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『山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も 枯れぬと思へば』源宗于朝臣

《意味》
山里ではとりわけ冬の寂しさが身に沁みて感じられるなぁ。誰も訪ねてこないし、草木も枯れてしまうと思うと。

誰もいない、ひとりぼっちの山里。寒さと共に寂しさが際立つ一首です。

この歌は、読んだそのままストレートに意味が伝わる、わかりやすい一首です。
「人目」、人の往来が離れるかれる、なくなっていくということと、草木が枯れるということがかけられている。さりげないテクニックが隠されています。

「寂しさといえば秋」ということはこのいろはおとの中でも度々扱ってきました。今回の歌では「山里の冬が寂しい」としていますが、やはり山里は秋こと寂しいのだとしている歌もあります。

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