見出し画像

『夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ』清原深養父

《意味》
夏の短い夜は、まだ宵だと思っているうちに明けてしまった。
沈むのが間に合わなかった月は、今頃雲のどの辺りに宿をとっているのだろうか。

夏の夜の短さを儚む。
夜を愛した平安びとらしい、爽やかでおしゃれな一首です。


この歌の作者・清原深養父は、かの清少納言の曽祖父です。出世からは遠いまま一生を終えますが、歌人としての才は高く、後世までその名を残しました。
清少納言はその歌人として由緒ある家柄の出身であることを疎み、歌を詠むことを嫌がっていたと伝わっています。

ここから先は

1,261字
毎週水曜日に更新。AuDee「あすなのいろはおと」をより深く楽しんでいただける情報をお届けします。番組に届いたお便りの返信も音声にて配信!ぜひ一緒に楽しんでください。

AuDeeにて放送中の百人一首と音楽を掛け合わせる番組「いろはおと」で取り上げた歌の解説と手書き原稿の公開をしています。 また、番組でいた…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?