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『憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを』源俊頼朝臣

《意味》
つれないあの人を振り向かせたいと初瀬の観音様にお祈りしたのに。初瀬山の山おろしよ、こんなに激しく吹くように、あの人がますます冷淡になるようにとは祈らなかったのに。


叶わぬ恋。振り向いてほしいと祈ったはずなのに、ますます嘆きが深くなっていく、絶望の一首です。

この歌は「祈れども逢はざる恋」というお題で詠まれた一首です。神様に祈っても叶わない恋、という難しいお題の中で、テクニックを駆使しつつ巧みに作られました。

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1,209字
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