがいいのかな。
私がVUILDと一緒に仕事をして楽しい理由はこのあたりにありそうです。

イメージのものは簡単には手に入らない

設計が進むと、こんなお玄関にしたいなとか
妄想が膨らんできます。
Pinterestでは飽き足らず、実物を見に行く日々も始まっています。

まずは、アンティークドアを探してbon Coteさんに。

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素敵なドアがたくさん。
どれを選んだらよいかわからなくなります。
かと言って、ネットで検索したものがそのまま売っているわけでもなく。
アンティークって、これ、と決めたら、塗装はもちろん、高さを調節したり、ドアノブやガラスを変えたり、リメイクして使うようです。

であればVUILDさんにつくってもらった方が早いかも。私のイメージはこの扉。

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欲しいものは簡単には手に入らないのです。

先は長いなあ。

まとめ

面積は広いが、傾斜地というハンデを背負いながら、設計が始まりました。
VUILDさんの力を借りて、一緒に考えながら設計しています。今のところ、彼らの暑苦しくないパッションのおかげで、順調に推移しています。
いずれにしてもイメージのものは簡単に手に入らなさそうで、その過程含めて、ケーススタディしていかないと、と思っています。

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