微笑みをもたらすもの
先日、部署の先輩職員がオフィスにやってきた。普通に読むと、なんとも不自然な書き振りだが、この職員は現在、育休を取得中のため、このようなことになったのである。まだ育休期間が続いているが、その日は新しくなるパソコン等の復帰後の業務で必要となる機材の受け取りとその設定のために、久しぶりにオフィスに来たそうだ。その際、生まれたばかりの赤ちゃんも連れてきてくれた。
出勤していた人たちは、全員歓迎ムードになった。部長も「いつでも赤ちゃんを連れてきて良い」という姿勢である。私が1歳にも満たないような赤ちゃんを(しっかりと)見たのは、もしかしたら今回が初めてかもしれない。少なくとも、はっきりと記憶があるうちでは初めてだった。それにしても赤ちゃんというのはとても可愛い表情をしていて、自然と笑みがこぼれてきた。他の人たちも同様だったようで、普段よりも柔和な表情をしているように見えた。
赤ちゃんがたくさんいると、どれが自分の子供なのか区別がつかないと思っていたと、赤ちゃんを連れてきた先輩職員は言っていた。しかし、実際には、すぐに自分の子供がどれかわかるという。私にはその実体験がないが、直近で体験した方が言っているということは、本当なのだろう。
今の職場は、組織として子育てしやすい環境を構築する姿勢を示しており、くるみんマークとかの子育てに関する認証?をいくつか取得している。客観的に見れば、子育てをしやすい環境として評価されている。それだけでなく、組織を構成する人たちのスタンスとしても、子育てをしている人に対して寛容な雰囲気があるように思われる。
急速な少子化が進展するなかで、子育てに寛容な職場も増えているはずである。今の職場は、組織としてだけでなく、組織を形作る人のレベルで、そのような環境を構築することができているように感じたひとときだった。