なおさん

読んだ本のことや、日々の生活の中で思ったことなどを文章にしています。まとまった文章を書く練習をすることが最大の目的のような気がしています。

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最近の記事

新横浜→東京

帰省や旅行、あるいは出張で東海道新幹線を利用する機会がしばしばある。その帰途、東京に向かって走る車内で、「ああ、東京に戻ってきたんだ」と体が感じ始めるポイントが3つある。 一つ目のポイントは新横浜駅である。新横浜駅は、西から来るすべての列車が停車する。ひっきりなしに列車が入線してくる上、停車時間も短い。また、ここで多くの人が下車していく。そして、新横浜を出ると、電車は一気に加速していく。武蔵小杉のタワーマンションが見えて来るあたりまでのわずかな時間を高速走行する。それから一

    • 「難問」とにらめっこを続ける人たち

      生きていれば、「難問」と呼べるものに直面することは数え切れないくらいあるだろう。人生を生きていくうえでの「難問」もあれば、数学の問題が難しいという意味での「難問」もある。 数学でいう「難問」とは、何回も類題を解かないと解法を身につけられないような問題を指すだろう。場合によっては、何度やっても解法が身につかないということも、場合によってはあるかもしれない。とはいえ、受験レベルの問題であれば、必ず問題集で扱われており、その問題集には解答・解説がついている。解答・解説を見て、その

      • ルールが増える時

        過日、あるイベントを開催して、その事後反省会があった。イベント当日は複数のトラブルが発生した。詳細を記述することはできないが、イベント参加者から無理難題・無茶振りをされた。そして、それにより運営上のミスが生じることもあった。そのミスは参加者に不利益をもたらすものであったため、クレームがはいった。その対応にあたったスタッフに対して、クレームをつけてきた集団が誹謗中傷を行ったという事案が生じた。また、準備段階でも無理難題な要求をしてくるなどにより、運営側の通常業務に支障が生じるこ

        • 優秀な上司

          現在私が所属している部署には、部長が1人、課長が2人いる。この計3人が、私の身近で関わりのある管理職ということだ。入職1年目の私としては、これら管理職の言動、メールの内容などは、非常に興味深い観察の対象である。部長や課長などに昇進した人は、何かしら秀でたものを持っているはずだからだ。そのため、少しでも仕事にゆとりのある若手のうちに管理職の様子を観察して、得られるものはどんどん得ていこうという魂胆である。 課長の1人目。この方が私の直属の上司にあたる。協調型というイメージを、

          英語での対応

          前回、業務に余裕ができて、部署内で特に対応の担当者が決まっていない業務を引き受けて以降と思っているという趣旨のことを書いた。その機会が早速やってきた。内容は、プロジェクトの内容に関するもので、英語での問い合わせだった。この案件を私が対応することにした。 まずは問い合わせの内容を正確に理解することに努めた。そのうえで、回答方針を考え、それを文章にしていった。日本語なら、この一連の作業に10分もかからない。しかし、不慣れな英語のため、20分くらいは費やしたのではないかと思う。私

          英語での対応

          人事異動と業務負担

          10月1日で定期人事異動が発令された。今の部署では、育休明けの方を含めて合わせて4名の増員となった。私の抱えていた業務の一部も、その人たちに引き継がれていった。一方、新たな業務は生じていないため、ただただ自分の業務負担が軽減されただけである。なお、業務の引き継ぎとか部内の体制変更によるバタバタは生じているが、これは一時的なものだろう。 業務量が大きく減らされたことで、定時退勤への道がひらけてきた。実際、10月に入ってからまだ2週間ほどだが、残業がめっきり減った。また、定時で

          人事異動と業務負担

          季節は少しずつ進んでいく

          フルーツを日常的に食べるのは、健康に良いそうだ。しかし、簡単に手を出せるようなものでもない。フルーツは単体で買うと高いし、1人で食べるには量が多いし、短期間では食べきれないからだ。しかし、スーパーに行ってみると、それ以外の選択肢があることに気づくだろう。よりどりみどりといった感じで、色々なフルーツの詰め合わせパックのようなものが売られているのだ。これだったら量は多くないし、手を出しやすい価格設定がされていることが多い。500円を超えることはまずない。また、私の印象では、値引シ

          季節は少しずつ進んでいく

          行政文書という悪文

          世の中には、悪文と呼ばれるものが存在する。悪文とは一体どのような文のことを言うのだろうか。文意が伝わりにくい。一文が長く、主述の関係、修飾・被修飾の関係が複雑なものもある。他にも一意に読めない、つまり複数の読みが可能というものも該当するだろう。私がざっと思いつく悪文の条件とは、こういったものである。 そして、官僚が書く文章は、しばしば悪文の例として挙げられるように思う。 この主張は、確かに間違ってはいないように思う。私は仕事柄、官僚の書いた文章を読む機会がしばしばある。や

          行政文書という悪文

          日本文化と資本主義

          日本の文化は引き算の文化のように思われる。突然何を言い出すのか、と思われるかもしれないが、私のnoteではこれが平常運転なので、そのまま読んでみてほしい。 先ほど、引き算の文化と書いた。これは無駄なもの、余計なもの、不必要なものを削ぎ落としていくことで文化が形作られているということだ。不必要なものをなくしていくと、必要なものだけが残る。そこに美しさを見出す気質があるように思われる。これを機能美というのかもしれない。 例えば、皇居の応接間をネットで検索してみる。障子からくる

          日本文化と資本主義

          手取り足取り、ファーストコンタクトの不気味さを消し去った愉悦は、もはや単なる刺激にすぎない。

          藤原辰史編『歴史書の愉悦』ナカニシヤ出版、2019年。 本書は20人を超える歴史家たちが、それぞれの思い思いの1冊を取り上げ、その魅力を語っていく。そこでは研究の道標となった/なっている1冊だったり、その本と筆者の研究生活との関連だったりが叙述される。とはいえ、単なる書評あるいは文献紹介とならないように意識されている。ただ、章構成が書評と酷似していることもあり、各執筆者が編者からの依頼に応えるべく、四苦八苦した様子を窺うこともできる。 本書を読んでいて、いくつかの歴史学を

          手取り足取り、ファーストコンタクトの不気味さを消し去った愉悦は、もはや単なる刺激にすぎない。

          お昼時のオフィス街

          数ヶ月ぶりに、外でお昼ご飯を食べた。お昼時にオフィスを離れるというのも久しぶりのことだった。というのも、普段の昼食はお弁当を持って行っているため、出社してから帰宅するまで、オフィスから出ることがないからだ。 まだまだ暑さが厳しく、照りつけるような強烈な日差しにうんざりさせながらの外出だった。朝夕しか外に行かないため、最近はだいぶ涼しくなってきたと感じていたが、全くそんなことはなかったようだ。 それにしても、昼時のオフィス街の様子というのは、とても新鮮なものだった。12時頃

          お昼時のオフィス街

          迷宮で彷徨う

          数ヶ月ぶりに池袋に行った。目的は西武百貨店の中にあるお店にいくことだった。 西武百貨店にはこれまでに何度か行ったことがあったが、今回は目的のお店にたどり着くまでには、随分と苦労した。というのも、西武百貨店は現在、改装工事中だからだ。 入り口はたくさんあるが、その多くがシャッターを下ろされ、そもそも百貨店内に入ることにも苦労した。しかし、それで終わりではない。西武というのは複数の建物群から構成されており、間違った建物に入ってしまうと、場合によっては目的地まで辿り着けないとい

          迷宮で彷徨う

          ノートを取るべきか、否か

          「ノートを取るべきか、否か」この議論は、しばしば繰り広げられているように思う。学校あるいは予備校では、ノートを取るように指導されることが多い。ノートテイキングに関する指導をしている教員も一定数いる。しかし、ノートを取ることの重要性を説く発信は、往々にして賛否両論を巻き起こしている。 ノートを取ることに肯定的な意見としては、ノートを取ることで頭の中が整理されたとか、成績が上がったというものが見られる。一方、ノートを取ることに否定的な意見としては、ノートをとるのは時間の無駄とか

          ノートを取るべきか、否か

          微笑みをもたらすもの

          先日、部署の先輩職員がオフィスにやってきた。普通に読むと、なんとも不自然な書き振りだが、この職員は現在、育休を取得中のため、このようなことになったのである。まだ育休期間が続いているが、その日は新しくなるパソコン等の復帰後の業務で必要となる機材の受け取りとその設定のために、久しぶりにオフィスに来たそうだ。その際、生まれたばかりの赤ちゃんも連れてきてくれた。 出勤していた人たちは、全員歓迎ムードになった。部長も「いつでも赤ちゃんを連れてきて良い」という姿勢である。私が1歳にも満

          微笑みをもたらすもの

          誰もが幸せな時代というユートピア

          「あの頃は良かった」というような言葉を、SNSなどではしばしば目にする機会がある。例えば令和と比べたときの平成、例えば高度経済成長期、あるいはバブル期。写真とともに、当時の生き生きとした様子を現在との対比として訴えてくる。しかし、私は疑ってしまう。本当にそうだったのだろうか、と。 少し考えれば、いつの時代にも不遇な立場に置かれた人々あるいは層はいた。例えば公害の被害を受けた人たち。例えば障害者のように社会的に弱い立場にある人たち。バブル期であれば、まだ男女平等という理念が浸

          誰もが幸せな時代というユートピア

          経済の金融化を強力に推進した新自由主義の実践は、途方もない所得格差をもたらし、世界的な金融危機を招くにいたった

          佐々木実『資本主義と闘った男』講談社、2019年。 本書は理論経済学者、宇沢弘文の生涯をまとめた本である。同時に、経済学という学問の動向・潮流を丁寧に解説した手引書でもある。本書を通して、これまで縁の薄かった経済学という学問に関心を抱くことができた。加えて、経済学の動向もまた、現実の社会・政治などの影響を受けるとともに、それらに影響を及ぼしているということを知ることができた。本書を盛んに紹介していた大学院の教員の功績ということになろう。 本書の中心である宇沢は、天才肌とい

          経済の金融化を強力に推進した新自由主義の実践は、途方もない所得格差をもたらし、世界的な金融危機を招くにいたった