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2024.1.13 "明日の叙景 LIVE IN SEOUL" Report【布】

明日の叙景、ボーカルの布です。
先日、行われた韓国公演に関して所感をまとめました!


明日の叙景 初 韓国公演

2024年、二本目のライブは韓国での公演となりました。
これまで台湾、中国、ヨーロッパ、香港とライブを行ってきましたが、ようやくお隣の国でもステージに立てました。

ちなみに明日の叙景は韓国語だと「아스노조케이」と表記するようです。

Kei Toriki(Gt)

1日目 出国・顔合わせ

空の旅は快適ですが、毎回気を付けなくてはいけないのが乾燥。調べたら飛行機内の湿度は20パーセントから10パーセントと砂漠並みになるそうです。
海外で公演をする際の、最初の難関と言ってもいいでしょう。

空港到着

空港に着くと、心地よい潤いを運ぶ海風と日本語/英語が堪能な現地スタッフが出迎えてくれました。
ひとまず、Krueltyの話で盛り上がりつつ、タクシーを待ちます。
すでに、この時点で海外に来たという感覚は良い意味で、ゼロになっておりました。

初日はひとまず顔合わせ。
日本と近い街並みなのですが、ピンク色にライトアップされた店(いかがわしいお店ではなく)が多く、アパレルショップには白系のダウンやコートなどが前面に押し出されており、その点では国内との差異を感じました。

ソウル市内
ソウル市内

韓国料理といえばサムギョプサルや焼き肉、チヂミというイメージがありますが、どうやらチキンもメインフードの一つに数えられるそうです。入った店では、大衆酒場ちばチャンのごとくチキンが次から次へと運ばれてきました。
二軒目のチヂミのお店では、野菜が豊富に入ったチヂミとムール貝のスープをいただきました。スープの方は、現地では二日酔い対策に飲まれるものらしいです。韓国における、しじみの味噌汁ですね。

現地スタッフの方々は日本の音楽に相当詳しく、メタルやハードコアだけに留まらず、クラブミュージックや東方スクリーモの話などにも精通しており、驚きました。
話題があまりにもコアすぎて「俺は今、大学生の頃の知り合いと久しぶりに再会して渋谷で飲んでいるのか?」と感じるくらいには語りましたね。
流石に韓国でNaiadKissing the Mirror、そしてVanishment this worldの話をするとは予想できない。

また、この日は偶然にもOZIGIRIが韓国のイベントに出演しており、ギターの等力が観に行きました。

韓国はクラブイベントも盛んなようで、会場ごとにブレイクコアに特化していたり、サイケトランスに重きを置いていたりと、カラーが強いそうです。
宿に帰る途中も、クラブの入口でターンテーブルをいじって音楽を流している人を数人見かけました。
日本では見ない光景だなと思いましたが、どうでしょう?
やっているクラブもあるのですかね?
久しくサイケトランスのイベントからは遠ざかっているので、ぼちぼち遊びに行きたいものです。

Seiya Saito(Drs)

2日目 ライブ当日

韓国の音楽と言えばK-POPの他にはシューゲイザー系としてParannoulBrokenteeth、V系としてMadmans Espritなどが、まず思い浮かびます。

そして、今回は韓国のシューゲイザーバンド、FOGと共演しました。

会場は天井が高く、全体的に内装もライトな色合いで重苦しくない雰囲気でした。
見た目でいえば渋谷サイクロンと渋谷エッグマンを足して2で割ったような印象です。

Prism Hall Stage
Prism Hall Bar

今回のツアーから弦楽器隊もイヤモニを使用するようになりました。
会場の機材を一部使用したため、ステレオではなくモノラルとなってしまい、苦労した部分もあったそうですが、耳への負担が軽く、長時間の演奏を経ても音が聴きとりやすかったとのこと。
今後は国内でもイヤモニが導入されますので、しっかりとパフォーマンスに還元できるようにしたいと思います。

会場であるPrism Hallはアイドルがライブで使用することが多いらしく、それが理由かは分かりませんが、ボーカルには無線マイクが用意されました。
学生の頃に学園祭でConvergeのコピーバンドをした時以来の無線マイクだったので、少し気分が高揚しました。
ギターやベースも明日の叙景は全員が無線なのですが、マイクも無線だと、とても快適です。

Daiki Nuno(Vo)

ライブセルフレポート

会場は満員で楽屋がステージから遠い場所にあるため、残念ながら共演のFOGは少ししかフロアで見られませんでした。それでも、甘いボーカルの声と音源よりもコントラストのある演奏がとても心地よかったです。

そして、いよいよ明日の叙景の番となったのですが、結論から言うとお客さんの反応がとても大きかったです。
明日の叙景のライブは「お客さんからのリアクションありきではない」という自負もあり、たとえ棒立ちでも関心を持って聴いてくれているだけで、嬉しい限りです。
ただ、手を向けたり、ステージの前に一歩出るだけで会場が沸くのは、中々に刺激的な時間でした。
これまでになかったノリとしては『キメラ』と『歌姫とそこにあれ』でバックビート気味に、お客さんが拳と掛け声を上げていたのが印象的でしたね。まさにアイドルのライブのように。

日本、香港、そしてヨーロッパではお客さんもこちらも、表でクラップすることが多かったので、今年4月に日本で行うライブでは『歌姫とそこにあれ』のときに、バックビートで煽ってみようかなとも思います。

曲間では
「すごいですね!」
「かっこいい!」
「最高!」
とお客さんが日本語で声を張り上げてくれて、こちらをサポートしようとするエネルギーと温かさを痛いほど感じました。
本当に感謝です。감사합니다
第四の壁が分厚い、取っ付きにくいライブも好きなのですが、お客さんからのアクションとリアクションを味わえるライブも、ここ最近楽しめるようになってきました。
ただ、個人的には全セットが終了するまで、歓声も拍手も一切起こらないライブを数年に一回はしたい気持ちもあります。
なにぶんheaven in her armsbilo'uを観て育ってきたので。

音響に関してはリハの段階から、フロアの位置によって聞こえ方が大きく変化する印象でした。
それでも、ライブ映像を見る限りではボーカルを分かりやすく前に出し、楽器はほどよくバランスを整える感じでしたね。素晴らしい調整だったと思います。ヨーロッパのスタイルに近いでしょうか。
ただ、FOGともどもマスターボリュームは小さめでした。
騒音問題や機材管理の面での処置という説明を受けましたが、専属PAを連れていくなど、今後しっかりと対応していけたらよいなと思います。
視点を変えれば、現地のPAに頼むことで、働き方がまるで異なる人と一緒に音を作ることで刺激を受けたり、驚くほど良い音を出すエンジニアと出会えたりすることもあります。
その一長一短も醍醐味かもしれません。

[Setlist]
SE.A Flower Is Not A Flower
1. 臨界
2. ビオトープの底から
3. 見つめていたい
4. 土踏まず
5. 歌姫とそこにあれ
6.忘却過ぎし
7.美しい名前
8.甘き渦の微笑
9.子守唄は潮騒
10.遠雷と君
11.キメラ

Gen(Support Gt)
Kensuke(Support Ba)

ライブを終えて打ち上げはサムギョプサル(食べ物の話題ばかり)でした。
現地でも日本の焼肉奉行ならぬサムギョプサル奉行がいるそうです。
肉に巻く野菜はサンチュだけではなく大葉も巻くそうなのですが、結構ありでした。
ちなみにナムルが山のように生肉と一緒に盛られており、鉄板で焼いて食べるらしいです(焼かずに食べてもオッケー)。ただ、現地の人はあまり手をつけないそうです。
そのまま食べたところ、ごま油で和えているわけでも、味付けしているわけでもないため、確かに肉と一緒に食べること前提だなと思いました。しかし、ありがたい野菜だったので積極的にいただきました。
海外で外食が続くと、いつの間にか肉しか食べていないという状況になりがちです。現地の言葉で「野菜食べたい!」と主張する準備をしておきましょう。

3日目 帰国

ライブも大盛況に終わり、韓国のこともほんの少し知ることができました。本当に充実したツアーだったと思います。

朝食は韓国の伝統的朝食であるクッパでした(最後の最後まで食べ物の話……)
そこでメンバーに戦慄を走らせる、白米が登場。
この三日間、がっつりした料理が続く中、一度も白米は出てこなかったため、自然と気持ちが沸き立ちます。
あっさりした味わいのスープを白米にかけ、テーブルの小瓶には桜エビやショウガ、きざみのりなどが揃い、自分で味を調整しながら食べることができます。
起き抜けの体でも食欲をそそられる、良い朝食でした。
欧州ツアー後に、おいしいサラダボウルが食べられるお店を探し求めたのに続き、おいしい朝クッパができるお店も探すことになりそうです。

三日間の韓国滞在は現地スタッフがしっかりとした旅程を立て、こまやかな気配りをしてくれたことで、とても快適な日々となりました。
日本に着いてからも、そこまで疲労感を覚えることがなく、改めて「しっかりと支えてもらったんだな」と感じました。
また、韓国に行けるように頑張ります!

Live Photo by Park Sin Joon
Organized by EVERY TIME WE FALL

お知らせ

今回のツアーの経験を活かし、日本国内でのライブもアップデートしていきます。

現在決まっている公演をまとめました。
ライブハウスでお待ちしております!

【ライブ日程】
2/24(土) "a Ray of Hope"
渋谷サイクロン
https://t.livepocket.jp/e/n-f_2

4/6(土) Live Album: Island in Full Release Concert
大阪 Yogibo HOLY MOUNTAIN
https://www.creativeman.co.jp/event/asunojokei-island-in-full/

4/14(日) SYNCHRONICITY’24
https://synchronicity.tv/festival/news/240123/

4/29(月祝)Live Album: Island in Full Release Concert
渋谷WWWX

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