「ミラーツインズ」サントラ小畑曲解説

4月クールサスペンスドラマ「ミラーツインズ」サントラで僕が担当させていただいた曲の解説です。超売れっ子先輩作曲家の林ゆうきさんと共同で担当させていただきました。林さんの提案で、チェロを圭吾、サックスを勇吾に当てはめて曲を作ってます。僕の担当曲は主に僕の考えるテーマ曲として作った「Black Shadow~運命の鎖~」とその曲のバリエーション、そしてじっとりとしたサスペンス曲を中心に作りました。ドラマを思い出しつつ、僕の解説を読んでいただけると嬉しいです。林さんの曲もめちゃめちゃかっこいいので是非続きで聴いてみてくださいね。

          Black Shadow~運命の鎖~

この曲は、「ミラーツインズ」の勇吾と圭吾の宿命やタイトルのよう「黒い影」そして、切り離すことのできない鎖のような運命をイメージして曲にしてみました。そして、このドラマのダークな部分のテーマ曲として作りました。ほかの曲と比べると分数も多くモリモリな内容になっています笑 そして、テーマで歌ってくれたのは約束のネバーランドで「training for escape」で歌ってくれた伊藤大輔さんにこれまたたくさんの歌声を吹き込んでいただきました。音楽的には僕がよく使うJazzyなサウンド感をドラマの世界観を壊さない程度に混ぜ混ぜしております!!

               過去の影

過去の状況に入っていけるような無表情なパットを1つ忍ばせて、小畑テーマ曲「Black Shadow~運命の鎖~」のBメロをチェロで朗々と弾いてもらいました。

              Heart Beat

太鼓と心臓の音、シンセベースの繰り返しにより、真実を突き詰める緊迫感を表現してみました。

             迫りくる現実

タイトルのごとく迫りくる現実を表現した曲で、つぶれたベースの音が繰り返される中、ピアノとストリングスでじわじわと迫りくる緊迫感を表現してます。劇中でも緊迫したシーンなどで使われました。この曲が別の番組等で2次使用される場合は、社会派のドキュメンタリーなどにも流れると嬉しいなあ、と個人的に思っております笑。

             信じられない今

ピアノの淡々としたフレーズの繰り返しにより、信じられない今の状態を客観視してみている状況を表現してみました。フレーズは上からとしたからなっており、鏡(ミラー)のようになっております。

            Black Shadow(絶望 ver)

「Black Shadow~運命の鎖~」の絶望アレンジでヴァイオリン、チェロとピアノの3つの楽器だけだけの小編成アレンジにしてみました。

               内輪揉め

サントラでは、勇吾のことで警察がもめていることを表現してみました。実際にはサックス抜きで使われることが多かったですね。

                Red Song

この曲は、緊急の事態に陥る場面を想定して作りました。1話の勇吾の引き渡しと引き換えに身代金を渡すところで予想外の展開になった場面などで流れました。名前の由来は、 監督からのオーダーでレッド・ツェッペリンの「移民の歌」のような曲が欲しいとのことだったので、「レッドの歌」ってことで、「Red Song」にしました。そのニュアンスを汲んでサスペンス系の太鼓ガンガンの曲に仕上げました。(Led ZeppelinのL とRedのRは違うんですけどねw)

                 緊張

こちらは、じわじわ緊張感が増すのと、不気味さを出すために、弦のハモリを減5度やわざと音をぶつけたりして、より緊張感を高めてみました。

               Madness

狂気の沙汰を表現するために、後半に向けてギターのノイジーなサウンドのなかに、飽和していくピアノをぶち込みました!

                 謎

謎を解決するために、推理してる様を音にしてみました。きらきらした鏡の音を結構盛り込んでおります。ヴァイオリンと女性の声とソプラノサックスがいい味を出せたのではと思っております。

           Black Shadow (心情 ver)

Black Shadowの心情系のアレンジです。

               重なる不安

重なる不安感を後半にかけて、リフが増えていくさまで表現してみました。僕がよく使う手法の1つですね!

             Dying Message

勇吾のサックスが何かを物語っているようにも聴こえます。後半のチェロはもちろん圭吾のイメージです。

                殺人現場

殺人現場で流れそうな曲を想定して作りました。不穏を出すためにリズムが左右に揺れて聴こえるようにPan(音が聴こえる位置)を動かしてます。

                裏切

Guitar一本でどんどん転調していくサウンド感になっております。


               Peace of mind

少しあたたまるような曲を1曲作ってます!

           Black Shadow (pf solo ver)

Black Shadow のピアノソロバージョンです。



 ●まとめ

今回の作品は、僕にとってとても挑戦したかったジャンルでもあるしなんといっても林ゆうきさんと一緒に担当できたことがとても感慨深かったですし、実りある現場でした。最近は、スポーツ系の案件が何故か増えてますが(TOKYOアスリート(Nスペ)、ワースポ×MLB(報道)、部活、好きじゃなきゃダメですか?(ドラマ)、八月のシンデレラナインなど)元々はサスペンス系(約束のネバーランド)や刑事ものも好きで(4年前ほど刑事ドラマを担当しました)担当できてとても嬉しかったです。

作品のファンの方々にも楽しんでいただきたいですし、こちら気に入っていただけた映像制作関係の方などいらっしゃいましたら、是非是非お仕事お待ちしておりますのでなにとぞよろしくお願いいたします~!!


作曲家 小畑貴裕


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