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『心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどわせる 白菊の花』凡河内躬恒
《意味》
初霜でそこらじゅう真っ白になってしまって、白菊の花が見分けがつかなくなってしまった。当てずっぽうに折れるなら折ってしまおうか、この真っ白な中の白菊の花を。
真っ白に霜の降りた中に咲く白い小菊。張り詰めた空気の中に、美しい光景です。
この歌は中国からの影響を多く受けた一首です。
菊は中国から渡来した植物で、この歌が入っている古今和歌集の頃に歌に詠まれるようになりました。今よくイメージされる大輪の菊ではなく野辺に咲くような小さな菊、色も白か黄色に限られていたそうです。
そして白い霜と白い菊を合わせるという発想は、中国の漢詩の中にも見られるもので、その流れを汲んでいると言われています。
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949字
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