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『ワタシのココロは綺麗ですか? - Am I kind-hearted?』の原作から考える、お話の穴を塞ぐために必要なもの ついでに抜きゲー全年齢化のためにやったこと(ネタバレ&エロ要素有)


前書き

 私がサイバーステップのノベルゲーム移植に触れてから、それほど経っているわけではない。検証記事を書き始めたのは宿主ガードマンの内容に驚いたからだったが、出会ったきっかけは少し前にとある方の別作品のプレイ配信を見たことだ。
 今回紹介する作品はその時に配信されていたタイトルであり、初めてサイバーステップのノベルゲームを知った作品でもある。2022年7月21日に配信された『ワタシのココロは綺麗ですか? - Am I Kind Hearted ? -』がそのタイトルだ。原作は2018年02月23日にノワールソフトから発売された『寝取られ女子~彼にはイエナイ私のヒミツ~』(公式サイト。18禁なのでアクセス注意)。元タイトルから分かるとおり寝取られもので、抜きゲーである。
 サイバーステップのノベルゲーム移植作としては比較的早いほうで、初代の雨音スイッチから数えると8作目、プラットフォーム名もPandaShojoではなくCSノベル部だった頃だ。ということでいつものように元になったゲームを原作、移植版はCS版と表記させてもらいたい。

原作について

原作あらすじ

主人公、小坂京介は一般的な退屈で幸せな日々を送っていた。
ある日、京介は学園で倒れ病院に運ばれてしまう。
病院の検査により重病と診察されてしまった。
************。(重大なネタバレのため伏字)
(中略)
保険が利くとはいえその額は大きかった。
いっそ治療など受けないほうが良いか…そう考える京介に
「大丈夫。私たちに…任せて。心配しないで」
猪坂彩乃達は精一杯の笑顔でそう言った。
そして彼女達は「*****治療費」を稼ぐ為に、医師から紹介された怪しげなアルバイトを始める……。

公式サイトより一部引用。伏字は筆者によるもの

 あらすじの時点でおかしな展開が予想されるのだが、実際のところ抜きゲーであることをさっ引いてもかなり妙なストーリーが繰り広げられる。
 普段抜きゲーのシナリオにいちいち突っ込みを入れるのは野暮だと思っているので細かく言及することはしていないが、さすがに今回は首をかしげざるを得ない点が多々あった。あらすじで伏字にした部分もあわせて後述したい。

 以下が登場人物の紹介となる。4人しかいないのですぐ終わる。

  • 小坂 京介(こさか きょうすけ) 主人公。ゲームが大好きな学生。親しくしている美人女性が複数人いる一方で、両親からは何故かやたら疎まれている。作中通して全くもって何もしない男早漏。

  • 猪坂 彩乃(いさか あやの CV:いねむりやすこ) 京介の幼なじみ。京介の熱意のこもったゲームトークを(興味がないのに)ちゃんと聞いてくれる聖人。明るく元気な性格で学園でも人気者らしい。京介のことが好き。設定では料理が得意とあるがあまり披露する機会はない。

彩乃。本人はパズルゲームくらいしかゲームをやらない
  • 猪坂 沙耶(いさか さや CV:伊ヶ崎綾香) 彩乃の姉。単位を取り終えてしまって暇な大学生。京介とも昔から仲が良く、妹の彩乃と一緒に京介を甘やかすのが好き。包容力のあるタイプ。

沙耶。全ヒロインそうなのだが、行動力だけはやたらある
  • 藤崎 優子(ふじさき ゆうこ CV:かの仔) 京介の義理の叔母。母親の義理の妹で、姉妹の年齢が離れているため京介にとっては姉のような存在。おっとりした女性。京介の初恋の人でもある。職業はスーパーの店員。

優子。彼女らは行動力こそあるものの、おしなべて思慮が足りない

 ゲームを開始してすぐ、京介の新作ゲームに対する熱意のこもったモノローグが始まる。期待の新作の発売日が学園の創立記念日で休みということもあり、前日から徹夜して朝一でゲーム屋に買いに行き、そのまま帰って寝ずにぶっ通しのプレイをするつもりだと意気込む京介。
 わざわざ徹夜して待たなくても早めに寝て早朝に起きればいいし、早く遊びたいならゲーム屋までパッケージ版を買いに行かなくてもDL版を買えばいいんじゃないかなと思ってしまうのだが。とにかく京介は新作ゲームと一緒に大量のエナジードリンクを買い込み、それをがぶ飲みしながら延々プレイを続ける。

ゲーマーの鑑かもしれないが、徹夜からさらに徹夜でプレイなんて非効率的だと思う

 そして翌日。二徹状態で登校した京介は、当日行われていた定期健診の最中にひっくり返って倒れ、そのまま救急車で病院送りとなる。そこで下されたのは、エナジードリンクの飲み過ぎで奇病にかかってしまったという診断だった。しかも命に関わるほど重篤なものらしい。これを見たときはさすがに私も「嘘だろ」と思った。説得力というものを放棄している。仮に事実ならエナジードリンクのメーカーを訴えた方がいい。弁護士を呼べ。

何じゃこの展開
京介の両親が何故こんなに子供に冷たいのか謎

 病気の治療には保険を適用しても莫大なお金がかかるとのことだった。京介は親との仲がなぜか冷え切っており、両親は京介の治療に対してびた一文払う気はないと鬼のような宣告をする。
 では小坂家は京介にネグレクトをしているような虐待家庭なのかというとそうでもない。毎日のご飯は作ってくれるし学園に通う学費も出してくれる、ゲームを買うための小遣いもくれる。でも親子間での会話はほとんどないし治療費も出さないどういう家庭だ?

 そんな京介の治療費を払うため、3人のヒロインが立ち上がる。とはいえ彼女たちに出来ることなどたかが知れている。京介の診察をした医者に治療費をまけてもらいに行った3人は、医者から「自分で稼いでこい」と言われ、女であることを活用出来る仕事を紹介しようかと提案される。女衒もどきの行動を取るとかどういう医者だ?

何者だよこの医者

 そして3人のヒロインは各々、体を使って京介の治療費を稼ぎ始める。エナドリの飲み過ぎでぶっ倒れた人間のためにそこまでしてやる義理があるのかとか、大体セカンドオピニオンはどうしたとか、医療費の助成が受けられないか調べないのかとか、京介は診断が下されてから一度も病院に行っていないが予後について全く聞く気がないのかとか、優子は義理の姉(京介の母)を説得しないのかとか、とにかく登場人物が不自然な行動ばかり取る。京介も家でぼんやりしているより、女性陣も体を売るより、どちらも先にやることがいくらでもあるだろう。

 手っ取り早く稼ぐことを考えた3人のヒロインたちは、それぞれ援助交際やエロ個撮、性感マッサージ店などで金を稼ぐようになり、沙耶と優子はエスカレートして風俗嬢にまでなる。その過程でそれぞれ性的にテクニシャンだったり金を持っていたりといった竿役が現れて、そいつらに寝取られるというのが主な流れである。それにしてもいくら京介の治療費を稼ぐためとはいえ、全員が全員見ず知らずの男相手に処女を買ってもらう展開になるのは驚いた

 タチが悪いのは、京介はヒロイン3人が自分のために体を売っている事実に比較的早くから気づいていることだ。にも関わらず京介は彼女たちを止めるでもなく事情を聞いて話し合いをするでもなく、ただ静観しているだけだ。プレイしていて「なんなのこいつ」という感情は最後まで消えなかった。自分のために体を売ってまで治療費を稼いでくれる女性をほったらかしにするとは、一体どういう神経をしているのだろうか。

沙耶が初めて体を売ってすぐの展開
こいつなんなの
京介はどのルートでもこんな感じで「深入りはやめておこう」を繰り返す

 EDに関してはどれも似たり寄ったりなので割愛させてもらう。セックスが下手くそな京介は風俗やら援交やらで性体験豊富なヒロインを満足させることが出来ず、結局寝取られたままというオチを迎える。別にそれ自体は構わないのだが、正直京介という人間自体がまるで魅力もなければ自己投影や感情移入出来るようなキャラクターでもないので、ヒロインが寝取られたからといっても何も感じなかった。むしろ性豪だったり金持ちだったりする寝取り役の男と付き合った方が彼女たちにとっては良かったんじゃないかと思ってしまったほどだ。特に彩乃のルートに出てくる寝取り役の男子生徒は性格がやたらよく、またアソコもデカくて精力絶倫のイイ男だ。

徒労と茶番

 ここで最初のあらすじで伏字だった部分を公開する。公式サイトのあらすじにはこうある。

主人公、小坂京介は一般的な退屈で幸せな日々を送っていた。
ある日、京介は学園で倒れ病院に運ばれてしまう。
病院の検査により重病と診察されてしまった。

しかし、それは誤診だった。

そうとは知らずに本人や周りの人は「誤診の病の治療費」を前に項垂れる。
保険が利くとはいえその額は大きかった。
いっそ治療など受けないほうが良いか…そう考える京介に
「大丈夫。私たちに…任せて。心配しないで」
猪坂彩乃達は精一杯の笑顔でそう言った。
そして彼女達は「誤診の病の治療費」を稼ぐ為に、医師から紹介された怪しげなアルバイトを始める……。

公式サイトより引用

 京介の病気は医者による誤診だった。つまり彩乃たちが治療費をかき集めるために体を売っていること、それ自体が徒労であり壮大な茶番劇だったのである。
 これは展開そのものよりも、誤診であるという事実を最初に示してしまっていることが問題だ。プレイヤーはゲームを遊ぶ前に、公式サイトのあらすじや販売サイトの商品説明を見ただけで「えっ、この子ら誤診なのに体売るの?」ということになってしまう。いきなり物語の骨子の部分を提示され、プレイヤーはゲームをしながらヒロインの滑稽な姿を見続けることになるのだ。
『命の危機にある京介を救うため健気にも体を売ってまで治療費を稼ごうとしていたヒロインだったが、それは全て無駄な努力だった』ということが最後に判明するのならまだ分かる。それによって彼女らのやってきたことが水泡に帰して、残ったのは快楽堕ちした自分の心と体だったというのであれば、まだ寝取られ物としての無情さを演出することが出来ていたかもしれない。だが最初に「ヒロインたちの行動は無駄な努力です」と表明してしまっては、茶番を見るだけのゲームプレイになってしまう。
 スタッフはそういう『無駄な努力だと(プレイヤーは)分かっているのに頑張るヒロインが堕ちていく様』を見せたかったのかもしれないが、正直ピントがずれているとしか思えない。これは京介とヒロインたちの物語であり、また寝取られ物を楽しんでいるプレイヤーの物語でもあるのだ。アドベンチャーゲームにおいて、最初から物語の構造を俯瞰視点から見せることに意味があるのか。

結局何が問題なのか

 本作のまずいところは『物語を展開をするにあたってプレイヤーを納得させられるだけの材料の提示が出来ていない』ということだ。前述のネタバレあらすじにしても同じことで、最初からオチを見せる必要性が見当たらず結果的に物語にのめり込みにくくなっている。
 何も設定を詳細に作り込む必要はないし、一分の隙もない緻密なシナリオ構成にしろと言っているわけではない。ただシナリオを進行させる際に、些細な描写でも何でも『この世界ではそういうことになっているのだ』と思わせる・納得させる何かをもっと入れるべきだった。

 例として挙げると、以前検証記事を書いた『救済!粛清サークル ~The Purge Club~』の原作である花のオシオキ部は非常に破天荒かつ滅茶苦茶なシナリオだった。あの作品では(おそらく)プレイヤーが困惑するのが分かった上で、頭のおかしい人間と頭のおかしいシチュエーションを初手から怒濤のように投入していた。おかげでしばらくプレイした後には、この先何が起こっても驚かないと思えるようになっていた。シナリオの展開を許容する空気や雰囲気を作るというのは、実質これくらいでいい

 本作においてもそれは同様だ。エナジードリンクの飲み過ぎで病気にかかるのではなく、例えば世間で一時的に正体不明の奇病が流行っていることにしておき、京介も偶然罹患してしまうとかそんなのでいい。当然誤診というふざけた要素はオミットだ。
 家族仲が悪くて治療費を出さないというのも、小坂家が経済的に困窮しているということにしてもいい。
 医者が売春を提案するのではなく、何かしら女性を手籠めにしようとする女衒キャラを別個に出して、そいつにそそのかされてヒロインが体を売るよう仕向けられるでもいい。
 現実とすりあわせつつも納得の出来る要素を追加して、体裁だけでも整えるべきだった。いくら細かいことを気にしないようにしていても、大きな違和感に目をつぶり続けるのは難しいのだ。

CS版について

 移植の際に全年齢化するにあたり、とりあえずエロシーンは全て取っ替えなければならないのは当たり前である。しかし元のゲームがゲームだけに、どうしてもエロを取っ払うのは難しいものがある。『ヒロインが体を売る』のがスタートラインだからだ。

 CS版ではその辺りのラインがかなり緩和された、というかかなり無理をしてぼやかしている。彩乃は学園の男子生徒に「お小遣いくれたらデートしてあげる」と言って金を要求する。原作だとフェラチオして一発抜く代わりに1万円貰っていたのだが。

お金持ちの男子にデートを持ちかける彩乃。ずいぶんとマイルドになったな

 沙耶は体を売ろうと街ゆく男に声をかけるが、その男はとてつもない紳士であり、「コーヒー一杯飲んだらさっさと帰りなさい」と説諭する。何でもするから金が欲しいと土下座して懇願する沙耶に対して、男は「いくらそういう態度を取られても、俺は何もしないよ」とまさかの発言。冷静になれと諭してくる。ここまで紳士だと逆に笑えてくる。原作だとここで沙耶は処女を買い取られるのだが。

見ず知らずの男に体を売ろうとする沙耶だが…
途中までの流れは同じだったはずなのに
「俺が善人でよかったと思いなよ」紳士すぎる台詞
何者だよこの紳士は
紳士は本当に何もしなかった

 優子は性感マッサージ店ではなく、本物のマッサージ店で働くことになる。マッサージ店の店長から「大事なのは技術ではない」と忠告されるが、原作とCS版では意味合いが違う。原作では自分の体を使ってお客さんを興奮させられるかどうかが大事なのだが、CS版ではお客さんにマッサージを行う体力が大事なのだ。

途中までは原作と同じ流れだが…
マッサージ師としての心構え。セラピストは体力いる仕事だもんな

 ヒロインを買うことをおおっぴらに描写出来ない以上、竿役になるはずだった男性キャラクターが軒並み性欲が抜け落ちたような紳士になっているのには変な笑いが出た。

彩乃に手を出さず、説諭してくる男性
この世界の男性は優しい人ばっかりだ
プレゼントだけ渡して指一本触れず去っていく紳士

 風俗店に勤めさせるわけにもいかないならどうするんだろうと思っていたら、沙耶はすごく嫌そうな態度でメイド喫茶で働き始める
 結構業務内容をボロクソに言っているのだが、実際にコンカフェで働いているスタッフに対して少々失礼な気もする。個別ルートではその後彩乃と同じく男に声をかけ、デートする代わりに物を買って貰って換金する方法を取る。

そんな自分には縁遠いみたいな言い方しなくても
メイド喫茶の仕事そこまで嫌か?

 それにしても、京介がヒロインに愛想を尽かされる理由として重要な『セックスの下手さ』を描写出来ない以上、どうやって彩乃たちは寝取られ(表現として正しいのか疑問符がつく)るのだろうかと思っていたが、エロシーンがカットされているだけで一瞬にして寝取られていた。
 原作の沙耶ルートだと異様にねちっこい性格をしていた寝取り役の江東さんも、ただ金を見せびらかして沙耶と恋人ごっこをするだけの変なおじさんになっている。恋人ごっこをしながら京介に電話をかけさせるというプレイをするのだが、普通の状態で電話をかけてどうするんだ。浮気しながら彼氏に電話をするのはエロコンテンツではよくあるシチュエーションだが、セックスをしながらではないとなるとこうもちぐはぐな描写になるのかと思った。

 オチとしてはどれも原作とかけ離れているものはない。彩乃と沙耶が2EDずつ、優子は1EDの計5つだ。
 それにしても、途中まで体を売ろうとして失敗ばかりしていたヒロインたちに急に男が出来るというのは路線変更をしたかのような印象を受ける。実際はエロをなくした結果展開が不自然になっただけなのではあるが。

感想と余談

 原作に関してはいろいろと問題点を挙げてきた。エロシーンについては判別しにくいが、クオリティについては高かったのではないかと思う、多分。寝取られ物としてはオーソドックスなのかも知れないが、シナリオの構造には多々問題があるため単純に楽しむのはなかなか厳しいものがあった。
 また、原作・CS版双方ともに言えるのだが、優子のルートは寝取られというには微妙に異なっている気がしなくもない。優子は不特定多数の男性との付き合いを経る内に、『自分の喜び』を至上のものとするようになった。それゆえ求められて体を許すことはあっても心は常に自身のことだけを考えており、特定の相手と個人的な付き合いをしている様子がない。誰かに取られたというよりただ性に奔放な女性になった、というのがオチに思えてくるのだがどうだろうか。

 CS版に関しては、序盤の怒濤の紳士軍団で笑いっぱなしだった。本当に優しい男性キャラばかりが登場し、「こんなことをしてはダメだよ」と諭してくれる。これは寝取られ物である必要があったのかと思ったくらいだ。
 最終的には原作と同じような流れになってしまうのだが、個人的にはそれこそシナリオを魔改造して全く異なる作品に仕上げてしまったものも見てみたかった。もっともそれをやるには主人公の京介の性格を根底から変えていかなければならないのだが


 ちなみに余談だが、ニンテンドーe-shopの方の商品紹介のあらすじにはこうある。

ゲームのためエナジードリンクを過剰摂取した結果、奇病と診断された小坂 京介(こさか きょうすけ)。
治療には膨大なお金がかかること、放っておくと死に至るものであると知ったヒロインたちは医者の提案するアヤシイ仕事を行うことに……
京介のため。お金のため。そう言い聞かせていたヒロインたちだが……
ーー彼のため、彼と一緒に生きたい。私がいくら汚れようとも……

商品紹介欄より引用

 原作にあった誤診のことが書かれていない。さすがにスタッフも物語の核心となるようなネタバレをあらすじに書くのは良くないと、移植の際に考えたのだろう。そう思っていたのだが違っていた。登場人物紹介の京介の欄にはこうある。

・小坂 京介(こさか きょうすけ)
本作の主人公。ゲームを徹夜でプレイするために様々なドリンクを服用し結果、誤診された

商品紹介欄より引用

 誤診だとしっかり書いてしまっている。ついでに彩乃の紹介欄にも同じように京介が誤診だと書かれている。何も反省しなかったらしい。

終わりに

 今回の検証記事だが、本来はCS版の紳士軍団をはじめとした強引な改変の方をメインで取り上げる予定だった。しかしいざ原作と照らし合わせようとした際、原作のシナリオのあまりの構成に頭を抱えてしまい、そちらの問題点を大きく取り上げることにした。

 結局悪いのは再検査にも行かず家でずっとゲームばかりして、ヒロインたちが体を売っていることに気づいていながら止めもしなかった京介であり、コイツがもっと能動的に動いてさえいれば何も起きなかった。彩乃・沙耶・優子は全員京介に対する好感度がMAX状態だったのだから、さっさと誤診だと判明していれば普通によかったよかったで終わって幸せなカップル誕生だったのだ。よくこれで通したなと原作・CS版プレイ中に何度も思った。

 寝取られというのは今やエロコンテンツでは一大ジャンルであり、消費者間でも十人十色の『俺の寝取られ観』がある。催眠堕ちはダメ、体は堕ちても心まで堕ちるのはダメ、寝取り役が汚いおっさんではなくイケメンやチャラ男じゃなきゃダメetc… そうしたいろんな寝取られ好きに対して、このゲームはリーチ出来ていただろうか? 少々疑問だ。
 ちなみにCS版のタイトル『ワタシのココロは綺麗ですか?』だが、個人的には皆綺麗だったと思っている。いくら惚れた弱みとは言え自らのプライドをへし折られるほどの行為をして金を稼いでいたのだ、やり方はともかく目的意識は立派だった。そんな彼女らの誠意を台無しにしたヤツが一人いただけで。

 最後に私がこのゲームの主人公に対して言いたいことを言っているシーンの画像でこの記事を締めたいと思う。

その方が良かったんじゃないっスかね

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