ランゴリアーズ/スティーブン・キング
スティーブンキングの「ランゴリアーズ」を小説・映画両方堪能した。
ロサンゼルスからボストン行きの飛行機が、たった11名の乗客を残し、全員が姿を消してしまう。 たまたまその便に乗り合わせていたパイロットのブライアンは、不安に駆られる乗客を伴い、バンゴアの空港に飛行機を着陸させるが…。
いや、この映画三時間もあって長い💦
だけどすごく丁寧に作られていて小説の内容に忠実である。
ほとんどのトラブルは、パニックと過去のトラウマに陥ったひとりの乗客のせいで引き起こされる。
時の綻び、タイム・リップから異次元に迷い込んでしまった彼らが降りたったのは、過去のバンゴア空港。
そこにはまったく人の気配がなく、空気は動かず、靴音は響かず、マッチは燃えず、食べ物は味がしない。そしてじわじわ近づいてくる何か。
ランゴリアーズが「過去」を抹殺し貪欲に食い尽くしてゆく大地から、ギリギリで飛び立ってゆくアメリアン・プライド29便のフライトにぞっとする。
尊い仲間の犠牲によって彼らはロスに戻って来るのだが、この過酷なタイム・トラベルによってキングは何を言おうとしていたのか。
もしかしたら言いたいことなどなかったのかもしれない。
ただただ、今まで自分たちがごく普通に暮らしていた世界、それがどれだけ尊いものであったのか、また生きて戻って来れたということがどれだけ素晴らしいことなのか。
読み終えた後は冴え冴えとした朝の空気を吸い込んだような、生まれ変わった気持ちでそれを味わう。
晴れ。さんが言っていた。
「生き死に以外はたいしたことではない」
そういうことか、と思う。
また、映画ではスティーブン・キングがしっかり出演していて、これがすごく若い‼️😆
どこで出てくるのかとワクワクしていたら、そこか!と(o^^o)
映画版はキングの姿を見られるのも、楽しみのひとつである。
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