『いにしへの 奈良の都の 八重ざくら けふ九重に 匂ひぬるかな』伊勢大輔
《意味》
その昔に栄えた古都・奈良で咲き誇っていたであろう八重桜。それが今日はこの京にある宮中で美しく咲き溢れているよ。
桜の美しさを詠み込みながら、それが献上される宮中の素晴らしさを讃える。
平安時代の華やかな貴族たちの様子がうかがえる一首です。
「九重」とは宮中のこと。古代中国で王宮を九重の門で囲ったことから、そのように呼ぶようになったと言われています。
「匂ひぬる」とは香りのことではなく、美しくつややかな見た目のことを指します。
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