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第2章|極端な凸凹次男の話

我が家には実はもう一人、凸凹な特性を持つ次男がいる。
典型的な多動の兄に隠れ、その存在は限りなく薄かったのであるが、兄が2浪目で家を離れると、俄然彼の存在感が大きくなった。

まず、機関銃のように喋る長女と長男の間に割って入ることなど大人でも難しく、およそ自己主張を聞いたことがなかった。小学校低学年で通級指導は受け始めていたけれど、兄とは真逆で極めておとなしく無害なので、我が家では問題にすらならなかった。

それが中学2年になると課題が終わらせられず、夏休みの宿題を秋までやっている。これでは高校受験の際に困ると2年の冬にWISC-IVを受験。結果を聞きに学校を訪れると、ちょうど翌日からコロナで全国一斉休校というとんでもないタイミングで、学校の廊下を先生方が走り回る慌ただしい一日。その後長い休校に入り、中学3年はあっという間に過ぎ去り(修学旅行にも行けず、涙)気がついたら高校受験。

なんの対策もしないまま受験シーズンに入ってしまったため、慌てて長男の通っていたクリニックに相談し、試験用にコンサータを処方して貰い、ダメもとで公立高校前期試験に送り出すと、なんと我が家で初めての前期合格。(兄はもとより、1.1倍の倍率で受けさせた長女はあろうことか本番に受験票を忘れ、しっかり不合格を貰う過去)

このタイミングで兄が家を出て、めでたく兄と同じ地元の工業高校に通うことになるのだが、夏休みを過ぎたあたりからやはり課題が出せない。一日中机の前に座り、学校でも先生と一緒に居残り勉強させて貰っているのだが、何しろ極端に文字が書けない。英語はヒアリングは出来るのに(!?)スペリングが読めない・書けない。

中学の頃から英語を強化しようと学習塾に通わせてみたものの、「ここまで極端なお子さんは初めてです」英語2〜7点、理科90点台だったりするのだ。
この頃から「課題を少なくして貰おうか?」と聞いても「嫌だ」の一点張り。社交的で要領が良くお調子者で、友達からノートを写させてもらうなどあらゆる手段を使った多動の兄とは真逆で、頑固さもハンパではない。

なぜか試験には強い

記憶力は良いらしく、一度覚えたものは応用も効く。先日行われた「情報検定」でも、平均点が下がった難しさだったにも関わらず、1箇所表記を間違えただけでほぼ100点で合格したらしい。これにはずっと一緒に居残り勉強をしてくれて来た担任も舌を巻いて、「毎日真面目に居残りをしていて、なんとかしてあげたい」と、カウンセラーの勧めてくれた病院に明日初めて行くことになった。コロナの影響で予約を取るのに1ヶ月以上かかったのだ。

明日の関東地方は警報級の大雪の予報。そんな天気が大好きな旦那と、3人で出掛ける。そんなにすぐ診断が下りるとも思えないが、2学期の実習レポートが間に合わず(夏休みのレポートを秋までやっていた為)、このままでは留年になってしまうため、担任の先生は「特別な配慮」が出来る日を首を長くして待ってくれている。

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