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『吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ』文屋康秀

《意味》
山からの風が強く吹くと、すぐに秋の草木が萎れてしまうので、なるほど山からの風を嵐と呼ぶのだなぁ。


秋の風物詩、台風。
その様は、遠き平安から変わらないようです。

和歌は音で楽しめるものでもあるのですが、この一首はぜひ文字として楽しんでほしい一首です。
ポイントは「嵐」という字。「山からの風で嵐になる」つまり、「山+風=嵐」じゃん!という漢字の遊びとなっています。
小中学生がするような発想と言ってしまえばそれまでなのですが、当時このような遊びは流行っていたようで、「久方の」の紀友則にも次のような歌があります。

「雪ふれば 木毎に花ぞ 咲きにける いづれを 梅とわきて 折らまし」

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