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財布はこれで事足りる

abrAsusの小さい財布を使って3年と半年が経過したので、ちょっとした紹介と所感を書いておきたい。
(ちなみにこの記事は冒頭の数行を下書きしたものを書き直しており、最初は2年半が経過したとなっていた。)

全体


年季が入っており、家の鍵も括り付けているので少し不格好だ

私は男性の為、財布をカバンなどではなくズボンのポケットに入れる事がデフォルトだ。大体の男性はそんなものだろう。
しかし財布をズボンの横のポケットに入れていると角が当たって邪魔でしょうがない。
歩く時にどうしたって邪魔だ。
ではズボンの後ろのポケット、いわゆるケツポケットに入れるとどうか。これは座る時に邪魔なのだ。
思えば高校時代などはクラスみんながケツポケットに財布を入れていたもので、しかも当時は長財布が流行っていたものだから、みんなして長財布をケツポケットに入れては座る時には机の上に置くかカバンにしまっていた。
電車に乗る時も勿論ケツポケットに長財布を入れているもんだが、これでよくスられなかったなと思う。隙だらけにも程がある。

さて、そんなこんなでポケットに財布を入れるというのは身軽なようで意外と神経を使うと分かる。
財布の中身は大事だが、財布は邪魔でしょうがない。
なので財布を小さく出来ないかと探した結果辿り着いたのが、冒頭の画像やリンクにもある小さい財布、正式名称「小さい財布」だ。正式名称をわざわざ書く意味はなかった。
名は体を現すかのように、本当に小さい。
手のひらに乗っけている写真も実はこれゴツゴツの巨人が持ってて実際はもうちょっと大きいんでしょ?とも思ったが実物は本当にこれくらいだ。

手のひら

成人男性の手に乗せたサイズ感
ご自分が成人男性ではない・身近に成人男性が居ない場合は、そこら辺を歩いてる成人男性を捕まえて手の大きさを確認しよう


サイズは小さいが本当にお金は入るのか、どんな風に入るのか、せいぜい10円玉とファミコンのBボタンくらいしか入らないんじゃないだろうか。

この財布を見つけた時に興味と同時に不安も生まれたが、案外入るのだ。
リンク先のメーカーのページが分かりやすいが、要約すると
・お札は10枚以上は入る
・小銭は1円玉や500円玉などサイズによるが一応15〜6枚くらいは入る
・カードは保険証や免許証などの厚みのあるものが4枚ちょうど入る

という感じだ。
お札や小銭はキャッシュレスの時代に突入したお陰で大体なんとかなるものだ。
これを買った当時はまだ今ほどはキャッシュレスが強くプッシュされておらず、現金支払のみという店が意外にもあったが今はほぼ無くなった。
定食屋すらもキャッシュレスだ。
未だ現金オンリーなのは100円ショップやラーメン屋や商店街の八百屋くらいなものだろう。風俗店すらクレジットカード支払いがあったりするのだ。というか逆にそこでクレカ使うの怖くないのかな…?

問題はカード類だ。上記の通りカード類は4枚入る。4枚しか入らないとも言える。
この4枚というのが意外と厄介なのだ。
貴方が今財布に入れているカードを全部ちゃんと出して数えてみて欲しいのだが、何枚あっただろうか。
大抵の人は4枚以上入っていると思う。
お店のポイントカードが何枚あるだろうか。
キャッシュカードやクレジットカードが何枚だろうだろうか。
遊戯王カードが入っていないだろうか。高校時代の友人F君は常に財布に"聖なるバリア −ミラーフォース−"を入れていた。

ではやはりこの小さい財布、結局使えないじゃないか、やはり普通の財布じゃないとと思うかもしれないが発想を変えてみよう。
自分の生活に合わせた財布を選ぶのではなく、財布に合わせた生活が出来ないだろうかと考えた。
アニメショップを始めちょっとした買い物に使っていた店のポイントカードがたくさんあったが、よくよく考えたらそんなに通わない。
それどころかポイントカードがある事で事あるごとに「店に行かないと」という謎の使命感が生まれる。そして合計金額に応じてポイントが貰える喜びから大して欲しくないものを買ってしまう事もある。
Tカードはどうだろう、あれはとても便利だ。あらゆる店でポイントが貯まるのだ。
でも思い返したところでTポイントを使って買い物をした事がほぼなく、溜まりに溜まったポイントを一番使ったのが東日本大震災の時にTポイントで寄付が出来ると聞いて全額寄付に回した程度だ。それでも5千円分程だ。
銀行のキャッシュカードも複数枚持っていた。しかしこれもまた使わない。
そもそも突発的に銀行に行く機会があまり無い上に、あってもメインで使っている銀行しか使わない。
サブの銀行口座は一体いつ使ったかすら覚えていない。

この様に財布のカードを厳しく見直してみると、「これ別に毎日持ち歩く必要無くね?」というものばかりだったりする。
ショップのポイントカードもそこまで大金になるわけでもないし、
ポイントカードを持つことで必要が無いのに店に足を運ぶキッカケを作ってしまい無駄遣いが生まれる
キャッシュカードは必要な時に持ち出せばいい程度だし、メインの1枚を持ち歩くならばまず他は急に使うことはない。
というか銀行のカードなどという紛失した際のリスクの塊をわざわざ複数枚持ち歩くのは、紛失リスクを増大させるだけであり、不安を生んでしまう
こうして見てみるとカード類は所持する事自体は有効なものが多いが、常に持ち歩く必要があるものはそんなに無く、
家に置いておけば良かったりする事に気づいた

結果として私が厳選した選手は以下の通り。
・クレジットカード
・銀行のキャッシュカード
・免許証
・保険証

の4枚がスタメンとなった。

クレジットカードは買い物に使う。今は基本的にモバイルSuicaを使用するが、交通系ICが使えない店が意外とあったりするのだ。
何よりモバイルSuicaはチャージ金額に上限があり2万円までしか使えない。
2万1円以上の買い物が出来ないのは社会人の生活では不便なことが多いので常時持ち歩いても問題ない。

キャッシュカードは前述の理屈で言えば持ち歩く必要な無いのかもしれない。現にあまり出番がないが、これも社会人の生活において急に使うことがあったりする(ほぼ無いのだが一応)。

免許証は実は一番使っている。車は持っていないし原付きは実家に置いている為一見必要なさそうなのだが、仕事柄身分証を提示する事が日常茶飯事なのだ。外出仕事の際にこれが無いと仕事に取り掛かることすら出来ず大問題になる。絶対に外せない。

保険証もキャッシュカードと同じでまず急に必要になる事がほぼない。急な事故に巻き込まれる事だってあり得るのだが、仮にそれで病院に運ばれて全額負担になったとしても後から保険証を持っていけば大丈夫だという。
しかし1年半前に仕事終わりの飲み会でやらかして救急車に運ばれ短期入院をした事があり、やはり保険証があるととてもスムーズだったという。
運ばれて入院と至った時は意識を失っていたので保険証を用いた細かい手続きをちゃんと見ていないが、そうだったようだ。

今の所上記の4枚で困ることがほぼない。
風邪などを患って新しい病院に行くたびに病院ごとの診察カードを発行されたりもするが、その時は財布のお札のところに一時的に入れたりすればいい。免許証やクレカと比べたら大して重要なカードでも無いし。
ポイントカードが無いので特定の店に縛られた買い物をしないし、今通うような店は大抵スマホアプリで会員兼ポイントカードとなるので、紙のカードを捨てて全部そちらに切り替えた。

厚み

上記のカード4枚を入れた状態で横から見た図
ピッタリ4枚入る


たった4枚しかカードが入らない不便な財布との出会いは、
使いもしないカードを持ち歩き、使いもしないポイントを貯める為に必要でもないものを買うような店に通い、失くしたらどうしようという不安を産み、実際に無くしてしまうリスクを増やしている現状を教えてくれた
そしてこの小さい財布に切り替え財布に合わせてカードを厳選して必要なものだけ持ち歩くようにマインドを切り替えるキッカケを与えてくれた。
物理的にスマートな財布は、そのスマートさに合わせる為に物理的なものを厳選させるだけでなく心理的にもスマートにしてくれるのだ
これが購入後大きく変化したことだ。
キッカケを与えてくれたのだ。

この財布を使ってから今でもポイントカード類は基本的には作らず、やむを得ず作っても家のクリアファイルに放り込んでいるし大抵使わないのでそろそろ処分しようとも思っている。
どうせ使わないのだから。

ミニマリストなどとは程遠く、モノに溢れている生活ではあるが、財布周りはスマートで居られるのでちょっとだけ優越感が味わえる。
何より知らない人が私のこの財布を見るとまず最初に「これ小銭入れ?」と聞いてくる。
その問いに対し「これ財布なんスよ」とドヤ顔で返す時の爽快感たるや筆舌に尽くし難い。なにせ必ず驚いてくれる、興味を持ってくれるのだ。楽しいぞ。

私がこの財布の使用を決断した当時より更にキャッシュレス化は進み、今後はもっと現金の使用率は減る。
各種店のポイントカードはそれぞれのアプリへと移行していく。
マイナンバーカードの浸透によって思いも寄らない所でカード類がマイナンバーカードで済むようになるかもしれない。
そうなるといよいよ以って財布の登場する機会は減り、必要性を問う機会が増えていくだろう。
大きな財布を持つことがダサいと言われる時代が近づいているのかもしれない。

財布は小さくても充分だ。身軽で居たほうが気が楽になる。
たかが数十年の人生でガチガチに固めるよりも、
飄々と身軽に気軽にその場のノリに馴染むような軽さで居たい。


でも確かに財布を小さくしたいとは言ったが、小さい財布に見合うだけのお金しか持っていない生活は我ながら如何なものかと、寂しい懐を擦ってしまう。
いくら身軽になりたくても、何も本当に中身が少なくなることないじゃないか…
無駄遣いを減らす事も大事だがそもそもの収入を増やす努力も必要だと思う32歳なのであった。

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